塩水橋 〜 キュウハ沢 〜 竜ヶ馬場 〜 丹沢山 〜 堂平 〜 塩水橋 | |
2011年 1月 8日(土)、天気:晴れ 行動時間 9:10〜17:10( 8 h ) 探検メンバー : キリヤマ隊長、アンヌ隊員
この日我が隊が挑んだのは、キュウハ沢にある戦闘機エンジン。 昨年のアタックでは、沢を渡れず、惜しくも転進(撤退)した。(探検記No59) 今回は、沢を渡る準備をしての再挑戦だ。 だが、キリヤマは忘れていた。平地と違って冬の丹沢は、 思いのほか寒いことを。厳寒期のキュウハ沢は、渡るには寒すぎる。 さらに巻き道の斜面は地表が凍りつき、トラバースに困難を極める。
厳寒期の凍りつく沢を進む、キリヤマ、アンヌ。果たして、 無事に戦闘機のエンジンを見つけることができるのか。 行くぞ、マイナールート探検隊。
|
戦闘機エンジンはいったい、どこにあるのか
|
マイナー探検1号を塩水橋の駐車スペースに止める。(09:10) 外気温は、0℃だ。路面が乾いている。 よかった。凍っていない。 |
||
県道からゲートを越えて林道を進む。 堂平への分岐を過ぎ、沢沿いに進んでいく。 |
||
1時間ほどの林道歩きで、 本谷林道の最終地点近くに到着。 ここから今日のターゲット、キュウハ沢に入る。 |
||
補助ロープを肩掛けして、よし。 行くぞ、マイナールート探検隊。(10:30) |
||
キュウハ沢沿いのルートは、 三角ノ頭への管理道を経て、沢沿いの道を進む。 |
||
今日のルートは、斜面をトラバースする。 こういったところは、ドライバーが必須だ。 |
||
最初の堰堤と2番目の堰堤を 斜面をトラバースして越える。 このルートには、踏み跡がある。 |
||
前回の探検で、3番目の堰堤までは エンジンがないことを確認している。 したがって今回は、4番目の堰堤から調査だ。 |
||
なるべく、安全に進めるところを選んで 慎重に斜面をトラバースする。 |
||
この日は、斜面の土がところどころ凍っている。 斜面にドライバーが刺しにくい。 |
||
写真では、とてもわかりづらいが、 道が付いている。テーピングも少しある。 |
||
4番目の堰堤が見えてきた。 よし、ここから沢に下って 調査をするぞ。 |
||
前回、来たときも、ここから下ろうとした。 しかし、ロープが下まで届かず、尾根まで登りかえした。 その結果、エンジンのある位置を過ぎてしまった。 |
||
今回は、エンジンのある場所を通り過ぎないように ここから下ることにする。
わたしが先に下ってロープを残して、 アンヌ隊員がロープを回収しながら下る。 |
||
2回ほどロープを出して、どうにか沢に下りることができた。 |
||
3番目と4番目堰堤の間に到着。 この堰堤は、堰堤の右側(反対岸)にあるハシゴを使って越えられる。 しかし、今朝はとても寒い。 うーん、渡河のサンダルは持ってきているが、 素足で冷たい沢に入る気になれないなぁ。 |
||
堰堤の左側から越えられるだろうか。 |
||
うむ、堰堤の左側は、壁になっていて直登できないが 少し下流側の斜面から登れそうだ。 |
||
いったん、斜面を登ってから、トラバースする。 |
||
高度感があり、ちょっと恐いが 立木にロープを渡して、ここをクリアー。 |
||
こうして、4番目と5番目堰堤の間に到着。 ここから先は、左側の岸を歩くことができない。 沢の流れが細いところを探して、 右側の岸に渡らなければならない。 |
||
ここは、渡るのに都合の良い石がたくさんある。
|
||
反対側に渡ると、よし、見つけたぞ。 戦闘機のエンジンだ。 |
エンジン発見。しかし、苦難が
|
「キュウハ沢 エンジン」をWebで検索してすると、 このエンジンに関する情報がいくつか読める。 詳しく書いてあるので、解説はそちらを見て欲しい。 |
||
人間の作ったのもので、一番長持ちするものは、 鉱物で作られたものだと聞いたことがある。 紀元前15世紀、人類初の鉄器文化、ヒッタイトの鉄器だって ちゃんと発掘された。このエンジンは何世紀たっても ずっとここにあるだろう。 |
||
エンジンのそばに、古い供え物がある。 こちらは、そんなに長くはもたないだろう。 (回収しないのかな?) |
||
第5堰堤は右側にあるハシゴを使って越えられる。 |
||
第5堰堤の先は、 前回の探検のときに下りてきた場所だ。 |
||
少し上流に進むと、両岸が狭まって岩が露出している。 ここから先は、登山靴で進むのは危険だ。 |
||
キュウハ沢の反対岸、左側から支流が入ってくるのが見える。 友人の探検家、shiro氏が教えてくれた情報によれば、 この支流の沢沿いに登っていくと、踏み跡があるという。 今日は、このルートを探して竜ヶ馬場尾根に向かう。 |
||
岩に挟まれて流れが細くなっているところがある。 ここから、キュウハ沢をわたろう。しかし、 沢の水流近くにある岩の上が凍っていることに気がつく。 こうして、意外に苦労して沢をわたる。 |
||
キュウハ沢を無事にわたって、支流を近くで見ると、 ところどころ凍っている。 |
||
こんなところは、とても登る気になれないなぁ。 しかたがない。別なところから登るルートを探そう。 |
||
今回のルートに選んだのは、支流の沢より少し上流の 斜面を登るルート。ここなら無理なく登れそうだ。 わたしが先行で、ルートを確認しながら進むことにする。 |
||
写真では分かりづらいが、ここはとても急な斜面だ。 斜面をトラバースして折り返しながら、少しずつ登っていく。
しかし、すぐにホールドにする立ち木や岩がなくなり、 登攀ルートが見つけられなくなる。 後ろから来るアンヌ隊員の立っている位置から 反対方向にトラバースすれば、登れるだろう。
|
||
ここでアンヌ隊員が先行になってしまった。 ロープを持っているわたしが、先行して登るつもりでいたが、 そんなに難しい斜面ではない。いつものように、ドライバーを使って 登れば大丈夫だ。このときはそう思った。
アンヌ隊員先行で登る。すると、ホールドが乏しく、すぐにつまってしまう。 斜面にドライバーを突き刺そうとする。しかし、土が凍っている。 歯が立たないとは、このことだ。しまった。今さら下ることができない。
|
||
アイスピックよろしく、ガシガシやる。 埋まっている木の根を掘り出して、ホールドにする。 そう、まさしくこんなとき、わたしが先行していたら ロープを出して下ることができたはずだ。 アンヌ隊員には、なんとかしてこのまま登ってもらうしかない。
|
||
ようやく安全なところまで登ってきた。 ああ、よかった。思わずヘタレ込む。 なにも、こんなに危険なルートでなくても、 もっと簡単に登れるルートがあったかもしれないなぁ。 判断ミスが悔やまれるところだ。 |
||
踏み跡が尾根に向かっている。 これが教えてもらった踏み跡だろう。 |
||
尾根に向かって植林地帯を登っていく。 ともすれば見失いそうな踏み跡だ。 |
||
こうして、尾根に到着。 この尾根は日高山へ向かっている尾根だ。 |
||
尾根の反対側、キュウハ沢の支流、四町四反沢 に向かって下っていく。 |
||
四町四反沢をわたり、 |
||
反対側の岸の斜面を登っていく。 この斜面を登ったところが、竜ヶ馬場尾根だ。 |
||
大きなモミの木がある。 このあたりから尾根まで簡単に登れそうだ。 |
||
丹沢には、ツガの木の巨木がたくさんある。 ツガの木の繊細な葉が、心を和ませてくれる。 |
次の探検、竜ヶ馬場尾根だ
|
尾根に上がると、風が強く寒い。
|
||
急坂の尾根をぐんぐん登っていく。 とくに危険なところはない。 |
||
常緑樹の緑が太陽に照らされて、輝いている。 真冬の緑が綺麗に見えるのは、 周囲が寒々としているからだろうか。 |
||
樹木の感じが、隣の尾根、天王寺尾根と似ている。 初夏、ここはきっと緑に囲まれた 気持ちのすくようなところだろう。
|
||
巨大な松ぼっくりが、たくさん落ちている。 こんなところに松があるのか。 ちょっと意外だ。 どんな松なのか、ぜひお会いしたい。 しかし、近くに松の木がない。 この松ぼっくりは、どなたのもの?? |
||
急坂を登り続けているので、暑くなって汗をかく。 しかし、尾根には風が吹きぬけ、 汗で濡れた身体から体温を奪っていく。 |
||
陽があたり、風が防げるところで、昼食と着替えをして さらに登っていく。 |
||
左側の崩壊地に到着。 風に砂埃が舞っている。 よほど乾燥しているのだろう。 |
||
尾根が広くなってくると、 |
||
やがて一面、ササ原になる。 ササ原にはとくに踏み跡はない。 |
||
ここまで、けっこうな急坂を登って来た。 もう2時過ぎだ。今日は、ちょっと行動が遅い。 急がないと、日があるうちに、下れなくなってしまう。 でも、はぁ、疲れた。 |
||
変わった形の木がある。さっそく記念撮影。 「疲れた〜」 「もう! しかっりしてよぉ」 |
||
「はい」 |
||
さらに進むと、シカ柵がたくさん設置されている。 |
||
シカ柵が設置されている、このあたりから ブナがたくさん生えているところになる。 |
||
おお、すごい。 これほど多くのブナがあるところを 久しく見ていない。 |
||
ブナと気持ちを同調させ、 ニッコリのアンヌ隊員。 |
||
振り返ると、大山方面がきれいだ。 |
||
シカ柵の合間をくぐって |
||
ついに登山道と合流。 竜ヶ馬場から少し丹沢山よりに出た。 |
||
よし、今日の探検は成功だ。(14:40) バンザイジャンプ。 |
||
ここからは、丹沢山に向かって、 一般の登山道を行く。 |
||
この登山道は、富士山と西丹沢を楽しみながら歩ける。
右には、立ち木。真ん中に雲。左に富士山。 写真の構図、基本の三角形。お手本のような写真だ。 |
||
この登山道にも、木道の設置されているところが増えた。 暖かい時期、ここはきっと 緑の上を歩く気持ちのいいところだろう。 |
||
こうして、丹沢山に到着。(15:00) (女性2人のパーティに撮影していただく。ありがとうございます) |
||
みやま山荘でお茶の休憩。 | ||
さぁ、下山は天王寺尾根だ。(15:25) |
||
三峰への分岐を天王寺尾根へ下る。 |
||
長い木道のあとは、 |
||
クサリ場を下る。 ああ、整備された登山道は、ありがたい。 |
||
天王寺尾根から堂平へ下る分岐に到着。(15:50) ここから堂平方面へ下る。 |
||
北側の斜面なので、登山道に雪が積もっている。 |
||
こうして、堂平に到着。(16:30) 塩水林道のショートカット登山道で どんどん下る。 |
||
もう一度、林道に出る。ここからまだしばらく林道歩きが続く。 しばらく歩いていると、土木関係の車両が後ろから来て、 乗せていただいた。ありがたい。とても助かる。 塩水橋まで送っていただく。 |
||
こうして、マイナー探検1号に到着。(17:10) すばらしい探検だった。 |
キュウハ沢のエンジンを探検するときは、 夏のほうがいい。沢の左岸(右側)にわたってしまえば、 堰堤のハシゴを利用して、難なくエンジンあるところまで行けるからだ。
キュウハ沢のエンジンについて、探検家の記録をWebで調べると、 エンジンのある堰堤が何番目の堰堤なのか、記録により差がある。 したがって、わたしの地図も間違っている可能性がある。 この地図を信じるかどうかは、皆さんの判断に任せ、しかし、 キリヤマが男前であることは信じて欲しい。 |