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水の戯れ、葛葉川の魅力を語れ

葛葉の泉 〜 三ノ塔  〜 二ノ塔 〜 葛葉の泉

2010年6月12日(土)、天気:晴れ

行動時間 8:10〜12:30( 4h 20min )

探検メンバー : キリヤマ隊長、アンヌ隊員

 

わたしは葛葉川が大好きだ。何度歩いても飽きない。

この沢の魅力をキリヤマがレポートする。

今年になってボルダリングジムでクライミングを特訓したわが隊。

少しはレベルアップしたのか。

葛葉の泉へ

葛葉川の入渓ポイントは葛葉の泉にある。

この葛葉の泉までのアプローチがとてもわかりづらい。

まずは、県道705号、菩提原バス停を右折。

点滅信号のある交差点を直進。

葛葉川本流沿いに進む。

ここから見る二ノ塔は絶品だ。

少しとがった頂上。すらっと一直線に伸びた稜線。

三ノ塔や塔ノ岳に決して劣らない迫力がある。

この沢沿いから見えるダイナミックな表尾根は、

日本アルプス、八ヶ岳とも違った低山ならではの魅力、

近くて大きい山の景観を楽しむことができる。

 

そして、表丹沢野外活動センタ―と書かれた建物のある

交差点を左折する。

茶畑を通過して、やがて道は植林地帯を行く。

葛葉の泉に到着。

ここが入渓ポイントだ。

すぐ近くの駐車スペースに

マイナー探検1号を駐車。

沢登りのお供を用意する。

ヘルメット、(左:自転車のヘルメットで代用、いい加減に買え)

ロープ、(葛葉ではまず使わない、念のため携帯)。

沢シューズにスパッツ。

沢シューズは、小学校のときに履いていた体育館シューズで

代用できるらしいが、未確認だ。また、スニーカーの上から

靴下をはくことで代用できるらしい。子供用は、沢シューズが

ないのでこの方法で登るらしいが、こちらも未確認。

(ご存知の方は、ぜひ掲示板に書き込んでほしい)

葛葉の泉近くには公園があり、

堰堤がいくつかある。

さぁ、マイナールート探検隊の出動だ。

最初の堰堤は巻く。巻き道は公園の橋を渡ると

踏み跡がある。

踏み跡に沿って進むと、そのまま沢に降りられる。

葛葉川をレポートだ

入渓ポイントから上流を眺める。

これから楽しい沢登りが始まる。

葛葉川は、小さな滝が連続して現れる。

ふつうの登山で沢を渡るときは、なるべく水に濡れないように

わたるが、沢登りではなるべく水の中を歩く。

こうして水と触れ合うことで、自然をまさしく肌で感じる

ことができる。沢登りの魅力の一つだ。

日常の生活で、水の中をバシャバシャ歩くことはまずない。

自然との一体感が、とても新鮮な気持ちにさせられる。

まずは最初の滝。小さい滝なので、

問題なく登れる。

続いて、2段の滝。

滝というより、急な流れのところ、というべきだろう。

小さな滝をどんどん越えていく。

やがてF1 - 5m が見えてくる。

2段になっている上の滝が、F1だ。

この滝は、滝の上部のホールドが乏しく、

わたしはちょっと無理だ。流れの中を登らず、巻き道を登る。

巻き道は向かって右にある。

葛葉川は巻き道がある滝が多いので、

岩登りの技術がない人でも沢登りを楽しむことができる。

沢登りというより、沢歩きといったところだ。

続いて、F2 - 7m 、横向ノ滝が見えてくる。

滝の中に大きな岩がせり出しているため、流れが分かれている。

この滝は、下ることもできるので、

何度も登って楽しめる滝だ。

我が隊では、この滝を「桐山アスレチック」と言っている。

上部にまで行ったら、ザックを置いて滝を下る。

この滝は、どこからでも下れる。

 

それ、シャワークライミングだ。

流れの真ん中を登る。桐山アスレチックで水遊びだ。

この日は、3回ほど登り降りした。

続いて、F3 - 7mだ。

 

この滝は、高度感があるが、岩がゴツゴツしていて

ホールドがしっかりしている。

どこからでも登れるが、なるべく流れの近くを登って

水に濡れながら登っていくと気持ちが良い。

水の流れに手を入れ、岩をつかむ。

手の甲を冷たい水が流れていく心地よさは、

やってみた人でないと味わえない。

登山道を歩くと、樹木、土、岩に触れることで、

自然を感じることができる。山で水に触れる楽しみ

を感じるためには、やはり沢に入るのがいい。

F4 - 7m 。

向かって左が登りやすい。

F4のさらに上にある滝は、キリヤマ先行で登る。

葛葉川の滝は、行者ヶ岳のクサリ場より

簡単に登れる滝が多い。

F5 板立ノ滝- 8m。

この滝は流れの付近の壁が逆層なので、難しい。

巻き道は、向かって右側。

下流にいったん下ってから、

かなり大きく巻いたほうがいい。

わたしは、小さく巻いたが、こっちのルートは、

滝の落ち口あたりで、岩がせり出している壁を

へつるところがあり、ちょっと怖い。

 

また、沢登では滝を巻いたあと、

沢に降りるのに難儀するケースがよくある。

その点、葛葉川は問題なく沢に降りられる。

そして、小さな滝をいくつも越えていくと、

F6,3段の滝が見えてくると、

その上に林道が通っているのが見える。

 

下から見上げると、手ごわい滝に見えるが、

ホールドが豊富なので、意外と簡単に登れる。

ベテラン気分を味わえる滝だ。

わたしもベッカムになったつもりで登った。

ベッカムになることが、登ることと一体何の関係があるのか、

というかもしれないが、お互い足を使うこと、

紳士であることで共通している。

 

林道の下は、土管が転がっていて

あまりきれいでないので、ドンドン進む。

 

ちなみに、ここで切り上げて林道で下山するときは、

橋の下をくぐると林道に登る道がついているので、

これを利用する。

林道を越えて先に進む

次の滝は、流れから少し離れた壁を登る。

その先は、滝の上に岩を抱えたチョックストーン(CS)だ。

向かって左から登る。さらに大きく巻くなら少し下った

ところから巻くこともできる。

今日はあえて、向かって右を登ることにする。

よし、クリアーだ。

F ナンバーの滝、最後は F7 - 8m 富士形の滝。

2段になっている難易度の高い滝だ。

アンヌ隊員は、以前とても苦労したことがあるので、

巻くことにする。巻き道は向かって右側。

わたしは、この滝のセオリーどおり、

左から1段目、流れをわたって2段目は右から登った。

2段目を右から登るときは、上部のホールドが乏しいので、

緊張する。

残留ハーケンがあり、これは有効に使える。

このハーケンを見落とすと、

難易度がぐっと上がる。

富士形の滝から上流は、水量が少なくなってくる。

沢が二俣になっているところは、左に進む。

ここには、「左」と書かれた看板もある。

水量が少なくなると、沢登りというより、

ロッククライミングのようになってくる。

沢がすっかりかれてくるころ、

二俣に分かれているところが見えてくる。

 

(古いわらじが目印にある)

ここを左にすすむと、三ノ塔尾根に出られる。

この二俣を右に進んでもいいが、

先にあるガレ場にとても難儀するので、

ここで、沢を離れることにする。

(2006年、この先のガレ場→)

(落石を起こす、危険なガレ場だ)

左に進むと、崖に沿って踏み跡が見える。

テーピングもありすぐ分かる。

岩が露出して、木の根もたくさんあるルートなので、

難なく登れる。

崖の上はヤブっぽいところを通り、

植林地帯を抜けると、三ノ塔尾根に出る。

ここから三ノ塔までは、登山道を行く。

こうして三ノ塔に到着。

下山は、二ノ塔尾根を使う。

 

あとがき

・昨年までは、アンヌ隊員が滝を越えられるかどうかが、とても心配だったが

 今年になって始めたボルダリングの訓練のおかげで、2人の登攀技術は、ほぼ同等になった。

 岩から体を離して登ること、手を先に出すのでなく、足を上げること。

 こういった基本動作が、多少身についたようだ。

 

・三ノ塔で足についていた蛭ヒール星人を発見。思わず、おおヒルだ、と叫んだら

 周辺にいた人々がたくさん集まってきた。「ヒルってどれ?」「ミミズみたいみたいだな」

 「近寄るな、刺されるぞ」と反応はさまざま。「ヒルを表尾根に持ち込むな」などという

 声も聞こえた。(そこまで過剰反応しなくても…)

 

・沢シューズに靴下を履く方法を試した探検家から、掲示板に書き込みがあった。

 ここにその文章を引用する。書き込みをしてくれた yamajinnさんに感謝だ。

 

 「愛用のスニーカータイプのウォーキングシューズに軍足を履いて(沢を)歩くと、フリクションがよく利いて、

  スリップすることもありませんでした。最高の沢用靴下です。使用後、接地面に数カ所、穴が開いていており、

  耐久性がないので、1回限りの使い捨てかもしれません」

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