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さかせ古道を突破せよ(2)

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このあと、しばらくは平坦な道が続く。

切り立った崖の上を通過する。

道がなくなっても、なんのその、

この程度の崩壊地で驚いていては、

この道、さかせ古道は克服できない。

勇気をもって進むんだ。いけキリヤマ。

また崩壊地だ。

今度は下るにはちょっと難儀しそう。

念のためにロープを出そう。

よし、これでいい。

続いてフルハシ隊員が下降する。

白くペイントされた、木々がたくさんある。

何の目印だろうか。

山の中腹を縫うように通っている道なので、

高低差は、ほとんどない。

こうしてゆっくり歩いていると

古道としての歴史を感じる。

しかし、またすぐに崩壊地だ。

今度はちょっと手ごわいぞ。

じっくり、ゆっくり下りれば大丈夫だと思うが、

一度すべりはじめたら、谷の下までずるずるーっと落ちそうで不安だ。

落ちるのは内閣の支持率とキリヤマの信頼だけで十分だ。

(キリヤマの信頼はこれ以上落ちないので安心だ)

ここは、やはりロープを使おう。

むむ、ちょっとロープが短いぞ。下まで届かない。

最後のほうはロープ無しで下ろう。

続いてフルハシ隊員。

谷の反対側は難なく登れそうだ。

ここで突然、モグラの襲撃。

突然目の前に出てきたので、びっくりだ。

モグラもまさか人が来るとは思っていなかっただろう。

かつての生活道の名残、石垣がところどころある。

危険な個所や、

穏やかな個所を進む。

またしても白くペイントされた木だ。

切り立った壁の上に立つ。思わず身震いする。

こんなことろで踏み外したら、まっすぐ滑落してしまうだろう。

わたしは何事にも正直にまっすぐ向かう性格なのだ。

崩壊地その4にトライする。

ここは難なくクリアー。

続いてキリヤマ。

このあとは、しばらく平坦な道が続く。

質素な心の持ち主、フルハシ隊員。

この付近から言葉が少なくなってきた。

彼は整体師を生業とし、

ミャンマーで托鉢僧侶として修行したこともある。

彼とわたしは、中学生のころからの友人だが、

いまだにわたしは彼の人となりをよく分かっていない。

そして、たびたび立ち止まっては黙想をするようになる。

 

草木をいつくしみ、しばらく座り込むこともたびたび。

しかし、あまりゆっくり行動しては日が暮れてしまう。

ここで前回の探検のときに続いて、疑問が出てきた。

彼のこの行動は質素なのではなく、

本当は疲労なのではないだろうか。

むむ、今日こそ聞いてみたい。

思い切ってフルハシ隊員に「疲れていないか」、と尋ねるが

「おう」と、どちらともとれる曖昧な返事が返ってくる。

彼はこの道から何かを感じているようだが、

わたしの「早くしてほしい」という願いは、感じていないようだ。

しかし、周囲の風景はとても美しく、

フルハシ隊員ほどではないが、

心がとても穏やかになっていく。

大きな石垣の跡地を過ぎる。

ここにはかつて沢があったのだろうと思われる。

その先は、カニの横ばいで進む。

 

やがて、道が林道のほうに進み始める。

植林地帯を下っていくと、白のペイントが続く。

シカ柵沿いにしばらく進むと、

林道が見えてくる。

白のペイントは林道まで続いていた。

林道に到着。二本杉峠から約2時間だ。(12:28)

(写真右奥が丹沢湖方面)

入口にペイントされた木があるので、

逆コースのときはこれを目印にするといいだろう。

ここから地蔵平までは20mほどだ。

地蔵平に到着。

このあと我が隊はセギノ沢沿いの廃道を使って、大滝峠に登る。

 

感想:

・地蔵平には最盛期には200戸の集落があり、

 小さいながらも小学校があったという。

 しかし今、かつてここにあった集落を思い起こすようなものは

 何にも無い。開けた場所には、今はただ沢の流れる音がするだけ。

 影のように静かなところだ。

・さかせ古道はこの後、城ヶ尾峠を越えて道志村の三ヶ瀬沢沿いに

 進んでいく。本日の探検は、ここから大滝峠に進む。

 我が隊は無事に到達できるのか。そして質素なフルハシ隊員は、

 疲労なのか。続きは、こちら↓。

 No:39 本当に道があるのか、セギノ沢から大滝峠に登れ

林道脇に地蔵平の象徴、地蔵尊がある。

地蔵尊は手入れが行き届き、お供え物もある。

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