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道を間違えても気がつかなかった男。史上最強の道迷いに挑め

広沢寺温泉 〜 山神ずい道 〜 見晴台B 〜 唐沢峠 〜 見晴台B 〜 山ノ神尾根(弁天オグシ尾根) 〜 

弁天の森キャンプ場 〜 広沢寺温泉

 

2011年 4月 3日(日)、天気:曇り

行動時間 8:20〜15:20( 7 h )

探検メンバー : キリヤマ隊長、アンヌ隊員

 

君ならどうする。下山中、道に迷ったら。

 

道に迷ったとき、多くの人がとる行動は、

2つのタイプに分かれるという。

来た道を戻るタイプと、おにぎりを食べるタイプだ。

 

我が隊はかつて、多くの道迷いを経験した。

その数は、枚挙にいとまがない。

この日、我が隊は、梅ノ木尾根の探検のため、

唐沢峠からの下山を試みた。そして、今までに無い

激しい道迷いを経験することになる。

 

今日はハイキング探検だ

広沢寺温泉の駐車場に

マイナー探検1号を止める。

(08:20)

今日はまず、鐘ヶ岳の登山道を目指す。

しばらくは、舗装された道を進む。

茶畑の脇を通り過ぎて、

日向山と弁天岩のY路地を右に進むと、

立派な橋をわたる。

のんびりと林道を進む。

今日は、久しぶりの探検だ。

なんだかワクワクしてくる。

駐車場から約30分で、ゲートに到着。

車両はここまで入れるが、

駐車スペースがあまりない。

ここでアンヌ隊員は、早くも補給タイム。

ゲートから10分ほどで、山神ずい道に到着。

ここから左折して、登山道になる。

ここのトイレは、とてもきれいだ。

清掃をしてくださる人に感謝したい。

鐘ヶ岳の登山道は、堰堤脇にある。

(09:05)

登り始めるとすぐに、険しい道になる。

クサリ場もある。

鐘ヶ岳、あなどりがたし!

登り始めて、約10分で、分岐に到着。(09:15)

ここは広場のようになっている。

3年前、ここにある木の下で

「キリヤマ隊長はかく語りき」

のプロフィール画像を撮影した。(→)

今日も同じポーズで撮影してみた。

3年前と比べてほしい。

男前に変わりはない!

この分岐から、大山方面に向かう。

ここからは、昭文社「山と高原地図」に載っていない

マイナールートだ。しかし、なぜか道しるべがある。

さぁ行くぞ、マイナールート探険隊。

道は、すぐに鞍部になるが、

すぐに登り返す。

ここから先は、ずっと登りだ。

しばらく登り、振り返ると鐘ヶ岳がよく見える。

こちら側から見ると、頂上の形が鐘の形に見えない。

やがて道は、尾根道になる。

シカ柵沿いに進んでいく。

ちょっとしたピークに到着。

「ねぇ、ここにも道しるべがあるわよ」

「あれ? ヘンだなぁ。マイナールートじゃないのかな」

「道もはっきりしているし、つまんないわ」

「まぁまぁ、そぉ言わず」

なんとかアンヌ隊員をなだめて、先に進む。

大山では、モミの木をよく見る。

このルートにも、モミの木がたくさんある。

わたしは、毎日の生活で気分を落ち着けたいときには、

モミの木のドッシリとした感じを、思い出すようにしている。

不思議と気分が落ち着いてくる。

尾根も踏み跡も明瞭だ。

今日は、安全な探検になるだろう。

こうして、次の分岐に到着。(09:50)

よし、ここが梅ノ木尾根だ。

もう着いた。やけに早いな。

【 ここで、ちょっと解説 】

 ここは梅ノ木尾根ではない。

 この日、持っている地図は、古い地図「山と高原地図」(2004年版)。

 この地図には、今歩いているルート(鐘ヶ岳〜唐沢峠)が記載されてはいるが、

 この分岐が載っていない。分岐からの尾根も載っていない。

 

 キリヤマは、分岐があったので、ここを梅ノ木尾根と勘違いした。

 このことが、後でとんでもないことになる。

 

間違いに気がつかないキリヤマ

それにしても、ずいぶん早く梅ノ木尾根に到着した。

(まだ着いていません)

 

お? 両脇が切り立った尾根だ。険しいな。

梅ノ木尾根はハイキング程度の道だと思っていたが。

(梅ノ木尾根ではありません)

松並木のプロムナード。

松が一直線に並んでいるのは、なかなか綺麗だ。

「すり鉢広場」と書いてあるところに到着。(10:20)

ここは、すり鉢の底にいるような場所だ。

しかし、ここの道しるべは間違っている。

補足看板には、弁天の森が左方向とある。

左方向は、弁天の森ではない。間違っているようだ。

(いえ、正しいです)

 

まったく、けしからん。

(お前だ)

間違えている補足看板を引っぺがしてやろうかな。

(やめなさい!)

東屋がある。(10:28)

クマ注意の看板もある。

ここで、アンヌ隊員がおなかが減ったと言い始める。

まだ10時半だけど、昼食にする。

前回に引き続き、キリヤマ創作料理、題して

「ショートパスタの舞い」

お腹がいっぱいになった。(10:52)

さぁいくぞ。

道は、相変わらず明瞭だ。

これなら、道迷いせずに探検できる。

おお、これはすごい崖だ。

ホールドはあるが、崩れやすい。

設置してあるロープがなければ、

難易度がぐっと上がるだろう。

こういうところは、一度滑ったら

下の方まで滑落するだろう。

とても緊張するところだ。

「分岐があるわ」

「あれ? おかしいな。こんな分岐は地図にないぞ」(11:00)

 

道しるべには、大沢分岐と書かれている。

けっこうしっかりした分岐だ。

(ここが梅ノ木尾根への分岐です)

看板には「←日向薬師」と書かれている。

ここからも、日向山に行かれるのか。ふーん。

(これが梅ノ木尾根でーす)

なぜ地図に書かれていないのだろうか。

まったく地図も信用ならん。

 

こうして唐沢峠の方に進んでいく。

ピークが目の前に見えてきた。

そろそろ唐沢峠の尾根に到着か。

違った。

また分岐だ。(11:13)

分岐が多くて、なんだか分からなくなってきた。

まぁ、踏み跡がしっかりしているから大丈夫だろう。

この分岐には、探検家のエサがある。

エサがあるので、多分こちらではないのだろう。

尾根を示す杭に、「大山、唐沢峠」とある。

とりあえず、こっちの方向でよさそうだ。

アップダウンがある尾根が続いている。

よし、大山〜唐沢峠の登山道が見えてきた。(11:40)

こうして、尾根に到着。

振り返って梅ノ木尾根を撮影。

入口には、ロープがある。

よし、梅ノ木尾根を攻略だ。

(違うぞ!)

ここまで来たので、唐沢峠まで行く。

さすがは、一般道。

しっかりと整備されている。

唐沢峠に到着。

アンパンの補給を取り、出発だ。(12:06)

いま来た登山道を戻って、

梅ノ木尾根の分岐に戻ってくる。(12:21)

ここから、日向山を目指す。

いつになったら気がつくのか、キリヤマ

地面が滑りやすいので、

下りはちょっと緊張する。

どんどん下っていくよぉ〜。

へいへい〜。

どや〜!

(なぜ、どや顔?)

大沢分岐をスルーする(12:51)

(ここを右折しろ〜!!)

先ほど登るのに難儀したロープのある崖だ。

下りは登りの10倍大変だ。

やせ尾根をスイスイと過ぎて、

東屋まで戻ってくる。(13:00)

次に、すり鉢広場を通過。

間違っている道しるべは、いずれ誰かが直すだろう。

鐘ヶ岳からの分岐に到着。(13:24)

ここまで来るのに、とても時間がかかってしまった。

 

 

さぁここからは、梅ノ木尾根だ。

(ちがいます)

また、ロープのある崖だ。

梅ノ木尾根は、難易度が高い尾根だ。

(ちがいます)

次は、急斜面のザレ場だ。

マイナールートにはよくある危険な斜面だが、

梅ノ木尾根もこんなに危険とは。

(ちがうぞ!!)

道はとても明瞭だ。

これなら、地図を確認しなくても大丈夫だ。

(早く確認しろ)

そして、またロープ場。

何度もロープが出てくる。

そして、またも分岐(13:30)。この分岐も地図にない。

 

 

あそこに見えるのが日向山だな。

(ちがうちがう)

じゃ、方向は合っているな。

(ちがうちがう)

ここも道しるべが間違っている。

もう、このルートにある道しるべは、めちゃくちゃだ。

(キリヤマ隊長、ちがってま〜す)

もう道しるべは信じられない。

とにかく、日向山に向かって下っていく。

またロープだ。ここでちょっと気がついた。

「ロープに結び目がないね」

「結び目がないと、どうなの?」

「このロープは、登るためのロープじゃないかなぁ」

「そうね、結び目がないと、下るときは困るわね」

ということは、ここは登るためのルートなのか。

梅ノ木尾根が、こんなに下りにくいわけがない。

これは何かがヘンだ。

(こんなことには、気がつくのか)

 

また分岐がある。(13:45)

地図に載っていない管理道なのだろうか。

尾根を示すポールに、いろいろ書いてあるが

これも、よく分からない。

いくらなんでもこれは、絶対におかしいぞ。

周囲と地形を見比べるが、やっぱり分からない。

そして間違いに気がつく、しかし

もはや現在地は、まったく分からなくなった。

でも、目の前には日向山が見えている。

とにかく、日向山まで行こう。

間違っている道しるべ、間違っている地図。

何かがおかしい。

 

そうか、間違っているのはオレか!

(ピンポーン)

ということは、西側、右の方に見えている、あの尾根が、

梅ノ木尾根なのか。

それなら、我が隊は今、どこにいるんだ?。

この明瞭な道は、いったい何なのだ。

こうして先ほど日向山と思っていた山に到着。

がーん、やっぱりここは、ただのピークだ。

ここからどっちに下ればいいのか分からない。

ええい、こっちが正解だ。

迷ったら戻るのは、登山の鉄則だ。

しかし、けっして迷っているわけではない。

現在地が分からないだけだ。

(それって、迷ってるやん)

目の前に見える、こんもりとしたあの山は、

日向山ではなさそうだ。もうだまされないぞ。

しかし、何度もロープ場が出てくるので、

何らかの登山道なのは確実だ。

このまま道をたどっていけば、必ずどこかに出る。

次のピークに到着。道しるべがある。

「右鹿柵沿い100M ○○へ下る(ゲートくぐる)」と書かれている。

しかし、右方向に鹿柵沿いに進むと、そこはただの崖だ。

書かれている意味がよく分からない。

道を言葉で説明するのは、本当に難しい。

踏み跡が左方向に進んでいるので、そちらに進む。

しかし、すぐに道が不明瞭になる。

ここから先は、登山道ではなさそうだ。

いよいよ、これはまずい…。

周囲をよく見ると、どうやらシカ柵を越えるようだ。

植林地帯をジグザグと下っていくと、

シカ柵沿いの道になる。

その先で、2つゲートを越えると、

その先は、一直線に尾根を下っていく。

階段もある。いったいこの道はどこに出るのか。

すると、どーんと開けたところに出る。(14:21)

ここはいったい、どこだろうか。

がーん、やっぱり梅ノ木尾根ではなかった。

道しるべに、「山の神尾根」とある。

周囲を見渡すと、どうやらここは、

弁天の森キャンプ場のようだ。

地図は正しかった。道しるべも正しかった。

間違っていたのは、自分だった。

以前、弁天の森キャンプ場で探検家の集会が

開催され、わたしも参加した。

追憶に思いをはせ、本日の反省をする。

まぁ、楽しい探検だった。

終わりよければ、すべてよし!

(反省しろ)

(2010/11/14、岩登り講習会&千葉のうどん会)

あとは、林道を歩いていく。

弁天岩のクライマーを見学して、

マイナー探検1号に到着。(15:15)

すばらしい探検に祝福を。

 

あとがき

国土地理院、地図(2万5千分の1)には、今日のルート、山ノ神尾根(弁天オグシ尾根)の登山道が載っている。

やはり探検には2万5千分の1地図が必要だ。「山と高原地図」の5万分の1では、現在地がつかみにくい。

横着せずに、ちゃんと2万5千分の1地図を持って行こう。

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