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決してあなどれないトレイルコース。榛ノ木丸へ向かえ

本間沢橋 〜 榛ノ木丸 〜 姫次 〜 黍殻山 〜 大平分岐 〜 本間沢橋

2010年10月16日(土)、天気:曇り、晴れ

行動時間 8:30〜16::00( 7 h 30 min )

探検メンバー : キリヤマ隊長、アンヌ隊員

 

東丹沢トレイルレースのコース、榛ノ木丸を探検する。

榛ノ木丸の登山道は、地図に掲載されていないが、トレイルレースの

おかげで道が整備されたと聞く。その道をたどって、榛ノ木丸の

山頂を目指す。

行くぞ、マイナールート探検隊。

のんびりトレイルレースだ

本間橋付近にマイナー探検1号を駐車する。(08:33)

榛ノ木丸へのアプローチは、まずこの林道の終点まで進む。

沢の流れを聞きながら、林道を歩いていく。

林道の終点。(9:00)

ここから伝道、早戸大滝方面と、榛ノ木丸との

道が分かれる。

さぁ、ここからが今日の探検だ。

行くぞ、マイナールート探検隊。

早くもロープが出現。

むむ、この先には難関が多くあるのか。

この緊張感が楽しい。

しかし、ここはトレイルレースのコースだ。

そんなに難関があるとは思えない。

 

こうして、シカ柵沿いに進むと、

沢を渡る。

すると、道が不明瞭になる。

というか、踏み跡だらけ。まるで迷路だ。

この付近は、伝道方面への道と交差しており、

非常にわかりづらい。いったい、どの道を進めばいいのか。

むむ、探検開始からわずか10分で、もう道迷いか。

ここは、沢沿いのルートが正解だろう。

すぐに明瞭な道になる。

テーピングもある。この道であっているようだ。

分岐があり、ペイントがある。

左は早戸大滝方面らしい。ここには右に進む。

丸太の階段がある。

その後も明瞭な道を進んでいく。

やがて道は、沢を離れて、

尾根に向かっていく。

道をさえぎるように、ワイヤーがある。

トレイルレースは障害物競走でもあるのか。

植林地帯を進んでいく。

ここは、丸太の階段が続いている。

この階段は、少し古い。

トレイルレースのために作られたものではなく、

以前からあった管理道の階段だろう。

しばらく進むと、道が分かれているが、

この先でまた一緒になる。

ここでアンヌ隊員、「抹茶アイスが食べたい」という。

なんで急にそんなことを…。

しかし、見識ある読者には、もう予測ができるだろう。

これね…。

 

ちなみに、

アンヌ隊員は、乳製品が食べられない。

もちろんアイスクリームもだめだ。

しかし、食べられなくても、食欲だけはある。

見上げると木々の葉に光が透けて、緑色に輝いている。

ここはとても明るい森だ。

突然、カラマツが出現。

この前後は雑木林だ。

なぜか、ここ一帯にだけカラマツが生えている。

カラマツが大好きなアンヌ隊員。

カラマツと気持ちを同調させ、すっかりご機嫌だ。

倒れたシカ柵を越える。

植林地帯が終わり、原生林の中を

奥へ奥へと道が続いている。

太陽の光が地面をさしている。

樹木の色合いがあざやかだ。

登山道わきには、「鳥屋造林組合管理地」の看板がある。

この後、何度も出現するこの看板のおかげで

道に迷っていないことがわかる。

こうして、安心して探検をする二人。

アンヌ隊員、「ここに何千人も走ったなんて、すごいね」

うーん、そんなに多くは走っていないのでは…

( 2009年が約 600人、2010年は約 300人らしい)

森がひらけ、展望のあるところに立つ。

紅葉が少しだけ、始まっているようだ。

波のような稜線の向こう側には、蛭ヶ岳が見える。

北側からみる蛭ヶ岳は、シルエットになってしまう。

ここから先は、急な斜面になる。

この斜面は、ランニングで登るにはちょっと急すぎる。

屈強なランナーでも、かなりこたえたはずだ。

10分ほど登ると、急な坂は終わり、

平らな場所に出る。

踏み跡に従って進んでいく。

このあたりが、榛ノ木丸の山頂のはずだ。

よし、榛ノ木丸と書かれた札がある。

まずは、榛ノ木丸を攻略した。(10:50)

意外にわかりづらい、トレイルレースのコース

頂上から下り始めると、踏み跡がはっきりしなくなってくる。

あれ??

ここはトレイルレースのコースではないのか。

なぜ踏み跡がないのだろう。

なんかおかしい。道をはずしたのか。

マンネリといわれようとも、いかにいわれようとも

これは我が隊の名物「THE 道迷い」だ。

アンヌ隊員、「あそこに丸太があるよ」。

ええ?? 丸太?? 

こんな森の中に丸太??

こういうことか。

しかし、ペイントがあるということは、こっちが正解か。

地図で確認しよう。

そこで、山と高原地図を見ると、

なんだ、これは。

肝心なところが見えないぞ。

これでは、地形がわからない。

目の前の尾根は、はっきりと続いている。

どうやら下っているようだ。よし、こっちに行ってみよう。

しかし、やっぱり地図で確認しないと不安だ。

仕方ないので、ザックの底から国土地理院の地図を取り出す。

あれ? どうやら目の前の尾根は違うようだ。

右方向に向かう尾根が正解だ。

このまま丸太のペイントにつられたら、大変だった。

小さな鞍部でちょっと休憩。

アンヌ隊員は、もちろん補給。

右方向が開けて、東丹沢の山々がよく見える。

遠く眺めるは、黍殻山。

片側が切り立っているところを通過する。

本当にここがトレイルレースのコースだったのか。

まだ信じられない。

しかし、しばらく進むと、道が明瞭になってくる。

よかった、道を間違えていないようだ。

アンヌ隊員、「一万人も走ったのに、道がつかなかったのね」

(だから、そんなに走ってないって)

倒木が道をふさいでいる。

魚の骨のような倒木だ。

 

 

トレイルコースを横切るように、溝がある。

人為的に作られた溝だろう。それにしても

何のためにこんなことをしたのだろう。

 

さらに登っていくと、

カラマツの林になってくる。

 

どこまでもササ原が広がっているところを歩いていく。

かつて丹沢には、ササ原がもっと多くあったという。

こうして、姫次のそばの登山道に到着。(11:50)

よし、今日の探検は無事成功だ。

すごいぞ、マイナールート探検隊。

姫次までの道は、カラマツを楽しみながら進んでいく。

登山道の脇にある、資材用のモノレールは健在だ。

まっすぐ先は、光の中へ進んでいく道。

明るく輝く緑に包まれながら歩いていると、

まるで、天国への道を歩いているようだ。

そして光の先は、姫次だ。(12:00)

透き通った空に、真っ白な雲。

そして、カラマツを鑑賞しながら、昼食をとる。

黍殻山へ初登頂

次は、先ほど来た道を戻って、黍殻山に向かう。

ここからは、一般の登山道、丹沢主脈だ。

ブナの老木と対話をするキリヤマ。

ブナのもつ、力強い感覚を楽しむ。

巨木は、触れてみたり、抱きついてみたりすると、

その感覚が1本1本違う。ぜひ、体験してほしい。

落ち葉が紅葉している。

レモンの黄色、キャロットの橙、トマトの赤。

こんなに多くの色を見ることができるこの時期は、

ゆったりと散策するのが楽しい。

牧歌的な風景が続く。

この道は、いつ来ても、その季節ごとの風景を見せてくれる。

姫次から約30分、黍殻山避難小屋に到着。(12:55)

広場には、たくさんのベンチがある。

よく見ると、壊れているベンチも多い。

この日は、神奈川県の職員による定期巡回と出会う。

話を伺うと、巡回職員のほか、ボランティアの掃除をしてくれる人も

いるらしい。こういった人たちが、管理や掃除してくれているおかげで、

避難小屋が整備されているのだろう。ひたすら感謝だ。

 

さて、ここに来たのは、名作の鑑賞をするためだ。

とても質感のあるストーブ。

この避難小屋に立ち寄った際には、ぜひ鑑賞して欲しい。

映画「エイリアン」のデザインをした

H・R・ギーガーの作風だ。

EL&P「恐怖の頭脳改革」

(H・R・ギーガーの作品)

裏を見ると、ニッチュー式2号と書かれている。

webで調べてみたが、ニッチュー式の意味はよくわからない。

静かにたたずむ作品を見て、しみじみとする。

寒い時期に、このストーブを囲んで談話したいものだ。

以前あった古い布団は片付けられていた。

その代わりにゴザが一枚ある。

さて、避難小屋を後に、植林の道を行く。

 

大平方面への分岐を通過して、

水場への下り道を分けて、

黍殻山への分岐へ到着。(13:20)

ここから黍殻山へ登頂する。

最初は急坂だが、すぐになだらかな道になる。

10分ほどで山頂に到着する。

山頂には、雨量をダムに知らせる施設がある。

御札のある木に、山頂の看板がある。

沢を渡れ、道を探せ、これぞ探検だ

大平の分岐まで戻ってくる。

どうも今日はのんびりした日だ。

ここは緊張感を高めるために、もう一度号令をかける。

行くぞ、マイナールート探検隊。(13:40)

ここから大平までの登山道も、

トレイルレースのコースだ。

植林地帯の林をぐんぐん下っていくと、モノレールの線路がある。

ようこそキリヤマ隊長!

と書かれた看板あり。

 

近くには、まだ新しい、切り株がある。

そして、チェンソーの音が響いている。

近くには、5人乗りモノレールがある。

登山道はモノレールを並行して、続いている。

途中で、中枝をチェンソーで切っている方を見学。

体をロープで確保していない。なんと身軽だろう。

さらに下ると、

レールの下を登山道がくぐっている。

遊園地みたいで、なかなか面白い趣向だ。

よく見ると、大がかりなことをして、

レールを登山道の上に通している。

なんで、こんなことをわざわざするのだろうか。

登山道をレールが横切っていても、簡単に乗り越えられると思うのだが。

まぁ、トレイルレース、特別仕様と考えよう。

途中にあるベンチで、ちょっと休憩。

こうして、大平に到着。(14:40)

登山道はここから、林道になる。

祠には小さな石碑がある。

馬頭観音だろうか、表面が削られてしまい、

判読ができない。

広場から林道への道を下っていく。

林道に着くと、折り返して、

先ほどの広場の真下に行く。

 

この付近から早戸川への道があるはずだが、

入口がどこにあるのか、わからない。

付近をウロウロするが、見つからない。

地図を見ると、この付近のはずだが…。

よし、道はないが、テーピングがある。

行くぞアンヌ隊員。

キリヤマの予想は、いつでも正しい(はずだ)。

(15:00)

たとえ間違っていても、

ひたすら下って行けば、いずれ早戸川に着く。

おお、なんと丸太の階段だ。

これだ!

さらにテーピング、踏み跡もゲット。

よし、この道で間違いない。

いいぞ、いいぞ。だんだん調子が出てきた。

踏み跡が、だんだん明瞭になってくる。

やがて道は、斜面をトラバースする。

 

そして、プチ崩壊地を越えると、

小さな沢を渡り、沢沿いに少し下る。

こうして、早戸川に出る。(15:15)

振り返って、下ってきた沢を撮影。

 

沢の入口にはテーピングがある。

逆方向から来たときは、目印になるだろう。

ここから対岸にわたる。わたってから斜面を登る道を探す。

ここまでテーピングがたくさんあったから、

対岸にもテーピングがあるはずだ。

 

少し上流にテープがある。

あれだ。あそこを目指して、沢を渡ろう。

 

アンヌ隊員は、探検シューズから

スニーカーに履き替える。

さあ行くぞ。

思いのほか、沢の流れが速いので、

アンヌ隊員とスクラムを組んで一緒に渡る。

言うまでもないことだが、増水時には渡れないだろう。

こうして、無事に対岸に渡ることができた。

 

さらに登り口には、赤テープがある。

その先は、踏み跡がくっきりついている。

こうして、早戸川林道に到着。

ガードレールに「○」印がある。

古い道しるべもある

 

あとは、テクテクと林道を歩いて、

マイナー探検1号に到着。(16:00)

楽しい探検に祝福を。

 

あとがき

東丹沢トレイルレースの参加人数は、わずか数百人ほど。

この程度では、踏み跡もはっきりつかないらしい。

丹沢山塊には、年間30万人の入山者があるという。

踏み跡がつくということは、どれほどの人数が歩いているのか。

それがよくわかる探検だった。

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