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深遠なる巨木の森。本間ノ頭、南東尾根を進め

塩水橋 〜 本間ノ頭、南東尾根 〜 円山木ノ頭、南東尾根 〜ワサビ沢出合 〜 塩水橋

2009年11月21日(土)、天気:晴れ

行動時間 7:40〜14:50( 7h 10min)

探検メンバー : キリヤマ隊長、アンヌ隊員

 

本間ノ頭から南東に伸びる尾根には、登山道がなく

探検家の間では、「なかなかシブい尾根」とてして定評がある。

行くぞ、マイナールート探検隊。

無名道をゆく

塩水橋付近に、マイナー探検1号を止める。(07:41)

この付近の駐車スペースはすでに満車だ。

まずは、ターゲット尾根の登り口まで進む。

塩水橋から沢沿いに坂を登っていく。

坂を登ったところに、

石碑と水道施設がある。

この石碑は、何かの記念ではなく、

記録らしい。

慎重に尾根の入り口と方向を見極める。

うん、石碑の裏手から登るようだ。

道もしっかりついている。

よし、今日も勇気をもって進むぞ。(07:48)

登り始めるとすぐに、

「塩水山神」と彫られた石碑と鳥居がある。

次に、シカ柵を越える丸太がある。

ゆっくりそーっと越える。

道が明瞭についている。

植林の管理道と思われる。

尾根沿いにシカ柵が続いており、

柵に沿うように道が進んでいる。

分岐がある。

左を調査すると、行き止まりだった。

右に進む。

次の分岐、まっすぐと左折だ。

まっすぐ進むと、シカ柵に突き当たって、これまた行き止まり。

分岐を左方向に行く。

明確な尾根を進んでいくと、

尾根を横切るシカ柵に出合う。

ここで管理道が終わっている。

すぐ右にシカ柵が倒れて越えられるところがある。

その先には、わずかに踏み跡がある。

よし、ここからは管理道ではない。

行くぞ。(08:11)

うーん、いい感じだ。

すぐに小さなピークに進む。

ポール「水源の森林」が立っている。

小さなピークを下り、

すぐにまた登り始める。

尾根を忠実に登っていく。

すると、尾根をしっかりとした道が

横切っている。管理道らしい。

右には明瞭な管理道がある。左は途中で途切れている。

右に進んでみたいが、がまん、がまん。

急な坂をドンドン登っていく。

植林地帯あり、原生林あり、適度なこう配のある登りだ。

少し冷たい風が、心地いい。

またしても管理道が横切っている。マイナールートだ。

この先は、どうなっているのだろうか。

うーん、そそられる。探検魂の血が騒ぐ。

ピークその2に立つと、

今日の下り道、円山木ノ頭、南東尾根が

とても美しい。

このあたりから植林地帯が終わり、

原生林がメインの尾根になる。

ピークその3に到着。

そして、ピーク3を下ると、広いところに出る。

さぁ、ここからは、いよいよ急坂になる。

尾根沿いに、なんとなく道があるような感じだ。

踏み跡が付いているのかもしれない。

明確な管理道がある。

ついに誘惑に負けて、管理道を進んでみる。

やがて道は斜面の下の方に向かって

ジグザグ道になっている。

どうやら沢に向かっているようだ。

ピークその4を過ぎて、

シカ柵沿いに下っていく。

ミニミニ峠の後、さらにまた登り始める。

巨木の原生林をゆく

このあたりから、原生林のなかに巨木が多くなってくる。

この木は神社の境内にありそうな樹形だ。

さらに先には、杉の巨木だ。

この木は尾根から外れて、斜面の下の方にある。

根元まで行くのが大変だった。

かなりの急坂だが、巨木を眺めながらの

登りは、心が休まる。

日々、仕事の疲労でかたまった体が、

少しずつほぐれていくようだ。

モミの巨木もたくさんある。

下から見上げると樹形が美しい。

 

こんなに小さな木の実から

あんなに立派な木が育つなんて、

生命の営みという長い時間を感じる。

さらに急坂を登ると、

巨木パラダイスだ。たくさんある。

巨木に囲まれ、至福の時をすごす。

この木は、この尾根で一番、存在感がある。

すりすり、なぜなぜ。

巨木と対話をするキリヤマ。

巨木パラダイスを過ぎると、

広く平らなところに出る。(09:45)

シカ柵がある。

逆コースで下ってきたときに、

間違った方向に下りないように

注意したい場所だ。

とても明るいところだ。

気持ちが穏やかになる。

ここで補給をとるため休憩。

特別保護地区の看板がある。

どうしてこんなところに立てたのだろうか。

人が来ないところなのに…。

巨木の最期は、倒れて根だけが残る。

モン・サン・ミシェルだ。 →

尾根を中心に植林地帯と原生林が

はっきりと分かれている。これもまた面白い。

(振り返って撮影)

ブナの巨木だ。このあたりから、ブナがちらほら見える。

標高が低いところには、ブナは生息できないらしい。

どっしりとした存在感があるこの木は、丹沢のシンボルツリーだ。

 

ユーモラスな木がある。

笑っている顔みたいだ。

ようこそ、といっているような気がする。

さらに進むと、尾根が細くなってくる。

ピークその5の頂に手袋がある。

アンヌ隊員と同じ手袋だ。

ピークを下ると、

最後の急坂を登る。

木の根だらけの急坂だ。

上に向かって尾根を進んでいく。

わずかにある踏み跡。

人知れずひっそりとたたずむ道だ。

そして一般の登山道に出合う。(10:54)

よし、本間ノ頭、南東尾根、を制覇だ。

すごいぞ、マイナールート探検隊。

 

(塩水橋から約3時間)

(特別保護区の看板があるところに出る

振り返って、今来た道を撮影。

こんなところから尾根が続いているとは

とても思えないところだ。

丹沢三峰をゆく

登山道に出合ってから、10分ほど登ると

本間ノ頭、山頂に到着。

ここはいつきても風が強く吹いている。

寒いので、ここでの休憩はパス。

頂上から少し下ったところに

長いハシゴがある。

穏やかな道を進む。

ちょっとしたピークに到着。(11:20)

山と高原地図(昭文社)に、

無名ノ頭、と記載されているところだ。

(国土地理院の地図には、名前の記載がない)

道しるべには、油性ペンで

地図の記載と違う地名が書かれている。

周囲には空き缶がたくさん散らばっている。昭和の遺物だ。

深田久弥の昭和40年代に書かれた著作に、缶ゴミの話がある。

当時、どの山に行っても缶ゴミがたくさん落ちていたそうだ。

ゴミを持ち帰ることが常識となった今では、とても不思議だ。

ここにある缶ゴミは、その時代からあるゴミの残骸だろう。

しみじみ見ていると、なんだか懐かしくもあるが、

けっして良いものではない。

だが、この無名の頭には、すばらしいものがある。

それは、頂上から北に少し下ったところから見える景色だ。

まずは、丹沢主脈の稜線が目に飛び込んでくる。

 

ここから見える主脈はまさに天下一品。すばらしい。

息を呑んで見惚れていると、次に、

おお、蛭ヶ岳、と思わず叫んでしまう。

まったく、蛭ヶ岳ってやつは何度見ても

初めて見たときと同じ感動をもって、わたしの前に現れる。

 

深田久弥は、「山は最初に見えたときの驚きが大切である」

と言った。けだし名言だ。

至福の時をすごす。ふと気がつくと、とても寒い。

すっかり体が冷えてしまった。すこし急ぎ足で進む。

少し広い尾根を登り始める。

円山木の頭に向かう登りだ。

木道を建設するための資材が置いてある。

おそらくヘリコプターで搬入したのだろう。

円山木ノ頭に到着。(11:52)

ここから南東尾根を弁天杉まで向かう。

道しるべの後ろにその入口がある。

円山木の無名道をゆく

下り始めて、しばらくは急な坂道だ。

ところが、ここでアンヌ隊員、

電池切れ。

「お昼を食べないと動けないわ」

「もう少し先に行くと平らになるから、そこまで行こう」

「いやだ、我慢できない」

しかたがない。ここで食べよう。

 

急な斜面で昼食にすると、上から人が下ってくる。

「こんにちは」と挨拶したものの、なんだか恥ずかしい。

「なにもこんなところで食べなくてもいいのに…」

と思われただろうなぁ。

少し下ると、すぐになだらかなところに出る。

しばらくは、尾根がはっきり見えるが、

だんだん、尾根がはっきりしなくなって

広いところになってくる。

 

その美しさゆえ、探検家の間では有名なこの尾根は、

急いで下るより、ゆっくり登りに使いたい。

わずかに道がある。無名道だ。

しばらく広い尾根を下ると、

また尾根が狭まってくる。

しかし、尾根筋が2つに分かれるあたりから、

本線の尾根を見失いそうになる。

地図を見ながら、本線をたどっていく。

ううむ、尾根がわからない。これはおかしい。

目の前にあるのは、斜面。どう考えても間違っている。

このまま下ると、どこに行くのか。

げげ、ワサビ沢の源流に向かってしまう。

左方向に尾根が見える。

あっちが正解だ。

下ってきた斜面を登り返すが、

ついつい、斜面を横に進んでしまう。

沢登りで滝を巻くときに、斜面をトラバースすることが

よくあるが、これはちょっと危ない。

尾根に向かって登るようにアンヌ隊員に指示。

思ったより、下ってしまっていたようで

なかなか尾根に出られない。

ようやく尾根に出ると、

そこはサルノコシカケのある、老木のあるところだった。

探検家の間では、この尾根でコシカケに座るのが

流行っているらしい。

弁天杉と再会
モミの巨木ゲートをくぐり、

倒れたシカ柵を越える。(13:17)

シカ柵の先は、植林地帯だ。

シカ柵沿いに下ると、

やがて管理道に出合う。

ジグザグの管理道に沿って忠実に下っていくと、

分岐に出合う。

ここから弁天杉方向に進む。

弁天杉は、他の木に隠れているので、

近くまで行かないと見えない。

突然、目の前に出現する。

何度見てもドッキリする。

根元に立つと、

その存在感に気圧けおされる。

荘厳的な雰囲気が感じられる弁天杉。

わたしはこのような木を、他に知らない。

根元の方の皮がすこし、はがれてしまっている。

丹沢の巨木は、大きな台風に耐え切れず倒れることが

あるという。弁天杉は大丈夫だろうか。

弁天杉に別れを告げ、

元の管理道を林道に向けて進む。

シカ柵を越える。

ワサビ沢に出合い、

沢を越えて塩水林道に出る。(14:09)

さぁ、ここからは林道歩きだ。

弁天杉を見ながらノンビリ歩いていく。

つづら折りの林道を下り、

マイナー探検1号に到着。(14:50)

 

 

 

あとがき

・たいていの山は、下りより登りのほうが楽しい。下りはどうしても「消化」になってしまう。

 今日下山に使った円山木ノ頭の尾根も、登ったほうが楽しさ百倍だ。

 

・弁天杉は林道からのアプローチがいいので、弁天杉を見に行くだけでもちょっとした

 ハイキングになる。あの杉に近づいたときに感じる存在感は、写真では表せない。

 (弁天杉へのアプローチは→ No21:弁天杉で心を清めよ。

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