探検リストに戻る

ゴーラ沢出合にある未確認の物体を調査せよ(2)

 

前へ>  2 <次へ>

 

登り始めるとすぐに険しい坂道になる。

 

クサリが設置されているスリリングな場所を

難なくこなしていく。

 

クサリ場を通過すると、平らな場所と急な坂道を繰り返して

山道が続いている。

 

ゴーラ沢出合から10分ほどでベンチに到着する。気温は7度くらい。

急な坂道で体が温まった。衣服の調整で立ち止まると、

アンヌ隊員が、「おにぎり食べよう」。

おなかが減ったアンヌ隊員に付き合って、補給をとることにする。

 
 

近くにコンクリートの塊がある。

滑車が着いているところをみると、資材を運ぶケーブルカーの跡だろう。

いつ頃に設置されてものかは分からない。

 

さらに周辺を見渡すと、

顔の書いてある木を発見する。

なぜ顔なのかはともかく、なぜがあるだろう。

何を訴えたいのか。

 

登山道はこのあと、急な坂が続く。

今日のコースは山頂まで、標高差1050m、距離4.5kmだ。

わずかな距離の間に標高の高いところまで登るので、非常に急坂だ。

(ちなみに大倉から塔ノ岳山頂までは、標高差1062m、距離6km)

 

モミの巨木のある峠に到着する。

このモミの木はとても美しい。

 

また会えてよかった。

再会を喜ぶキリヤマ。

 

ここから林道の方向に管理道がある。

我が隊は行ったことはないが、

山荘のボッカに使っていると思われる。

 

モミの巨木を後に、過酷な探検が続く。

厳しい坂をさらに登っていく。

 

ゴーラ沢出合からおよそ50分。

道しるべに展望地と書かれてある広場に到着する。

(09:53)

 

ひと息入れるにはちょうどいい場所だ。

権現山と畦ヶ丸を見ながら、少し休憩をとる。

ここから富士山が見えるはずなのだが、今日は見えない。

 

さらにどんどん登っていくと、

 

熊笹が茂る尾根を進む。

周囲にはブナの原生林が広がっている。

 

奥野 幸道氏の著書「丹沢今昔―山と沢に魅せられて」(出版社:有隣堂)

によると、昭和初期の檜洞丸には登山道はなく

このようなブナの原生林におおわれていたらしい。

当時は中川温泉に一泊し、沢を上りつめて登頂する大変な道のり。

奥野氏は“まさにあこがれの山だった”と書いている。

 
 

このあとも険しい登りが続き、クサリ場も越えていく。

 

両手を使って越えるクサリ場は、

ストックをザックと背中の間に入れる。

岩崎元郎氏の提唱する「佐々木小次郎」スタイルだ。

 

ゴーラ沢出合から1時間と少しで

枯れたブナの大木の元にあるベンチに到着。(10:41)

気温は2度くらいだ。高度が上がるにつれ、どんどん気温が下がってくる。

冬期登山では寒さで体力が奪われていく。

 

ここから先は木の階段や木道がたくさんあり

整えられた登山道になる。

 

少し登ると、おお、美しい。

樹氷している。

 

 

あたり一面、真っ白だ。

 

 

樹氷は枝についた水滴が氷結して

白く見えるのだ。

 

石棚山稜からの登山道と合流する地点を越えると、

 

木道のある平らなところを通過する。

ここも樹氷が美しい。

 

風が少し吹いているので、体感温度がかなり低く感じられる。

厳しい登りが終わり、体が落ち着いてくると寒くなってきた。

天気は曇り、やがて雪が降ってくる。

 

アンヌ隊員は、「雪ではなく樹氷が細かくなって落ちてきているのではないか」

という。まさか、風に吹かれて氷が落ちてくるわけがない、

とキリヤマが反論する矢先に、まるで雨のように勢いよく氷が降ってくる。

明らかに、樹氷が落ちてきている。アンヌ隊員の大正解!

 

夏にはバイケイ草が生い茂る木道だ。

今日は樹氷が美しい。

 

2008年6月のこの場所→

 

わずかだが、青空が見えてきた。

太陽の光で照らされると、樹氷がきらきら細かく光る。

天国にいるようだ。

 

アンヌ隊員もにっこり。

いい日に来てよかった。

 

まさに青空と樹氷のハーモニー。

でも太陽が出ると、気温が上がって樹氷が解けてしまう。

ああ、もったいない。

 

 

美しい樹氷の中を通り、最後に登ると、

 

山頂に到着(11:14)。

ゴーラ沢出合から2時間と少しかかった。

初夏にはたくさんの探検家でにぎわうこの山頂も

今日は我々のほかに2人だけ。

 

安全祈願の塔が新しく建っている。

 

祠はいつもの通り。

 

そして、お決まりの記念撮影。

 

 

山頂から蛭ヶ岳方面に少し下ったところに青ヶ岳山荘がある。

“青ヶ岳”は檜洞丸の昔の名前だ。

中に入ると、誰もいない。山荘の人がいないときは休憩に使ってもよい、

ということが書いてあるのでここで昼食をとる。

(余談だが、ここでは携帯電話が通じた)

 

山頂に戻ってくると、誰もいない。(11:56)

やはり、この時期に登る探検家は少ないのだろう。

 

気温は1度くらい。

寒いので下山は少し急ぎ足で行くことにする。

 

しかし、岩場、クサリ場の多いこの下りは、

急ぎ足で下るのが難しい。なかなかテクニカルな登山道を下っていく。

 

 

平らなところでは少しスピードアップできるが、

キリヤマは地中に隠れたに気がつかず、転倒した。

幸い怪我はなかったが、岩場や切り立った稜線で転倒したら

大変なことになる。やはり、慎重に下ることにする。

 

山頂から1時間5分、展望地まで下山してきた。(13:01)

気温は8度くらいだ。

高度が下がったので気温も上がってきた。

これなら寒くない。

 

しばらく下ると、また顔の木だ。

今度は「注意しなよ」と警告もある。

いったい何に注意するのだろうか。

 

我が隊が今まで探検した登山道の中で、

このツツジ尾根がいちばんクサリ場が多い。

ツツジの咲く時期は、クサリ場で探検家が渋滞するのを何度か見た。

 
 

山頂から約2時間、ゴーラ沢出合を通過。(13:53)

そして、おだやかな道を50分ほど下ると、

 
 

やがて、県道が見えてくる。

ここから駐車場まではすぐだ。

 

マイナー探検1号に到着。(14:51)

 

感想:

・かつては秘境の地といわれていた檜洞丸。静かな登山道をゆっくり登る、心温まる探検だった。

 いままで何度か樹氷を見たことはあるが、これほどたくさんの樹氷を見たのは初めてだ。

 

 

・沢に転落していた赤い自動車は、春先になると木々に隠れて見えないだろう。

 そう考えると丹沢山塊には、木々に隠れて見えないものがまだまだ多くあるのだろう。

 人骨もあるかもしれない(怖い!)

前へ>  2 <次へ>

このページのTOPへ

探検リストに戻る

ホームに戻る