スズメバチはいるのか |
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1064m地点が見える。 |
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道はつづら折になったり、 小さな尾根を越えたりしながら、 進んでいる。 |
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この辺りは今朝、自然教室の掲示板で見た スズメバチのポイントだ。 少しでも羽音がしたら注意しなければならない。
ハチに襲われたら、あわてて動いてはいけないというが、 実際に襲われたら逃げ出してしまうだろう。 しかし、こんな山道では走ることができない。
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ハチはすごいスピードで追いかけてくると聞いたことがある。 だんだん怖くなってきた。
むむ、羽音がする。 わ!、スズメバチだ。 なんだ、ハエか。 |
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全身が耳になっているので、鳥の鳴き声や風の音といった わずかな音にも反応してしまう。とても怖いぞ。 |
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スズメバチの襲撃を恐れながら ゆっくり進んでいく。 |
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丸太がかけられているところをたくさん通過するが、 どれも年季の入った丸太なので、安心できない。 |
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丸太橋を巻く。どの橋も簡単に巻くことができる。 |
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ここまでは順調だったが、 谷を越えた先に道がなくなった。 |
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よく見ると、谷の向こう側の斜面に道が付いている。 |
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岩崎元郎氏の提唱する佐々木小次郎スタイルで ストックを背中にしまう。 |
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谷へゆっくり下りていく。 |
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谷底へ着いた。 どこから登り返そうか。 |
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少し下流から登る。 |
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崩れた斜面を登り、再び管理道を進む。 |
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しばらく、道なりに歩いていく。 |
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むむ、この橋は巻くことができない。 かなり痛んでいるが大丈夫かなぁ。 |
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薄氷を踏むように そぉっとわたる。 |
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前方には権現山が見える。 |
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この後、いくつも丸太橋を巻いて進む。 どれも強度が信頼できない橋だ。 |
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分岐に到着。
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おそらく畦ヶ丸へのルートだろう。 |
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ここから先は尾根道だ。 |
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「塩が足りない、熱中警報」(ポッカ)というスポーツ飲料を 試してみる。ちょっと酸っぱい。 これはいい。無理なく塩分が採れる。 (ポッカから宣伝料はもらってないが…) |
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夏の水分補給にぴったりだ。気に入った。 テレビCMを制作するなら、ぜひわたしを出演させてほしい。 |
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崩れているヤセ尾根を越え、 |
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さらに尾根道を進むと、 |
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権現山への分岐に到着する。 ここまでくればスズメバチ地帯を 越えただろう。ひと安心だ。 |
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矢印の方向、山頂へ向かっていく。 |
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分岐には、なぜかドカンがある。 |
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権現山へしばらく進むと、崩れた尾根を通り、 その先から少しきつい坂が始まる。 |
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人の声がするぞ |
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何か音がする。すわ、スズメバチか。またしても緊張する。 しばらくして、また音が聞こえる。ちがう、羽音ではない。 鳥の声か。ちがう、人の声だ。
ハイカーか。いや、今登っている権現山の入り口には、 立ち入り禁止の看板があるはずだ。ハイカーが登ってくるはずがない。 |
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もしかしたら、 管理道の関係者(しかも、こわい人)かもしれない。 まずい。ここは立ち入り禁止の登山道だ。 |
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見つかったら、 ひどく叱られるかもしれない。 |
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今のうちに、いいわけを考えておこう。 「道に迷いました。近くに交番はありませんか」 「え?、ここは富士山ではないのですか」 「お許しください。お金ならいくらでもあります(世の中には)」 「わたしは、キリヤマです」 |
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うーん、どれもいまいちだなぁ。 緊張しながら登ると、3人(女性2人、男性1人)のパーティが 座って談話をしている。ロープ、ハーネス、そしてカラビナ。沢屋だ。 よかった。こわい管理者ではなかった。 ホっとして女性に話しかける。
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「沢屋さんですか。こんな山で声がするので驚きました」 「沢屋だなんて、そんなぁ。初心者ですよ」 「いえいえ、装備を見るとかなりのベテランの沢屋さんですよね」 「そういうあなたも、ベテランの方ですか」 「いえいえ、ただのモノ好きです」 「・・・・」 |
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ここでいうモノ好きとは、かっこいい男という意味だ と説明するべきだったのかもしれない。
そして、さらに登り続ける。 |
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遠くから地鳴りがする。 ドーン、ドーン。 今日はいろいろな音が聞こえる日だ。 これは、富士山ろくの自衛隊演習の音。 初めて塔ノ岳に登ったときは、この音が雷の遠鳴りかと思った。
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ドーン、ドドーン。 今日は派手に鳴らしているなぁ。 と思ったら、急に音がしなくなった。 おや、どうしたのだろうか。 |
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アンヌ隊員が「もしかしたら…、今何時かしら」。 12時過ぎ。そうか。
今日は土曜日。まさに半ドンだ。 |
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こうして権現山の山頂に到着。 ベンチは崩壊している。 |
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山頂の道しるべも壊れている。 ここは放置されているのだろう。 |
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丹沢湖が、かすんで見える。 |
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昼食をとり、山頂を後にする。
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「ヤマケイ アルペンガイド5 丹沢」(山と渓谷社)によると、 権現山を立ち入り禁止にしたのは 2007年に事故が発生したのが理由らしい。 たしかに、山頂直下の急坂や崩れた尾根道は、 探検初心者の我々にとって、とても危険だ。 |
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先ほどのドカンの分岐を右折して、 |
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穏やかな登山道を下っていく。 |
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こんなに木々が美しい道なのに 通行できないなんてもったいない。 |
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山頂からおよそ40分ほどで下って |
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一般の登山道、東海自然歩道に 出合う。 |
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今来た道、権現山への入り口には、 探検家歓迎、と書かれた看板が立っている。 |
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本日の探検はここまで。 ルートファインディングを堪能できた。 |
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道しるべが新しい。このマークはなんだろうか。 (Webで調べると、東海自然歩道のロゴマークだとわかった) |
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山の教訓だ。 2008年7月に来たときには、この教訓はなかった。 教訓作家が次々に作品を作っているようだ。 |
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あとは東海自然歩道を通って、 |
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西丹沢自然教室のそばまで戻ってきた。 つり橋を越え、 |
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マイナー探検1号に到着。 |
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この後、大滝橋まで車で移動して、 自転車を回収した。 |
・探検を終え駐車場に戻ってくると、男性から声をかけられた。shiroさんという探検家だ。
そのときはshiroさんのことを存じ上げていなかったので、帰ってからさっそく彼のブログ
を読んでみた。これは素晴らしい。アンヌ隊員も大絶賛だ。
shiroさんは時間をかけて、ゆるやかに歩く。彼のブログを読むと、自然をとても愛する
探検家だとわかる。必ずしも山頂に立つことを目的にせず、ヒルに刺されると
「気持ちがなえてしまう」と正直に書く。そんな人間味あふれるshiroさんのブログはこちら。
・西丹沢自然教室が、リニュアルしている。展示室が新しくなった。
丹沢の自然を紹介している。 |
安全に登山するためのレクチャーがされている。 イラストがとてもいい。 |
登山の計画を立てている男性。 アゴに手を当てて、あぐらをかいている。 左上に向かっている視線が、 真剣に考えていることをうかがわせる。 |
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こちらは、ちょっと困っている。 いったい彼の身に何が起こったのか。 背景にある樹木は、彼の不安げな気持ちを表しているのか。 (楳図かずお氏の漫画にでてきそう…) |