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水の輝くモロクボ沢で、こころを磨け

西丹沢自然教室 〜 モロクボ沢 〜 畦ヶ丸 〜 西丹沢自然教室

2010年7月18日(日)、天気:晴れ

行動時間 7:40〜14:00( 6h 20min )

探検メンバー : キリヤマ隊長、アンヌ隊員

 

この日我が隊は、西丹沢の沢登りを敢行すべく、

モロクボ沢へ向かった。

この沢は、F1の大滝を巻くときが一番危険らしい。

現場に行くと、登り始めた岩場は、ホールドがとぼしく、

取り付きに苦労する。特に小柄なアンヌ隊員は、

ホールドに手が届かず、大岩を乗り越えられない。

 

今シーズン、2度目の沢登り探検は無事に終了できるのか。

行くぞ、アンヌ。

真夏に最適な沢だ

いつものように、西丹沢自然教室に

マイナー探検1号を駐車する。(7:40)

自然教室の脇を通り過ぎて、

用木沢出合のほうへ進む。

目の前には、大室山の稜線がくっきり見える。

夏の青空は色が濃い。

今日はとても暑い日だ。

沢に入るには最良の日だろう。

白石沢沿いの林道を進んでいく。

やがて植林地帯になる。

かつてこのあたりに、白石キャンプ場が

あったらしい。

さぁ、ここからがいよいよ今日の探検だ。(08:20)

執筆中に、いつものポーズを忘れたことに気がついた。

しかたがないので、ここで。

行くぞマイナールート探検隊!!

白石キャンプ場の跡地を

モロクボ沢に沿って進んでいく。

キャンプ場内には、しっかりした道が残っている。

やがてモロクボ沢にかかる

橋を越える。

 

かつてのキャンプ場サイトを見ながら

奥へ進んでいく。

モロクボ沢を右手に見ながら進むと、

最初の堰堤を越える。
 

さらにしばらく進むと、

次の堰堤を越える。

モロクボ沢の支流に出合う地点から沢をわたる。
そして、左岸(右側)を進むと

堰堤が見えてくる。

堰堤は右からこえる。

堰堤から上は、特に難所もなく、

順調に登っていく。

流れが白く泡立って、

天然のジャグジーになっている。

モロクボ沢でよく見かける光景だ。

モロクボ沢は、細かな石が敷き詰められ、

歩いていると、とても心地がいい。

白っぽいのは、御影石だろうか。

やがて、F1 の大滝が見えてくる。(9:00)
ロープを頼るな。F1 大滝を越えろ

F1 は落差がとてもある。水量も多く

直暴の水が、岩に叩きつけられる音がとても大きい。

下棚、本棚と同じ、いやそれ以上に迫力がある。

 

この滝を登る人はまれだ。

大きく巻くルートもあるらしいが、

今日はF1 の脇にある岩場を越えるルートを

行くことにする。

いざというときロープを出して下降できるように

ロープを体に巻きつけておく。

右岸(左側)に涸れ沢のような谷がある。

その谷の右側に踏み跡がある。

ここを行く探検家が多いのだろうか、

道がはっきりついている。

道はやがて、岩壁に突き当たる。
ここからは、F1の大滝を横から見ることができる。

この先は、岩壁を登る。岩は3段に分かれている。

上部2段はロープが設置されているが、一番下の段まで

ロープが届いていない。

 

我が隊は通常、危険な岩場は、アンヌ隊員が先行で登る。

これは、どうしても登れなくなったときに、

下から足をおろす位置を指示できるからだ。

 

しかし、この岩場は、わたしが先行することにした。

わたしがホールドの位置を教えることで、

アンヌ隊員の登攀の役に立てると思ったからだ。

 

こうして、キリヤマ先行で1段目に取り付く。

なんと、少しオーバーハング(90度以上斜度がある)している。

どうにかホールドを見つけて登る。

 

ところが、一段目の上は、とても狭く安定した場所ではない。

撮影は避け、すばやく次の2段目に進む。

こうして2段目の上に立つ。ここで、ようやく下を撮影。

アンヌ隊員も1段目をクリア。

 

小柄なアンヌ隊員は、ホールドに手が届かず、

2段目に登るのに苦労している。

わたしが立っている2段目上は定員1名なので、

アンヌ隊員が来る前に、3段目に進まねばならない。

 

設置されているロープを頼りに登りたいのだが、

ロープは高いところから長々とたらしてあるので、

グイとひっぱると、少し伸びる。これでは安定感がない。

このロープはあまり頼れない。(こういうときは、クサリのほうがいい)

しっかりしたホールドを自分で探さなければならない。

わたしは3段目の上(頂上)に到着。

アンヌ隊員は、どうにか2段目をクリア。

3段目は岩の間を登れる。こちらはホールドがある。

無事に3段目の上(頂上)に到着。

まずは、本日の難関を突破できた。

登ったところはF1、大滝の落ち口のそばだ。

これは恐ろしいので、トットと去る。

F1を登るツワモノもいるようだ。

少しさびているので、だいぶ前のものと思われる。

F1 のすぐ上は、F2 がある。

F2 は、右側から越える。

ここはホールドがほとんどなく、とても大変だ。

登り始めてしまうと、降りるのが困難になる。

このままなんとか登るしかない。

よし、何とかクリア。

(F1より、こっちのほうが苦労した)

 

モロクボ沢を楽しむ方法

F2の上には、釜(滝つぼ)がある。

気持ちよさそうなので、入ってみる。

うほーい。
うーん、冷たくて気持ちがいい。

おぉぉ、寒い。

これは、あまり長くは入れない。

ああ、楽しかった。

さらに先に進むと、

水が一枚岩の上を滑るように流れていいる。

モロクボ沢はこうしたナメ(滑)滝が多い。

小さな滝をいくつも越えていく。

次の釜をもつ滝は、倒木があり、

遊ぶことができない。

さらに次の滝は、幼児用プールのような釜(滝つぼ)がある。

最近まで大人用のプールだったのが、

嵐でうまってしまったらしい。残念だ。

 

それでは、行きまーす。

それー!

とりゃー

クロール!

流れの中を登れない滝は、

滝の脇から越えていく。

高さ、わずか1,2メートルほどなのだが、

それでも落ちればケガをするだろう。

慎重に越えていく。

やがて堰堤のところに出る。

堰堤は右側から越える。

モロクボ沢の両岸には木々がたくさんある。

岸にある大木から、太い枝が沢の真ん中まで伸びている。

沢にかかる緑のアーチのもとを歩いていく。

太陽の光が葉の隙間から流れを照らしている。

水面には光が反射して、きらきらと輝いている。

周囲の木々が水面に映り、緑色になっている。

 

岩には、たくさんの苔。

流れの中に、さっと動く魚の姿。

岩の上でじっとしてるカエル。

鳥のさえずり、そしてセミの鳴き声。

ここにはたくさんの生きものがいる。

たくさんの生命がある。

いつくしむ、という言葉を思い出した。

命を大切に思う静かなこころを持ちたいと思う。

ここを訪れる人は、この沢にさまざまな命を見つけるだろう。

そして、自分の中にいつくしむ心があることを思い出してほしい。

ついでに、釜で泳いでいたアホなキリヤマを思い出してほしい。

ナメ滝だ。

ここは沢床がとても広く、流れが急なので、

水の流れを感じるのが楽しい。

水遊びをするアンヌ隊員。

そしてキリヤマは。

うおーい。気持ちいい!
うわー流される。
このあとも、小さな滝をいくつも越えていく。

モロクボ沢の滝は、岩の合間を細かく水が流れ落ち、

とても繊細な感じのする流れを見せてくれる。

おのずとシャッターを押す回数が増える。

水晶沢へ分岐の到着。

右が水晶沢、左が本流だ。

巨木の倒木が沢に横たわっている。

かなり古いらしく、植物の苗床になっている。

また分岐がある。

右はジャガクチ丸のほうから流れてくる。

左が本流だ。

とても気持ちがいい沢床だ。

ここで昼食にする。

分岐を過ぎると、水量がぐっと減ってくる。

やがて水がなくなり、涸れ沢になる。

そのあとしばらく登ると、

分岐が見えてくる。

左方向が畦ヶ丸の稜線。

右方向が本流、モロクボ沢ノ頭だ。

 

今日は、左方向、畦ヶ丸の稜線に進む。

 
急な斜面だが、沢のツメにしては登りやすいほうだろう。

ようやく稜線が見えてくる。

歩いている人も見えるので、きっと登山道だ。

こうして、無事に稜線に到着。(12:00)

(畦ヶ丸と善六ノタワの中間に出た)

すごいぞマイナールート探検隊。

 

下山は、東海自然歩道を行く。

 

善六ノタワを越えて、沢沿いの登山道を

下っていく。

空が夏の青空らしい色をしている。

緑もとても深い色だ。

橋を渡って、西丹沢自然教室に到着。

キャンプ場は、たくさんのテントがある。

子供の声が聞こえ、とても楽しそう。

 

2008年10月のキャンプ場→

ひとつもテントがない。

 

こうしてマイナー探検1号に到着。(14:00)

すばらしい探検だった。

 

あとがき

・モロクボ沢は何度も登りたくなる、とても気持ちのいい沢だ。しかし、F1 の大滝を巻くのが

 ちょっと苦労する。どなたにでもオススメできる沢ではないかもしれない。

・西丹沢自然教室で、夫婦探検家がお声をかけてくださった(T氏)。

 同じ夫婦探検家と熱き交流をもてるのは、とても嬉しいことだ。

 ご夫妻の探検に祝福を。

・西丹沢自然教室で登山届けを書くときに、所属団体名に「マイナールート探検隊」と書いてみた。

 それを見た自然教室の方(Kさん)が、「あの高貴なキリヤマ隊長ですか、ベッカムに似てますね

 といってくれた(脚色あり)。Kさんはとても穏やかな感じのする青年だ。

 明るく接してくれるその振る舞いに、とても好感が持てる。

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