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恥かしくても我慢だ。石棚山の北西尾根を登れ

西丹沢自然教室 〜 ゴーラ沢出合 〜 石棚山 〜 檜洞丸 〜 犬越路 〜 用木沢出合い 〜 西丹沢自然教室

2010年11月6日(土)、天気:曇り、晴れ

行動時間 8:40〜16:50( 8 h 10 min )

探検メンバー : キリヤマ隊長、アンヌ隊員

 

この日我が隊は、ツツジ新道のゴーラ沢出合いより、

石棚山の北西尾根を登った。

初めてここにくる人は、ツツジ新道と間違えてこの尾根を

進んでしまうらしい。いったい、この尾根の先はどんなところだろうか。

そこで我が隊はこの尾根を探検することにした。

行くぞ、マイナールート探検隊。

初心者コースでゴーラ沢出合いに行くぞ

いつものように、マイナー探検1号を、

西丹沢自然教室の駐車場に止める。(8:40)

名犬ボビーが、近寄ってきた。よしよし、かわいいぞ。

だが、食べ物を何もあげないでいると、

さっさと行ってしまった。(つれないなぁ)

バスが到着すると、西丹沢自然教室は、登山届を出す人で大賑わいだ。

職員のKさんが気さくに話しかけてくれた。

この人は、とても親切な方だ。これから向かう尾根の話をしたら、

注意事項を教えてくれた。

西丹沢自然教室からすぐにキャンプ場の中を進んでいく。

いつもなら、ツツジ新道でゴーラ沢出合いまで進むのだが、

今日はキャンプ場内を通る、初心者コースと書かれたルートで、

ゴーラ沢出合いに向かうことにする。

この道を通るのは、初めてだ。

行くぞ、マイナールート探検隊。

今日は、新しいキメポーズだ。

それ、ジャンプ!

(08:50)

キャンプ場内を通過して、東沢沿いに進んでいく。

道は自動車が通れるほど広い。

 

しばらく進むと、いったん沢から離れて、

つづら折りの山道になる。

山の中腹を進んでいくと、また河原に降りる。

ここで沢を渡る。 木道の橋がかかっている。

沢の右側(左岸)を進むと、

(国土地理院地図に加筆、以下同じ)

 

やがて大きな堰堤を右側から越える。

堰堤の先には分岐があり、ここを左に進んで沢を渡る。

この道には、看板が2か所あるので、

迷うことはない。

沢には、また木道がかかっている。

沢を渡ると、山の中に道が進んでいく。

この先で分岐を左に進む。

道がツツジ新道に向かっていく。

階段もあり、なかなかしっかりした道だ。

こうして、ツツジ新道に合流。

ここで、喜びのジャンプ。

ここまで来ると、ゴーラ沢出合まではすぐだ。

ゴーラ沢出合に到着。(09:40)

先行のパーティが沢を渡っている。

ここは、橋がないので飛び石で渡る。

紅葉のシーズンということもあり、

多くの人がここ、ゴーラ沢出合にいる。

ここから石棚山、北西尾根を目指す。

 

 

ここにいる人は皆、ツツジ新道に向かっていく。

しかし、我が隊は、違う尾根を登る。

これから向かう尾根は、難ルートだ。

よし、行くぞ!! と意気込んでいたら、

 

「ねぇ、少し待ちましょうよ」

「え?なんで?」

「道を間違えているみたいで、恥ずかしいわ」

「かまわないよ、誰も気にとめないよ」

「お節介の人が、違ってますよ、とか言ってくるかもしれないでしょ」

「いいじゃないか、ここでいいんですって言えば」

「そう言われるだけも、面倒でしょ」

「かまわん、さぁ行こう」

「もぅ、隊長は大胆すぎる」

「いや、そんなに大胆ではないけど…」

「絶対おかしいわ」

「おかしい?かなぁ…」

「ヘンよ」

「いや、そんなにヘンとは…」

まさか、こんなことで人格まで疑われるとは思わなかった。

しかたがない、人が少なくなるまでしばらく待つことにしよう。

 

意外にいいところだ、北西尾根

しばらくすると、大所帯のパーティはツツジ新道に行ってしまった。

残るは、数名のパーティだけだ。出発するなら、今がチャンスだ。

よし。行くぞマイナールート探検隊(またジャンプ)

尾根に出るまでは、

けっこうな急斜面を登る。

周囲を見渡しても、どこも簡単には登れそうにはない。

木や岩につかまりながら登っていくと、

おお、右の方に逃れると、少し上りやすいぞ。

あそこから行こう。

ロープを出して難所をクリアーする。

こうして、尾根に乗ることができた。

急な斜面だったが、尾根に乗ってしまえば

もう大丈夫だ。

この尾根は、はっきりしている尾根だ。

しかし、踏み跡のない、人の痕跡を感じさせない尾根だ。

明るく、広いところに出た。

ここが地図にある、1065 m 地点だろう。

晩秋のこの時期は、空気は乾き、気温も低い。

ここまで登ってきて汗をかいた。

じっとしていると、ひんやりしてくる感じが心地いい。

今年の夏がとても暑かっただけに、

この爽快感を体が待っていたような気がする。

 

1065 m 地点を過ぎると、右側に植林が見えてくる。

いったん平坦になった尾根は、

先に進むとまた急な坂になる。

一歩踏み出すごとに、地面に意識を集中する。

自分の足の下に、山がある。

山の上を今、自分が歩いている。

登山だから当たり前のこと。そう思うかもしれない。

しかし、自分の体重を山に乗せていると実感する、そのとき、

足元から山がもっている力強さを感じることができる。

もちろん、これが駅の階段だったら、こんな感覚はない。

街中の階段は、自分の力で登る。誰の助けもない。

しかし、山を登るということは、山の力に助けられて登っている。

そうでなければ、こんな急坂をずっと登り続けることはできないだろう。

この日は、そのことを強く感じた。

崩壊地がある。

かなりスパッと切れている。

こわごわと、覗き込むと…。

わー!!、眼がくらむ。

(イメージ)

落ちたら谷底までノンストップで落ちていくようなところだ。

(写真では分からないのが残念)

崩壊地の先の方に、大室山が堂々としているのが見える。

石棚山の山頂に近づいてくると、

樹木の感じが変わり、景色が一変する。

アンヌ隊員が、おなかが減ったというので、

周囲の木々を楽しみながら、昼食にする。

登山道のある石棚山稜線まで、

なだらかなところを歩く。

踏み跡は、まったくない。

少し曲がっている2本の大木がある。

何の木なのか、分からないが、

やわらかい樹形が、周囲の風景と調和している。

とても心が安らぐ大木だ。

こういった木々に出合えると、

探検を職業(趣味)にしてよかったと

心から思う。

こうして登山道に合流。

よし、今日の探検は成功だ。

またしてもジャンプ。

(ひそやかな流行になること間違いなし)

 

 

石棚山稜にある、ベンチ付近の登山道に出た。

秋の静けさの中、のんびり下山

ここからは、一般の登山道を進む。

しばらく進み、男性とすれ違う。すると、

「探検隊の方ですか」と尋ねられた。

「おお、よくわかりましたね」

最近、探検中に声をかけられることが増えた。

とても嬉しい。これを読んでいる皆さんも、

もし探検中にキリヤマに会ったら

ベッカムと間違えないでほしい

テシロノ頭を過ぎて、ユーシン方面の分岐にある

ベンチ付近を通過する。

しばらく進むと、左方向に

西丹沢の山々を一望できるポイントがある。

ここから見える大室山、畦ヶ丸はすばらしい。

 

ツツジ新道と出合い、

木道を進んでいく。

こうして、檜洞丸の山頂に到着。

大ジャンプで記念撮影だ。

下山は、犬越路に向かうルートだ。

熊笹の峰付近を通過する。

その名の通り、笹の原が続く道が続く。

この道は、大室山に向かって進んでいく。

途中、何度も立ち止まって大室山に見ほれてしまう。

大笄にあるクサリ場その1を下る。

行者ヶ岳、茅ノ木沢頭、そしてここ大笄のクサリ場は、

丹沢三大クサリ場といわれている(わたしから)。

 

続いて、大笄にあるクサリ場その2。

たとえクサリにつかまっていても、

足を滑らせれば、ヒザや腰を打ち付けてしまう。

アンヌ隊員に、ゆっくり下るように指示をする。

そして、いったん上り返して、

さらに、3つ目のクサリ場だ。

以前、雨の日にここを下ったことがあるが、

そのときは、滑りそうでとても怖かった。

この稜線は、滑落事故が多いという。

切り立ったところも多く、滑落すると、

大きな事故になる。

大笄、小笄を越えて、

笹の茂みの中、最後の高みを越えると、

犬越路に到着する。(15:20)

 

次は、用木沢出合いまで下る。

最初は沢の上流部、ゴーロを下っていく。

犬越路からのこの道は、東海自然歩道なので、とても整備されている。

鉄橋その1を越えて、

大きなケヤキの脇を通り過ぎる。

続いて、用木沢、支流の沢を渡る。

 

鉄柵の歩道、用木沢を渡河する丸太橋。

 

 

そして、用木沢の名物倒木を眺めて、

左岸を進むと、

 

鉄橋を2つわたる。

 

そして、次は木道を2つ。

最後に、堰堤を越えるための大きな鉄橋をわたる。

東海自然歩道は、こういった大がかりな歩道がたくさんある。

まるで一般道にある歩道橋だ。

こうして、用木沢出合いに到着。(16:20)

最後のジャンプだ。

 

あとは林道を歩いて、

マイナー探検1号に到着。(16:50)

すばらしい探検に祝福を。

 

あとがき

 

西丹沢自然教室のKさんに、今日の探検を報告がてら、お話を伺った。

ここ自然教室は、西丹沢の最新情報を聞くことができる。

皆さんもぜひ、自然教室の方々より情報を得て、探検してほしい。

特にこのKさんは、とても親切に教えてくれる、明るい青年だ。

この日も、写真を頼むとこころよくポーズを決めてくれた。

彼は足をケガしており、右足を地面につけることができないらしい。

写真のポーズは彼いわく「一本足打法」。すばらしいネーミングだ。

 

西丹沢自然教室:http://www.kanagawa-park.or.jp/nishitanzawa/

 

もう一つ

 

いつもわたしはシングルストックを使っている。ストックを使うわけは、

身体が安定する、力が分散される、疲れにくい、などだ。

特にわたしが使うと、紳士に見えるということもあり、

高貴な探検家として、評価されている(わたしから)。

しかし、今回の探検では、ストックを忘れてしまった。

その結果、足の負担が増え、特に下山ではかなり疲れた。

翌日は、膝の上の筋肉が痛い。いつもならこんなことはない。

これは明らかに、ストックを使わなかったためだ。

(アンヌ隊員が悪意を持って、わたしが寝ている間に

ヘンな薬を飲ませたのかもしれない)

わたしにとって、シングルストックは足が2本増えたようなものだ。

(あと一本は、おまけ)

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