探検リストに戻る

 

昨年と同じ過ちを繰り返すな、源次郎沢だ

 

戸沢 〜 源次郎沢 〜 花立 〜 戸沢

2010年8月28日(土)、天気:晴れ

行動時間 7:50〜12:40( 4h 50min )

探検メンバー : キリヤマ隊長、アンヌ隊員

 

源次郎沢は、初級の沢とはいえ、なかなか手ごたえのある滝がある沢だ。

昨年登ったときは、ずいぶんと怖い思いをした源次郎沢。

今年は難所を克服し、登攀技術のレベルアップをしたい。

行くぞ、マイナールート探検隊。

 

戸沢にマイナー探検1号を駐車する。(7:50)

源次郎沢へ入るには、まず書策新道を進む。

 

次に、源次郎沢入口の道しるべがある。

沢に降り、堰堤を2つ右側から越える。

しばらく進むと、最初の滝、F1、4mがある。

 

※源次郎沢のFナンバー看板は、ガイドブックの番号と

 一致しないことがあるので、ここでは現地の番号を記載する。

F1は、右側から越える。

これは簡単に登れるのだが、わたしは、何をトチったのか、

途中でつまってしまった。

 

簡単な滝でも、決してあなどってはいけない。

次は、Fナンバーのない滝。

大きな岩の上を、スピード感を持った水流が落ちている。

ここは左側から越える。

源次郎沢は、次々に滝が現れ、

登っている人をあきさせない。

F2。

左側に大きな岩がせり出している滝だ。

せり出している岩のところは、ホールドがなく、

登ることができない。

ここは、右側を登る。

簡単に登れるのだが、落ち口あたりでヘツるところが、

ちょっと高度感がある。

F3。

大岩が左に鎮座している滝だ。

源次郎沢は、大きな岩の荒々しさが、

むき出しの自然を感じさせる。

大岩の合間を、水流が勢いよく流れている。

この水流に沿って上りたくなるが、

我らは、滝の手前から右側を巻く。

次は、2段になっている小さな滝を水流沿いに越える。

水のひんやりした感じが、とても心地よい。

F4。

ここは前回、失敗した滝だ。

今日は違うルートを探したい。

右側から越えると、上部のヘツるところで

とても怖い思いをする。

 

今日は、左壁の登攀を試みる。

ここで後ろから来たパーティが追いついてきたので、

先に行ってもらう。

彼らは躊躇せず、左壁を登っていく。

なぁんだ、左が常識なのか。ここで彼らの登攀を参考にさせてもらう。

 

うーむ、どうやら途中までは問題なく登れそうだが、

上部にホールドがなく、ちょっと不安だ。

そこで我が隊は、もっと大きく巻くことにする。

少し下流の左側から登れそうだ。

土の斜面を登るので、ドライバーを準備。

ザックに取り付けられるように工作したドライバーで、

これなら、取出しが簡単だ。

上り始めるとすぐに踏み跡がある。

やはりここから巻く人も多いのだろう。

踏み跡に沿って登っていく。

落ちぐち付近を越えるとき、ちょっと足場が不安定だが、

安全に巻くことができた。

続いて、大岩に挟まれたミニゴルジュを越える。

沢はこの付近で大きくカーブして、

目の前が開けてくる。

F5、8m。

丹沢屈指の人気のある滝だ。

この滝を登るために源次郎沢に入るパーティも

多いだろう。

先行した男性パーティが、左壁を登っている。

もちろん、ザイルで確保しているので安全だ。

アンヌ隊員は、おにぎりを食べながら

すっかり鑑賞モード。

さぁ、続いて我が隊の番だ。

今回、我が隊が選ぶコースは、

巻き道だ。

巻き道は、滝の左側を登る。

巻き道とはいえ、ここは気が抜けない。

ザイルで体を確保する支点も設けられている。

F6、2段10m。

一段目の直暴に続いて、2段目は大きくカーブしている。

源次郎沢、最大の滝だ。

 

この滝は2段目の左から登る。しかし、上部がとても危険だ。

昨年はここを通過できず、苦労して下ってきた。

 

先行のパーティは難なく登っているが、

我が隊は、安全な巻き道を行く。

巻き道は、少し下流の左側にある。

この巻き道は、なるべく早く尾根に出た方がいい。

斜面をへつると、とても危険だ。

 

いったん尾根に出てから、沢に降りるところを探す。

少し進むと、沢に下る踏み跡がついているが、

ここを下ってはいけない。

 

しかし、そのことを思い出したのは、

沢に降りてからだった。

この日も、踏み跡にしたがって進んでしまい、

結局、沢に降りるのにロープを出すことになった(アホだ)。

こんなところから沢に降りるのではなく、

もう少し尾根を登ってから下れば、もっと簡単に降りられるのに…。

 

F6から上は、水流がだんだん

しょぼくなってくる。

そして、しばらく進むと水が涸れてしまう。

F7。頂に大岩を乗せた滝だ。

岩の合間をくぐるように越える。

続いて、すぐ上にF8。

これは崩れてしまった滝だ。

この先で、二俣を左に進む。

F9、4m+4m。

上部に大岩が乗っているCS(チョックストーン)2段の滝。

ここは右側を登る。

 

ホールドがしっかりしているので、安心して登れる。

周囲には緑が多く、沢は涸れてしまっても楽しめる滝だ。

F10

ロープが設置されているが、

ほぼ垂直のこの壁は、とても登れない。

巻き道は左側にある。

踏み跡もバッチリある。

木の根につかまって越えていく。

ジャングルジムを登っているような感じで、

とても軽快に登れる。

 

このあとも、涸れた沢を登っていく。

源次郎沢は、沢が涸れてからが長い。

岩がもろく崩れやすい。

テクニカルな岩場が続く。

真夏日の今日は、とても暑くて辛い。

大量の汗をかいてしまうが、涼むべき水流はない。

もう少し涼しい時期の方がいいかもしれない。

草原地帯に出る。

この付近は、虫がたくさん飛んでいる。

アンヌ隊員が「おにぎりを食べたい」といい始めたそのとき、

突如、蛭ヒール星人が我が隊を襲う。

よしここは、

新兵器の「昼下がりのジョニー」の出番だ。

ジョニーは最近購入した、ヒル除け剤で、

ついにその効果を試すときが来た。

行けジョニー!!(発射〜!!)

 

足が真っ白になるくらい散布する。

おお、足に取り付いたヒルが、力なく落ちていくぞ。

ジョニーの勝利だ。

ジョニーはすばらしいが、

ヒル地帯は早く逃れたい。

このあたりは、とても気持ちのいいところなのだが、

それを楽しむ余裕はない。

ここで、アンヌ隊員が虫に刺される。

またアンヌ隊員だけが刺された。

化粧に虫が寄ってくるのだろうか。

 

 

ヒルと虫刺され。アンヌ隊員は、例によって

「気力、知力、感性、食欲、すべて持っていかれたわ」と、

独特の感覚を述べる。

やがて大岩の脇を通り過ぎる。

ここまでくれば、尾根まで近い。

すっかりダウンモードのアンヌ隊員。

もう少しだから、頑張れ。

こうして、尾根に到着。(10:40)

すごいぞマイナールート探検隊。

 

ヒル地帯を通り過ぎたので、ようやくここで補給をとる。

そしてアンヌ隊員が復活。

 

植林地帯の脇を進み、大倉尾根に出る。

戸沢までは大倉尾根を使う。

分岐を過ぎて、天神尾根を下る。

天神尾根に丸太の階段が新設されている。

以前は、下るのにとても苦労した尾根だが、

これなら安心して下れる。

今までの登山道には、土が崩れないように

土止めがしてある。

 

この日も、チャンプさんに会えた。

チャンプさんは、ボッカを通じて、3000回以上も塔ノ岳へ登頂している方だ。

この日の荷物、聞けば40kg。しかも、2往復目らしい。

こうして、マイナー探検1号に到着。(12:40)

すばらしい探検に祝福を。

 

あとがき

ヒル除け剤「昼下がりのジョニー」は、ただの石鹸水ではないか。

こういった話がある。確かに、吹きかけた感じが石鹸水のそれと酷似している。

今回は、ジョニーを詰め替えの容器に入れて使った。

使用後、容器の中には泡が立っていた。やっぱりあやしい…。

確かにヒルは退治できた。しかし、もしかしたら普通の石鹸水でも

退治できるのかもしれない。

 

でも、石鹸水ではないと信じたい。たとえ石鹸水であっても、薬品には違いがない。

少なくとも、わたしよりはずっと信頼できる。

なにより、ジョニーはそのネーミングゆえ、わたしの大のお気に入りなのだ。

 

ゆけ!!ジョニー!!(発射〜!!)

(泡立つジョニー)

探検リストに戻る

このページのTOPへ