登り始めるとすぐに険しい坂道になる。 | |||
クサリが設置されているスリリングな場所を 難なくこなしていく。 | |||
クサリ場を通過すると、平らな場所と急な坂道を繰り返して 山道が続いている。 | |||
ゴーラ沢出合から10分ほどでベンチに到着する。気温は7度くらい。 急な坂道で体が温まった。衣服の調整で立ち止まると、 アンヌ隊員が、「おにぎり食べよう」。 おなかが減ったアンヌ隊員に付き合って、補給をとることにする。 | |||
近くにコンクリートの塊がある。 滑車が着いているところをみると、資材を運ぶケーブルカーの跡だろう。 いつ頃に設置されてものかは分からない。 | |||
さらに周辺を見渡すと、 顔の書いてある木を発見する。 なぜ顔なのかはともかく、なぜ卍があるだろう。 何を訴えたいのか。 | |||
登山道はこのあと、急な坂が続く。 今日のコースは山頂まで、標高差1050m、距離4.5kmだ。 わずかな距離の間に標高の高いところまで登るので、非常に急坂だ。 (ちなみに大倉から塔ノ岳山頂までは、標高差1062m、距離6km) | |||
モミの巨木のある峠に到着する。 このモミの木はとても美しい。 | |||
また会えてよかった。 再会を喜ぶキリヤマ。 | |||
ここから林道の方向に管理道がある。 我が隊は行ったことはないが、 山荘のボッカに使っていると思われる。 | |||
モミの巨木を後に、過酷な探検が続く。 厳しい坂をさらに登っていく。 | |||
ゴーラ沢出合からおよそ50分。 道しるべに展望地と書かれてある広場に到着する。 (09:53) | |||
ひと息入れるにはちょうどいい場所だ。 権現山と畦ヶ丸を見ながら、少し休憩をとる。 ここから富士山が見えるはずなのだが、今日は見えない。 | |||
さらにどんどん登っていくと、 | |||
熊笹が茂る尾根を進む。 周囲にはブナの原生林が広がっている。 | |||
奥野 幸道氏の著書「丹沢今昔―山と沢に魅せられて」(出版社:有隣堂) によると、昭和初期の檜洞丸には登山道はなく このようなブナの原生林におおわれていたらしい。 当時は中川温泉に一泊し、沢を上りつめて登頂する大変な道のり。 奥野氏は“まさにあこがれの山だった”と書いている。 | |||
このあとも険しい登りが続き、クサリ場も越えていく。 | |||
両手を使って越えるクサリ場は、 ストックをザックと背中の間に入れる。 岩崎元郎氏の提唱する「佐々木小次郎」スタイルだ。 | |||
ゴーラ沢出合から1時間と少しで 枯れたブナの大木の元にあるベンチに到着。(10:41) 気温は2度くらいだ。高度が上がるにつれ、どんどん気温が下がってくる。 冬期登山では寒さで体力が奪われていく。 | |||
ここから先は木の階段や木道がたくさんあり 整えられた登山道になる。 | |||
少し登ると、おお、美しい。 樹氷している。
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あたり一面、真っ白だ。 | |||
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樹氷は枝についた水滴が氷結して 白く見えるのだ。 | ||
石棚山稜からの登山道と合流する地点を越えると、 | |||
木道のある平らなところを通過する。 ここも樹氷が美しい。 | |||
風が少し吹いているので、体感温度がかなり低く感じられる。 厳しい登りが終わり、体が落ち着いてくると寒くなってきた。 天気は曇り、やがて雪が降ってくる。 | |||
アンヌ隊員は、「雪ではなく樹氷が細かくなって落ちてきているのではないか」 という。まさか、風に吹かれて氷が落ちてくるわけがない、 とキリヤマが反論する矢先に、まるで雨のように勢いよく氷が降ってくる。 明らかに、樹氷が落ちてきている。アンヌ隊員の大正解! | |||
夏にはバイケイ草が生い茂る木道だ。 今日は樹氷が美しい。
2008年6月のこの場所→ | |||
わずかだが、青空が見えてきた。 太陽の光で照らされると、樹氷がきらきら細かく光る。 天国にいるようだ。 | |||
アンヌ隊員もにっこり。 いい日に来てよかった。 | |||
まさに青空と樹氷のハーモニー。 でも太陽が出ると、気温が上がって樹氷が解けてしまう。 ああ、もったいない。 | |||
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美しい樹氷の中を通り、最後に登ると、 | ||
山頂に到着(11:14)。 ゴーラ沢出合から2時間と少しかかった。 初夏にはたくさんの探検家でにぎわうこの山頂も 今日は我々のほかに2人だけ。 | |||
安全祈願の塔が新しく建っている。 | |||
祠はいつもの通り。 | |||
そして、お決まりの記念撮影。 | |||
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山頂から蛭ヶ岳方面に少し下ったところに青ヶ岳山荘がある。 “青ヶ岳”は檜洞丸の昔の名前だ。 中に入ると、誰もいない。山荘の人がいないときは休憩に使ってもよい、 ということが書いてあるのでここで昼食をとる。 (余談だが、ここでは携帯電話が通じた) | ||
山頂に戻ってくると、誰もいない。(11:56) やはり、この時期に登る探検家は少ないのだろう。 | |||
気温は1度くらい。 寒いので下山は少し急ぎ足で行くことにする。 | |||
しかし、岩場、クサリ場の多いこの下りは、 急ぎ足で下るのが難しい。なかなかテクニカルな登山道を下っていく。
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平らなところでは少しスピードアップできるが、 キリヤマは地中に隠れた氷に気がつかず、転倒した。 幸い怪我はなかったが、岩場や切り立った稜線で転倒したら 大変なことになる。やはり、慎重に下ることにする。 | |||
山頂から1時間5分、展望地まで下山してきた。(13:01) 気温は8度くらいだ。 高度が下がったので気温も上がってきた。 これなら寒くない。 | |||
しばらく下ると、また顔の木だ。 今度は「注意しなよ」と警告もある。 いったい何に注意するのだろうか。 | |||
我が隊が今まで探検した登山道の中で、 このツツジ尾根がいちばんクサリ場が多い。 ツツジの咲く時期は、クサリ場で探検家が渋滞するのを何度か見た。 | |||
山頂から約2時間、ゴーラ沢出合を通過。(13:53) そして、おだやかな道を50分ほど下ると、 | |||
やがて、県道が見えてくる。 ここから駐車場まではすぐだ。 | |||
マイナー探検1号に到着。(14:51) |
・かつては秘境の地といわれていた檜洞丸。静かな登山道をゆっくり登る、心温まる探検だった。
いままで何度か樹氷を見たことはあるが、これほどたくさんの樹氷を見たのは初めてだ。
・沢に転落していた赤い自動車は、春先になると木々に隠れて見えないだろう。
そう考えると丹沢山塊には、木々に隠れて見えないものがまだまだ多くあるのだろう。
人骨もあるかもしれない(怖い!)