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毛無山から富士を眺めよ(2)

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富士は見えるのか

霧が濃くなってくる。湿度が高くなってきているのか、

かなり蒸し暑い。

太陽が出ていると、長袖のほうが涼しいのだが、

今日は太陽も風もないので、半袖のほうが涼しいだろう。

そこで、半袖でに着替える。

足を止めると必ず補給をとる、アンヌ隊員。

 

アンヌ隊員はストックのキャップをなくしてしまった。

しばらく後を見渡したが、見当たらない。

どうやら、ずいぶん前に外れてしまったようだ。

しばらく進むと、アンヌ隊員は落ちているキャップを拾う。

「わぁ、こんなところでキャップを拾ったわ、ラッキー」

「へぇ、偶然だな」

あれ?、わたしのキャップもないぞ。

ということは、アンヌ隊員の拾った

キャップは…。

ストックのキャップはよく外れる。

メーカーは、外れにくいキャップを考えてほしいなぁ。

(スクリュータイプがいいな)

七合目を通過。

急な岩場を登っていく。

なんだか岩場の写真ばかり撮っている。

実際、岩場がとても多い道だ。

矢印がたくさんペイントされている。

周囲を見渡すと、その数6つ。

絶対に間違えるなよ、という気迫を感じさせる。

(ここで間違えて遭難した探検家がいるのかなぁ)

八合目を通過。

八合目、標高が1800mを越えたあたりから

キリヤマは苦しくなってくる。

空気が薄いのか、ちょっと急ぐと心拍数が上がる。

しかし、アンヌ隊員はへっちゃらだ。

(ピースせんでもええ)

なんと大きな岩だ。

これは岩というより、もはや壁だ。

富士山の展望台に到着。(11:47)

登山道から3時間15分だ。

先ほどの大岩の上が展望台になっている。

さぁ、富士山は見えるのか。

見えなぃ…

九合目を通過。

先ほど聞いたとおり、

九合目を過ぎると、道が平坦になる。

地蔵峠への分岐に到着。

ここにもマツダランプの看板がある。

付近には、道しるべが乱立する。

おお、これは山の教訓だ。

教訓はついに戦争反対にまで及んでいる。

教訓作家、まさに渾身こんしんの作品といえよう。

少し進むと、北アルプス展望台の看板がある。

大岩の上に登ると北アルプスが見えるらしい。

(もしかして南アルプスのことかなぁ…)

よし、ザックを置いてさっそく登ってみよう。

アルプスは見えるのか。

見えなぃ…

平坦な道を進むと、

こちらは山の教訓カエルバージョン。

よく見ると、丹沢にあるカエルバージョンと

違っている。一枚一枚丹精に手作りしている

ようだ。

(畦ケ丸避難所にある作品)

そして、山頂が見えてくる。

毛無山の山頂に到着。(12:17)

登山道入口から3時間45分。

ついに来たぞ。

富士山はやっぱり見えなぃ…

2年前、ここから2つ隣の竜ヶ岳に

登ったときはよく見えたのになぁ。

 

(2007年12月、竜ヶ岳山頂からの富士→)

富士山のビューポイントのところだけ木々が刈られているが

そのほかのところは、木々に隠れて展望はない。

おお、こんなところにもマイナールートがある。どんな道なのか。

しかし、ここまで歩いてきた道から想像すると

登山道以外の道はとても危険ではないのかなぁ。

丹沢と違って正規ルート以外を歩くなんてとても無理だ。

こんな看板を見るだけで怖くなってしまう。

見慣れないチョウチョウが、たくさん飛んでいる。

図鑑で調べると、アサギマダラというチョウらしい。

昼食を食べて、山頂を後にする。(13:00)
先ほどきた分岐を今度は地蔵峠に進む。
沢沿いのルートで下山だ
地蔵峠までは広い尾根道だ。

鳥の鳴き声、草木の香りが心を穏やかにしてくれる。

ようやく出てきた真夏の太陽に照らされ

周囲が輝いてくる。

大きなアップダウンもなく

整備された山道が続く。

キノコを発見。

Wikipedia情報によるとタマゴタケの老菌らしい。

おお、あれは富士山ではないか。

ようやく見えた。

(この直後に雲に隠れた)

まぁ、わずかでも見えたので

よしとしよう。

下部温泉への分岐に到着。

地蔵峠と書かれているが、どうも地図と一致しない。

道しるべをよくみると、矢印が加えてある。

どうやらこの先が地蔵峠らしい。

分岐からさらに下ると、

地蔵峠に到着。(14:02)

山頂から約1時間だ。

ここから金山沢に向かって降りていく。

地蔵峠の看板の下には、道祖神が祭られている。

ここはかつて金鉱山で働く人の道だったのかもしれない。

ロープの張られた崖を降りる。

ここは湿度が高く蒸している。

下っているのにとても暑い。

沢の上流なので、ゴーロ地帯だ。

アンヌ隊員に指示を出す。

「浮き石に足をとられないようにしろ」

(といっている、わたしが転んだ)

沢に出る直前に道がすっぱりと切れている。

ここは設置されているロープでクリアする。

ひどくガレている金山沢の上部に出る。

こんなところに登山道が本当にあるのだろうか。

地図には水のマークがあるので、

ここで、水を補給する。

さて、これからどうしたらいいのだろうか。

道しるべも矢印もない。

おお、少し下流、反対岸にロープがある。

どうやらここから登り返すらしい。

沢の崖道を進む。

とても道幅が狭く、ちょっと怖い。

ゴールドラッシュの遺物があるが、

窯は崩れていた。

沢を渡る。

ここは橋がなく、増水したら渡れないだろう。

沢に立つと、水と一緒に冷たい空気も流れてくる。

ここで、水浴び休憩。

(もちろん、アンヌ隊員はおにぎりタイム)

木のペイントを目印に下っていく。

空き缶をつるした目印もある。

この道は、こういった道しるべがなければ

とても迷いやすい道だろう。助かる。

もういちど沢を渡る。

緊張で少し疲れるが、清らかな滝が気持ちを

穏やかにしてくれる。

美しい滝をいくつも見ながら、

ゆっくり下っていく。

比丘尼びくにの滝に到着。

この道で唯一名前が付いている滝だ。

2段の大滝。

さすが、名前が付いているだけのことはあって立派な滝だ。

また、沢をわたる。

この登山道ではおなじみの

カサおばけ型の看板だ。

この後もういちど沢を渡ると、

今朝通過した分岐に着く。

そして、しばらく歩くと、

マイナー探検1号に到着。(16:26)

地蔵峠から約2時間30分だった。

富士山が見える日に、もう一度登ってみたい。

 

感想

・地蔵峠からの沢コースは、増水すると

 渡河できなくなることを知らせる看板が

 このルートには何回も登場する。

 大雨の後に救助される人が多いのだろうか。

・地元の人と挨拶を交わしたときに、地元の人は夏は登らないと聞いた。

 初夏5月か秋のほうが花がたくさん咲いていて楽しめるそうだ。

 逆に「この時期は何が咲いていましたか」と聞かれてしまった。

 そうか、秋にまた登ってみよう。

・毛無山という名前の山は、全国に20ほどある。富士山麓にも、もうひとつ毛無山がある。

 毛が無い山の由来について、いろいろ考えてしまう。

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