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よい悪沢、ふつうの悪沢、わるい悪沢

2013年7月14日(日) 

大滝橋 〜 悪沢 〜 悪沢ノ頭 〜 大滝橋


 

悪沢は難しい。

こんなときは、ベテランと一緒に登るほうがいい。

そこで、まーちゃんに白羽の矢が立った。

まーちゃんと一緒なら心強い。

 

ところが、まーちゃんはここ数ヶ月で、すっかり

クライマーになってしまっていた。

沢登りは、あまり乗り気でないようだ。

そこを何とか、なだめすかして、まーちゃんを悪沢に誘う。

 

大滝橋バス停から林道を少し入ったところに

マイナー探検1号を駐車。(08:05)

県道を約20分歩いて、悪沢の出合いに到着。

沢に入るとすぐにF1が見えてくる。

今日は、沢の左側(右岸)にある作業道を進む。

F1からF4までこの作業道で巻いてしまう。

F1からF3は作業道で巻き、F4に到着。(09:00)

 

先日は、ここで2時間も過ごした。

NO.113 滝の途中で孤立、どうする桐山!

よくよく調べてみると、この滝はあまり登られていないようだ。

ガイド本でも、F4は巻くことを勧めている。

F4は、右側(左岸)にある作業道で巻く。

ロープが張られているが、高度感がありちょっと怖い。

アンヌ隊員は、クイックドロー(ヌンチャク)を使用して登る。

 

F4の上流にある堰堤まで、作業道は続いている。

作業道が無くなってから最初の滝。

ここから、小さな滝をいくつも越えて行く。

次の滝。しっかりとホールドがある。

さらに次。どんどん越えて行く。

悪沢といいつつ、とてもよい沢だ。

今年の梅雨は、あまり雨が降らなかったせいか、

沢全体がヌメっており、滝の難易度が上がってしまう。

次にゴルジュを通過。この付近が悪沢の一番美しいところだ。

 

F5スラブに到着。ガイド本によると10m。(09:30)

ここは、右側(左岸)に巻き道がある。

トラバース個所には固定ロープがあるが、

かなりの高度感があり、危険な巻き道だ。

 

F1〜F4まで作業道を通過した場合は、このF5がこの沢の核心部。

まーちゃんが、ロープを引いて巻き道を登る。

順調に登り、ロープにしたがってトラバースする。

 

このとき、ハチがまーちゃんの周囲を旋回し始める。

このハチ、実はクロスズメバチ!

 

クロスズメバチは、巣を土の中に作る。

もしかしたら近くに巣があるのかもしれない。

まーちゃんが巣の警戒エリアに侵入している場合、とても危険だ。

ハチを刺激すると、巣から大量にハチが出てくるかもしれないぞ。

 

じっとうずくまる、まーちゃん。刺されたら大変だ。

まーちゃんのいるところは、切り立った崖っぷち。

動けない。危ないまーちゃん!

 

しばらくすると、まーちゃんの周囲を旋回していたハチは、

どこかへ去っていった。

 

というのは、後から知ったことで、

現場で下から見ていると、なんだか分からない。

ただ、まーちゃんがじっとしているのを見て、

ただ事ではないことは分かっていた。

 

こうして、まーちゃんは無事にトラバースし、

ビレイの準備をする。次に、アンヌ隊員が登る。

固定ロープに手が届くまでは危険だが、

まーちゃんのビレイで安心して登る。

 

アンヌ隊員が無事に登ると、まーちゃんにロープを

引いてもらい、滝の下にいる私のところにロープダウン。

私は、まーちゃんのビレイで滝を直登り。

 

今回は、クライミング用語で言う、トップロープで登る。

しかし、まーちゃんのビレイポイントが、あまりよくない。

派手にフォールしないことを前提に登攀を開始。

(F5の登攀方法は、最後にまとめます)

 

こうして、無事に登攀。やった〜!

ビレイ無しでは、登れなかった。

まーちゃんに感謝だ!

悪沢、最高!

ロープ片付けて、さらに登って行く。

F5の上流にある滝。

これは簡単に越えられる。

次の滝は、上の岩が少しかぶっており、

難しそうだ。

ここは、右側(左岸)から巻く。

巻き道から上流を見ると、次の滝が見える。

2段8mらしい。これはちょっと登れないか。

でも、まーちゃんは、遠くで見ると

全然登れないように見える滝でも、

近くで見ると簡単に登れることがある、という。

近くまで行くと、まーちゃんの言うとおり

簡単に登れる滝だった。

(さすがは、まーちゃん!)

気持ちのいい滝を、いくつも越えて行く。

たくさんの滝、ゴルジュ。

飽きさせない沢だ。

黒光りしていかにもヌメりそうな滝。

左から巻く。

真正面から支流が流れている。

本流は、ここで左にカーブしている。

そして、多段の滝が見えてくる

ガイド本によると15mらしい。

上の方はよく見えない。

 

この滝は、一見すると登れそうだが、

ちょっと岩がモロそう。ここは、わるい悪沢だ。

高度感もある。今回は右から巻くことに。

巻き道には、踏み跡がないが、

簡単に巻くことができる。

滝の途中まで巻いて、滝のテラスに下りる。

ここから上の段を登っていく。階段状になっており、

簡単に登れる。しかし、高度感があり、かなり怖い。

初心者がパーティにいたら、きっとロープを出していただろう。

多段の滝の上に、さらに滝が続く。

まーちゃん、アンヌ隊員は簡単に越えて行くが、

私は途中で詰まってしまい、

アンヌ隊員にスリングを出してもらってクリア。

先行の人がスイスイ登っているのを見て、

あなどっていると、登れなくなることがよくある。

分岐がある。ここは左。

その後、涸れ滝がある。

最後に、スラブの涸れ滝を登る。

ここは、まーちゃんのビレイで、アンヌ、私が登る。

巻き道は左にある。

 

ここまで27の滝を越えてきた。

小さな滝が連続する悪沢は、とてもよい悪沢だ。

これ以上登っていくと、後はもろい涸れ滝。

ここからは、左側にある支尾根を登っていく。

こうして、悪沢の頭から少し東側の尾根に到着。(13:05)

 

最初は乗り気でなかった、まーちゃん。

なかなか緊張感があって楽しかった、といってくれた。

よかった、よかった。

下山は、先日調査した管理道を下って。

一時間ほどで、大滝橋付近の林道に到着。(14:10)

 

あとがき

悪沢、F5の登攀について:

 水流の右側を登る。

 まず上り始め、離陸は右側の壁。

 次に、左にトラバース(流れのすぐそばまでトラバース)。

 その上はまっすぐに登る。

 

ホールドはあまりなく、小さな突起が頼り。

岩がヌメッていて、スメアリングが難しい。

途中にハーケンが一本あり、足場にできる。

ゲレンデ岩場なら、レベルは5.8くらい。(幕岩なら、桃源郷・シルクロードかな)

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