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残雪の尾瀬を探検だ。至仏山を目指せ

鳩待峠 〜 至仏山 〜 山ノ鼻 〜 鳩待峠

2011年 4月29(金)〜 30日(土)天気:晴れ、曇り

探検メンバー : キリヤマ隊長、コノハ隊員

 

GWの探検は、コノハ隊員と尾瀬の至仏山に向かった。

 

初めてのアルパイン登山(?)となった、至仏山。

果たして、キリヤマは山頂にたどり着けるのか。

そして、無事に下山できるのか。

いくぞ、マイナールート探検隊。

 

雪だ! エキサイトするぞ
 

新宿から約3時間。

沼田駅に到着。

 

鳩待峠までは、バスで移動する。

バスは、市街地を抜け、やがて山間の道を進んでいく。

途中で、5分停車。

昔、丹沢でもヤビツ峠までのバスは、

菜ノ花台で休憩したらしい。

ここも休憩なのか。

 

こうして、バスは戸倉バス停に到着。(12:00)

ここからバスを乗り換えて、鳩待峠に向かう。

マイカーの場合は、ここ戸倉にある駐車場に止めて

ここからバスで鳩待峠に行く。

 

山道をバスで登ること、約20分。

 

鳩待峠に到着。(12:25)

少し下に一般の駐車場があるが、満車だった。

ここには、鳩待峠休憩所がある。

今日は、裏手にある山荘に宿泊する。

 

さて、チェックインするには、ちょっと時間が早い。

 

そこで、ここから山ノ鼻まで、

調査の探検に向かう。

行くぞ、マイナールート探険隊。(12:50)

 

雪がないのは、駐車場だけで、

山ノ鼻までは、雪の中を歩いていく。

かかとから、蹴りこむように歩く。

それでも、アップダウンのときに、滑る。

ううむ怖い。アイゼンを付けたい。

やがて道は斜面のトラバースになる。

滑ったら大変だ。ここで、アイゼンを装着。

コノハ隊員は、アイゼンをつけなくても大丈夫なようだ。

アイゼンを着けたら怖くなくなった。

一面の雪景色に、なんだか興奮してきたぞ。

よし、もう一度、

行くぞ、マイナールート探険隊。

木の根元は雪が溶けている。

写真でしか見たことのなかった風景だ。

たくさんのスキーヤーとすれ違う。

みんな、カッコいい!

写真をお願いすると、快諾してくれた。

スキーヤーは、スキーを履いて歩くのか。

わたしは、スキーの経験がほとんどないので

とても不思議だ。

やがて、前を行く登山パーティの後ろにつく。

彼らは明日、燧ケ岳へ登山するらしい。

空が晴れてくると、

雪が真っ白になってくる。

こうして、山ノ鼻に到着。(13:50)

ここにはテント場らしく、

雪の中には、たくさんのテントが並んでいる。

レストハウスで、昼食。

フツーの食堂のようにメニューが豊富だ。

昼食の後は、燧ケ岳ひうちがたけ

眺めるポイントへ行く。

樹形がとても美しい木がある。

とても繊細な枝だ。

 

このときは気がつかなかったが、写真をよく見ると、

この木は、太い幹が折れている。

そして、その下から枝が伸びていることに気がついた。

 

このことが、この木の樹形を美しくしている。

わたしは、この木がとても気に入った。

遠くに見える、燧ケ岳。

さすがは、日本百名山。立派な山だ。

振り返ると、至仏山が見える。

こちらも日本百名山。

明日は、あそこに登る。

さて、鳩山峠まで戻ろう。

晴れていると、また違った風景になる。

同じ風景とは思えないほどきれいだ。

雪解けの水が流れる沢も、力強い。

コノハ隊員は、アイゼンを付けなくても、

平気で歩いていく。

慣れているのか、度胸があるのか。

鳩待峠に到着。(16:00)

 

山荘にチェックイン。

お風呂に入ってゆっくりする。

 

そして、夕飯を食べる。(17:30)

この日のメニューは、刺身、フライ、

サイコロステーキ、ミニ鍋。

宿泊客が少ないので、個別の部屋に泊まれることになった。

明日の探検に備えて、地図をチェックだ。

 

やることも無いので、20:00前に就寝。

思ったより厳しいぞ、至仏山

翌朝は、5:00に起きる。そして、朝食(6:00)。

お昼ごはんに、おにぎり弁当も作ってもらった。

今日は、いよいよ至仏山に登る。

登山をはじめて、6年。

丹沢以外のスノーハイクは、初めてだ。

 

下山は、山ノ鼻に向かう。

アイゼン装着よし。

行くぞ、マイナールート探険隊。

(07:25)

スキーヤー、スノーボーダーがたくさんいる。

みんな、至仏山に登る人たちだ。

山屋は、圧倒的に少数だ。

登り始めて、しばらくは皆と一緒に登る。

スキーヤーのしんがり(後方支援)を勤める。

 

スキーヤーは、スキーを履いて登る。

スノーボーダーは、スノーシュー(ワカン)を履いている。

この姿がけっこう、カッコイイ!

コノハ隊員から拝借したサングラスをつけて

雪の斜面をゆっくり登って行く。

 

できるだけ、サングラスをしたくないのだが、

一度サングラスをかけてしまうと、

眩しくて、はずせなくなる。

シラカバがたくさんある。

雪の白と、シラカバの生成り。

2つの色が、太陽の光に照らされている。

シラカバ越しに見る空は、とても青い。

空って、こんなに青かったのか。

こんなに綺麗な空を見たことがない。

周囲では、たくさんのスキーヤーが

にぎやかに話している。

 

でも、わたしは彼らのことが気にもならず、

ただ風景に見入っている。

ぼんやりと。

風が吹いているが、体はとても温かい。

枝の合間を、ゆっくりと空気が流れているのが

まるで目に見えるようだ。

 

こころの中に、何かがじわっと染みていく。

そんな感じがする。

遠くには、燧ケ岳が見えている。

そして、これから向かう至仏山が

くっきりと見えている。

1866 m ピークに到着。(08:25)

多くのスキーヤーが休憩をしている。

どんどん、高度を上げていく。

鳩待峠から約1時間。

いつもより登るペースは遅い。

これは、アイゼンを雪の中に蹴りこんで登っているからだろう。

疲れるペースが速く、息切れしてしまう。

 

やがて稜線に出ると、天気が曇ってくる。

このあたりはハイマツ帯なので、高い木がない。

 

風をさえぎるものが、何もない稜線には、

右方向から横風が強く吹いている。

帽子が飛ばされそうになるので、バンダナに交換。

横風を受けて、耳が冷たい。

耳当てをしているのに、まったく効果がない。

至仏山の手前にある、小至仏山が見えてくる。

シーズン中はこの頂上に向かうのだが、

残雪期は、迂回して右側の斜面を

トラバースする。

むむ、これはもしも滑ったら、巨大な滑り台を

滑っていくことになる。

 

まぁ、雪がやわらかいから、簡単に停まるとは思うが…。

そうか、こういうときにピッケルが必要なのか。

よし、もしものときは、ストックで対応だ。

昨日から、初めての経験がとても多い。

こんなところを歩くのも、初めてだ。

 

ワクワクする気持ちと、ドキドキする気持ちが

心の中で混ざって、なんだか“オレってすごい!”

( ちゃう! )

振り返ると、スキーヤーはスキーを履いたまま、

トラバースしている。怖くないのかなあ。

でも、彼らはもし斜面の方にすべっても、

スキーで滑って行けばいいのだろう。

小至仏山を過ぎたところで、もう一度振り返って撮影。

あの斜面(左側)をトラバースしてきたと思うと、ちょっとびっくり。

 

今日は、毎秒が冒険だ。すごい探検だ。

人がたくさん歩いているから安心だが、

これが1人だったら、間違いなく戻っているだろう。

至仏山がどんどん、目の前に迫ってくる。

もうすぐ頂上だ。

よし、到着。(10:00)

意外に人がたくさんいるが、

登山者は、ほとんど見かけない。

すごいぞ、キリヤマ!

丹沢山に続き、日本百名山、2つめゲットだ。

頂上から、谷川岳方面を望む。

 

反対側、尾瀬の湿原を望む。

 

雪の斜面をシリセードだ

さぁ下山だ。(10:17)

燧ケ岳に向かって、まっすぐ下っていく。

 

 

途中で木道が出現する。

ここで、アイゼンを解除。

しばらく下ると、木道が雪の中に消えてしまう。

アイゼンを再び装着。

 

 

トレースが、ほとんど無い。

かなりの急坂。おシリで滑れそうだ。

よし、おシリで滑るシリセードに挑戦だ。

 

おお、これは楽しい。やめられん!

何も敷かずに滑ったので、

おシリと手袋がビショビショに濡れた。

うーん、ケツが冷たい。感覚がなくなってきた。

でも、速乾性の肌着を着ているので、大丈夫だ。

下山するまでには、すっかり乾いてしまった。

 

綿のシャツを着て汗をかくと、命取りになるといわれているが、

あの話は、本当のことなのだろうと、実感。

しばらく、モミの木の森の中を進むと、

コノハ隊員との距離がどんどん離れていく。

彼は毎日、数キロのランニングを欠かさない。

強靭な心臓の持ち主だ。

わたしは、下りでもヒーコラしている。

こうして、山ノ鼻に到着。(11:25)

ここでしばらく休憩。

さぁ、鳩待峠に向かおう。(12:10)

つい先ほどまでいた、至仏山が見える。

今度は、夏に登ってみたい。

前から、にぎやかな声が聞こえてくる。

ご高配の女性パーティだ。

あまりに楽しそうなので、声をかける。

「お元気ですね、今日はどちらまで」

「長蔵小屋までです」

おお! ということは、燧ケ岳を登山するのか。

前を行くスノーボーダーが

「気持ちいいねぇ」、「来てよかったねぇ」と

とても楽しそうに話している。

うんうん、よくわかる。もう、たまりませんなぁ。

こうして、鳩待峠に到着。(13:10)

よし、初めての尾瀬の探検は成功だ!

 

帰りは、乗り合いタクシーでバス停まで下っていく。

尾瀬を楽しむ皆さんに、祝福を。

 

あとがき

シーズン中の尾瀬は、木道以外の通行ができなかったり、登山禁止の山があったり、

自然を守るための規制が多いところだ。しかし、雪が積もっている時期は、

土壌をいためることが無く、あまり規制を感じないで楽しむことができる。

しかも、GWは気温が少し高いので、スノーハイクにはもってこいだ。

でも、やっぱり夏が来れば思い出す、遥かな尾瀬。

次はミズバショウの時期に、アンヌ隊員を連れてきたい。

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