テンションあがりっぱなし。箱根屋沢だ

2015年6月7日(日)

大滝橋 〜 箱根屋沢

 

箱根屋沢は、沢登りとしては

マイナーな沢だ。距離は短いが

滝がたくさんあり、面白そうだ。

これは一度行ってみたい。よし。

行くぞ、マイナー探検隊!

 

ヤマレコに、GPS軌跡をアップしました

 

大滝橋の駐車スペースに

マイナー探検1号を駐車する。

県道を丹沢湖に向かって

箱根橋まで歩く。

ここから箱根屋沢に入る。

いくぞ、マイナールート探検隊!

沢に下りるとまずは、

ゴーロが広がっている。

続いて、最初の堰堤。

この堰堤の近くには

管理道の階段がある。

箱根屋沢の左岸を下ってきたときに

これは使えそうだ。

堰堤には、鉄パイプのハシゴがある。

二つ目の堰堤にも

ハシゴがある。

三つ目の堰堤は、ほとんど埋まっている。

古い流木が、重ねた月日を語っている。

この堰堤を越えるハシゴは、

ほとんど埋まっている。

堰堤のプレートには、昭和47年とある。

そして、ゴーロ歩きのあと

沢らしい流れになってくる。

F1に到着。登れるかな?

下のほうは簡単だけど

二段目が少し立っているな。

中間支点のハーケンはあるかな?

ここからでは、よく分からないな。

 

ロープを引いて途中まで

登ってみよう。

下の段は簡単なのよね。

ここで、右側にトラバース。

お!

左側にハーケンを発見した。

水流をまたいで、左側へ。

(このときはちょっと怖かった)

 

無事に登攀。

落ち口から少し上にある倒木を使って

支点を作る。ロープの準備ができたので

続いてアンヌ隊員が登攀。

よし、いい感じだ。

テンションあがってきた。

アルミハシゴの残骸だ。

どこから流れてきたのだろうか。

F2に到着。この滝は、

下の部分が堰堤になっている。

堰堤部分は、左側にあるトラロープを使って

難なく通過。

続いて上の滝。

左側にトラロープがあるので

使わせてもらう。

技術的には何のこともない壁。

 

ロープを出す必要もなさそうだ。

アンヌ隊員に先行してもらう。

 

しかし、登ってから上が

ザレ場のトラバースになる。

ここは、少しイヤラしい。

 

 

アンヌは、トラバースがとても苦手。アンヌがここで固まる。

 

しまった、私が先行するべきだったか。トラロープはアンヌが握ったままだ。

救出に向かうことができない。ここは、ひとりで何とかしてもらうしかない。

 

そして、ドライバーを使ってなんとかトラバース終了。

ようやくトラロープを手放すことができた。

 

トラロープの流れが変わってしまったのを直して、私が登攀開始。

そして、少し登ってからロープを引き付けた瞬間、

岩にかかっていたトラロープがスッポぬけて、一直線になった!!!

 

突然、伸びるロープ。

そっくり返るキリヤマ。

(死ぬかと思った)

 

幸い、足はしっかり岩に乗っていたので、

フォールしなくて済んだ。

こうして無事に登攀終了。

 

トラバースでビビった上に、

私のスッポ抜けを見て、

アンヌのハートが少し折れる。

(しかし、かまわず先に進む)

続いて、F3。

上部のトラバースするところが

少しイヤらしいが、残置ハーケンがある。

大丈夫だ。テンションまた上がる。

 

滝の上には、支点を作れるところがなく

ボディ・ビレイでアンヌを確保。

 

次に、F4。

残置ハーケンなし。

(見えないだけか?)

 

どういう順番で手足を動かすか、

シミュレーションする。

クライミング用語でいう

オブザベーションだ。

 

うーん、これはちょっと危ないな。

 

無理をせずに、巻くことにする。

巻道は、少し下って左側、右岸から。

沢へ下りるポイントは特にない。

適当なところから、懸垂下降する。

 

けっこう高い。30メートルロープで

2回に分ける。

F5は、左側をフリーで登る。

 

さっきから滝ばかり登っている。

この沢は、ゴーロとかナメとか

ゆったりとした沢ではないらしい。

F6は、右にロープがあるが、

どう見てもこのラインでは登れない。

このロープは、下降用なのかもしれない。

左側を登る。

テラス(?)から先は、

水流に向かって登る。

残置もあり、落ち口付近の難所は

安全にクリア。

 

登り甲斐がある滝だ。

またしても、私のテンションあがる。

 

ようやく、普通の沢らしい光景になり、

小さな滝をいくつも越えていく。

F7に到着。

水流沿いは、とても無理。

左側から登れそうだ。

残置のスリングがある。

これは一体何に使うのかな?

 

倒木を利用して、取りついてみるが、

今一歩、上手く登れない。

クライミングのゲレンデなら簡単に

登ってしまう程度のレベルだが、

ここは沢だ。無理してはいけない。

右側(左岸)から高巻くことにする。

かなりの高度感があり、ところどころ

岩が露出している。

 

きっと、アンヌは怖がるな。

巻道だが、ロープを出そう。

立木にランニング・ビレーを取りながら

登っていく。

 

これならアンヌも安心だ。

下にF8が見える。

これは、まったく登れそうにない。

このまま巻いてしまおう。

今日は、何度もロープを出して来た。

ロープを出すのは、けっこう大変だ。

だんだんハショってしまう。

 

アンヌの苦手な高巻のトラバースを、

ロープなしで通過。ビビるアンヌ。

F9も無理だな。

これも一緒に巻いてしまおう!

 

高巻を上に登るにつれ

私のテンションもどんどん上がる。

この辺りで、アンヌの豆腐ハートが

完全に折れる。

 

「こんなに怖いのは、もうイヤ!」

「私は、このまま尾根に行く!」

「隊長、一人で行ってよ」

「もう、εψχПдюよ!!」

 

ちょっとテンション上げすぎた。

猛省!

アンヌを落ち着かせるために休憩。

といっても、休むようなところはない。

 

しかし、アンヌはもう限界。

立木にセルフ(命綱)をとって

おにぎりタイムを取る。

 

さて、ここから、沢に下りることもできる。

尾根に上がり、左岸を下ることもできる。

 

おにぎりで、少し落ち着いたアンヌは、

沢に戻る決心をする。

懸垂下降で沢に下りる。

この途中でロープが足りなくなり

またしても、アンヌ受難!

 

細い根の先にブルージックで

支点を取り、何とか下る。

到着した沢床は、もう水量が少ない。

そろそろツメに近づいたはずだ。

しかし、まだ3つ滝がある。

F11に到着。

(F10は気が付かず

過ぎてしまったようだ)

 

ここは、フリーで登る。

もちろんアンヌはロープで確保。

F12もフリーで登る。

簡単なスラブだと思っていたが、

意外にも、落ち口まであと50cmで

詰まってしまう。

 

何のことはないところなのだが

経験上、これは危ない。

こうなると完全に固まってしまう。

 

結局、アンヌが巻道で登り、

スリングで救出してもらう。

これでもう滝はすべて登った。

あとは、尾根までツメていく。

初めての沢は、徹底してツメるのが

我が隊の流儀だ。

チェーンアイゼンを装着して、

登っていく。

こうして、尾根に到着。

下山は、いつもの管理道で。

(この管理道の探検記はNo113で)

 

マイナー探検1号に到着。

危険だが、充実した探検だった。

 

あとがき

この日の箱根屋沢は、水量が多く難しかった。

ただ、水量が少ないとヌメるところがあり、

これまた難しいだろう。

ナメ滝をゆっくり楽しみながら登るような沢を

期待する方には、おすすめできない。

滝をガシガシ登りたい人におすすめだ。

(ロープの確保は、必要だよ)

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