つまらない探検はないってホント? 石棚山北西尾根、穴ノ平沢ノ頭北西尾根

2015年12月5日(土)

西丹沢自然教室 〜 石棚山北西尾根 〜 石棚山 〜 ヤブ沢ノ頭 〜 

穴ノ平沢ノ頭北西尾根 〜 箒沢公園橋

 

かつて道があったわけではない、

大木があるわけでもない。

石棚山北西尾根は、なんの変哲もない

という言葉が合いそうな尾根だ。

だが、我が隊の探検には

「つまらない」はない!

何もなければ見つければいい!

必ずそこには何かある。

 

よし、行くぞマイナールート探検隊!

ヤマレコに、GPS軌跡をアップしました

 

西丹沢自然教室の駐車場に

マイナー探検1号を駐車。

いつものように、登山届を提出する。

 

ツツジ新道の入り口に向かって

県道を進む。

すぐにキャンプ場がある。

ここからキャンプ場内の道を通って

東沢沿いに進む。

 

キャンプ場の入り口には「初心者コース」

と書かれた看板が設置されている。

なぜ、看板を設置したのか、そしてなぜ

「初心者コース」なのか。

キャンプ場の意図は分からない。

 

きっと初心者でも楽しめる

マイナールートだからだろう。

(違うと思うが、ここではこれで行く)

 

このルートは崩壊が激しい。

キャンプ場から東沢沿いに

歩くと、すぐに最初の崩壊地がある。

これぞ、マイナールートの楽しみ。

そして、その先も崩壊している。

丹沢では沢沿いの道は、このように

崩れてしまうことが多い。

崩れそうな斜面を、そおっと下って

河原に下りる。なかなかいい感じだ。

次は、渡河だ。(以前はここに丸太橋があった)

この先で沢の左側(右岸)は

通れなくなってしまうので、

ここから飛び石で渡河する。

これもマイナールートの楽しみ。

沢の右側(左岸)を少し進むと

再び道が現れ、堰堤を越える。

堰堤の上に到着する。

以前はここに丸太橋があった。

道しるべもあった。そしてなくなった。

初めてこのルートを歩く人は、ここで

分からなくなるだろう。

こつ然となくなるルート、

まさに、マイナールートだ。

 

そして我が隊は、ここからが探検。

渡河せずにターゲット尾根に向かう。

 

ここが、石棚山北西尾根だ。

行くぞマイナールート探検隊!

尾根の取りつきに、とくに目印はない。

踏み跡もないので、適当に斜面を登る。

かなり急な斜面だが、

ロープを出すほどではない。

斜面から尾根に乗ると

しばらくは、植林地帯の尾根が続く。

やがて、右が植林地帯、左が原生林の

尾根になる。ここにも踏み跡はない。

(おにぎりタイム)

さらに登っていくと、

岩がごつごつした尾根になる。

尾根をふさぐように飛び出した

大岩を越える。

 

落石の恐れがあるので、慎重に登る。

ヘルメットを持ってきて正解だった。

やがて尾根がなだらかになってくる。

ゴーラ沢からの尾根と合流するポイントだ。

この尾根は、探検済。

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ゴーラ沢からの尾根探検はこれだ!

No76:恥かしくても我慢だ。石棚山の北西尾根を登れ

くねっと曲がったこの木。

おぉ、派手に曲がっておるのぉ。

朽ち果てた倒木がある。

触れると、ぼろぼろと崩れる。

 

倒木は、長い時間をかけて、

ゆっくりと土になっていく。

人間の生活は、いつでもスピードが

重要視される。

 

しかし、自然の中に入ると、

ゆったりした時間の流れを感じて

しみじみする。

私達も生活にもっと余裕をもって

いいかもしれない。

 

そうだ、もっとゆっくりしよう。

スピーディなのは、トイレに

駆け込むときだけでいい。

そして、どんどん登っていく。

標高が上がってくると、

ブナの木がちらほら見え始める。

振り向けば、樹木の合間から

西丹沢の山々が見える。

 

大室山、加入道山、畦ヶ丸。

青空を背景に、とても美しい。

そして、はるか遠くには、

南アルプスの姿が。

雪がかぶって、真っ白だ。

目の前に石棚山が見えてくると、

こんもりとしたピークがある。

穏やかな感じがして、心休まるところだ。

風もなく、太陽の光がとても暖かい。

ここでゆっくりと昼食をとる。

 

そして、富士山。

両翼を伸ばした、美しい姿だ。

そういえば、前回来たときも、

ここで休憩した。

いつ来ても、いいところだ。

少し先に、崩壊地がある。

これは、ちょっと危ない。

崩壊地の淵を歩いて、

もし足元が崩れたら、

数十メートルほど滑落するだろう。

さて、このまま尾根を進むと

石棚山の山頂付近に到着するのだが、

今日は登らずにトラバースして

ショートカットする。

トラバースした先には

石棚山の登山道があるはずなのだが、

ここでちょっと問題が。

トラバースする先の尾根には、

シカ柵が設置されている。

今年の新作らしく、

越えられるところがないタイプだ。

シカ柵沿いにしばらく登り、

切れ目を探す。

せっかくきれいなところなのに

シカ柵で風景が分断されてしまっている。

 

自然を守るためのシカ柵なのだから

仕方ないことなのだが、探検家にとっては

とても残念なことだ。

こうして、登山道に合流。

登りの探検はここまで。

ここからは、登山道を下る。

石棚山の登山道は、とてもきれいだ。

尾根が広くて、樹木が豊か。

そして、下草もたくさん生えているから

草木に囲まれている感じがする。

私のお気に入りの一本。

また会えてとても嬉しい。

青空に向かって真っすぐ伸びている姿は

とても凛々しい。

 

そして、石棚山稜の名物カツラの木。

こちらも素晴らしい姿だ。

 

登山道の周辺にも新しい柵が

たくさん設置されている。

設置されてる看板には、

「保全・再生対策」と書かれている。

 

シカ柵に阻まれて、木々の近くに

寄ることができず、離れた場所から

眺めるだけ。さみしいなぁ。

さて、下りの探検に向かう。

登山道をどんどん、下っていく。

ヤブ沢の頭を越えて、1210ピーク付近に

穴ノ平沢ノ頭への尾根がある。

 

ここには登山道から迷い込まないように

ロープが設置されている。

ここが今日の下りターゲット尾根だ。

行くぞマイナールート探検隊!

下り始めてしばらくは、

広い尾根が続く。

 

しっかり見定めて下らないと、

間違った尾根を下ってしまう。

地図とコンパスで方向をしっかりと定め、

ターゲット尾根を探す。

 

穴ノ平沢ノ頭の尾根に乗るまでは

コンパスから目が離せない。

やがて、尾根が狭くなってくる。

急な斜面を岩につかまりながら

下るようなところもある。

またまた、ヘルメットの出番だ。

無事に危険なところを通過。

ここからは、尾根がはっきりしている。

コンパスに頼らなくても大丈夫だろう。

しばらく、やせ尾根が続く。

分かりやすくて助かるが、

樹木が多く、展望はない。

ミニ・キレットもある。

思ったより、危険なところが多い。

キレットから少し登ったところが、

穴ノ平沢ノ頭だ。

(振り返って撮影)

 

穴ノ平沢ノ頭のピークには何もなく、

そのままスルー。

そして少し広いところに出る。

ここは、弥七沢ノ頭、大杉山への分岐、

926ピークだ。

 

今日はこの分岐を右(北西)に下る。

これが、穴ノ平沢ノ頭の北西尾根だ。

下り始めてしばらくは、

急な坂が続く。

 

樹木につかまりながら

下っていく感じだ。

両側がすっぱり切れているところも

たくさんあり、油断できない。

標高700mくらいまで下ってきても

まだ危険なところが続く。

 

クマよけ歌を歌いながら

どんどん下っていくと、

アンヌ隊員が遅れ始める。

いかん、いかん。

あまり早く下ると、また怒られる。

 

アンヌ隊員は、スピーディに下ることが

できないので、注意しないといけない。

彼女の表情が険しくなる前に、

いったん休憩だ。

もちろん、おにぎりを食べよう。

私と彼女の歩幅は、1.5倍ほどの差がある。

私がゆっくり歩かないと、

彼女は駆け足になってしまう。

(しかし、なぜか登りはアンヌの方が早い)

やがて植林地帯に突入して、

登山道と合流。

 

よし、今日の探検は大成功だ。

すごいぞ、マイナールート探検隊!

あとは、西丹沢自然教室まで

県道を進む。

 

今日も楽しい探検だった。

感謝!

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