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鍋嵐山のベテランコースを進め。

土山峠 〜 鍋嵐山 〜 三叉路 〜 仏果山登山道入口

2010年4月10日(土)、天気:晴れ、曇り

行動時間 8:50〜17:10( 8h 40min)

探検メンバー : キリヤマ隊長、アンヌ隊員

 

この日我が隊は、鍋嵐山を目指して登山道のない尾根を進んだ。

そして、鍋嵐山からの下山には、前回の探検で転進を余儀なくされた

尾根を下る。

 

いくぞ、マイナールート探検隊。

道がないぞ。計画を変更せよ

マイナー探検1号を、仏果山の登山道入口にある駐車場に止める。

ここから、自転車で土山峠まで向かう。(08:50)

県道を土山峠方面に進む。

宮ヶ瀬湖の対岸には、これから向かう尾根が見えている。

10分ほどで、土山峠に到着。

土山峠のゲートを越えて、

湖畔の道路を進む。

この道には、立ち入り禁止カンバンがいくつかある。

どこに通じる道なのか。むむ、そそられる。

こういったカンバンは、探検家のエサだ。

しばらく進むと、道路が寸断されている。あれ?おかしいな。

地図を見ると、この先にもちゃんと道路がある。

崩れたのかな。

あらためてよく見る。

なんと、古い地図には計画中の道路として記載があるが、

新しい地図には、道路がなくなっている。

しまった。ちゃんと調べてからくるべきだった。

計画通りに行かないのも、探検の醍醐味だ。

計画を立て直すことにしよう。

ここから617 m を目指し、そして鍋嵐山に向かうことにする。

まずは 617 m を目指す。

いくぞ、マイナールート探検隊。

(09:20)

 

(国土通行省、国土地理院の地図に加筆)

しばらくは、明瞭な管理道を進む。

管理道は、複数に枝分かれしている。

本線はどこか。慎重に見極めながら進む。

どうやら管理道は尾根を大きく巻いて、

違う方向に進んでいるようだ。

したがって、我々は管理道を無視して、

尾根を目指すことにする。

尾根まで登ってみると、

そこは、はっきりとした稜線が続いている。

宮ヶ瀬湖が遠くまで見渡せるところまで

登ってきた。

双眼鏡で見ると、

マイナー探検1号が見える。

自分の車が見えると、なんだかとっても得した気分だ。

尾根には道はないが、なんとなく道があるような感じがする。

やがて目の前に 617 m 峰が見えてくる。

ここでおにぎりの補給をとる。(10:00)

現在地とこれから進む地形を確認する。

(国土通行省、国土地理院の地図に加筆→)

うーむ、想像したより地形が複雑だ。

立ち木に隠れて周囲を見渡すことができないので、

地形図だけが頼りになるだろう。

アンヌ隊員に、これから進む尾根を説明する。

「あれが 617 m の峰だから」

「ねぇ、おにぎりが、さくらモチの香りだよ」

「このあと、右にカーブするように進んで」

「春季限定ですって、買ってよかったぁ」

「… 」

今日もアンヌ隊員は、おにぎりを食べに山に来たのだろう。

次のおにぎりの場所も決めてあるにちがいない。

 

こうして、617 m の峰に向かって進み始める。

ちょっとしたピークを右折して、617 m の峰に向かう尾根に進む。

左に植林地帯が広がっている尾根道を登っていくと、

617 m 峰の頂上に到着。(10:30)

おお、この木はあの有名なコシカケではないか。

さっそく座りごごちを確認。

高さ、幅、そして硬さ。なかなかいい感じだ。

座るところが、少しはげている。

皆が座るから、はげたのだろうか。

それでは、キリヤマもくつろいでみる。

荒れたヤセ尾根を進め

さて、続いて鍋嵐山に向かう稜線を行く。

しばらく進むと、

小さなアップダウンを何度も繰り返すようになる。

立ち木や岩がたびたび稜線をふさぐ。

さらに、木の根が稜線を覆って、滑りやすくなっているところもある。

マイナールートには、こういったプチ危険なところがよくある。

慎重に進む。

この尾根にもモミの巨木がたくさんある。

標高が低い里山には、モミの巨木が多い。

やがてシカ柵が現れる

そのシカ柵が倒れているところがあり、

テーピングがある。

シカ柵の右側の先は、ヤブになっており、

このまま進むのではなさそうだ。

シカ柵を越えるべきだろうか。

左側のほうがすっきりしている。

こっちを進んでみよう。

しかし、すぐにシカ柵に遮られて進めなくなる。

ハシゴがあるので、これを利用してシカ柵の右側に行こう。

ちょっと高度感があるハシゴだ。

アンヌ隊員は、大丈夫か。

無事、シカ柵を越える。

(ピースせんでもええ!)

その先も、小さなアップダウンがある。

そして、木の根だらけの危険な上り下りを繰り返す。

細い尾根道がしばらく続くと

広くなっているところに出る。

鉄の棒が立っている。なぜか、きちんと並んでいる。

わざわざ測量して、きちんと並べなければ

こんなに等間隔にならないはず。

何のためだろうか。

最後に、ひとしきり登ると

前回の探検で歩いた、稜線に出合う。

(国土通行省、国土地理院の地図に加筆)

よし、まずは第一目標に到着だ。(12:15)

 

 

ここから鍋嵐山までは、前回の探検で通った道を進む。

途中で、昼食をとり

さらに進む。

おや、モミの大木が折れている。

ダイナミックな折れ方だ。

前回来たときは何ともなかった。

黒く焦げてはいないので、雷ではなさそうだ。

まだ折れたばかりらしく、

ヒノキ風呂のような香りがする。

もう一度挑戦だ。宮ヶ瀬湖まで下れ。

こうして、鍋嵐山の山頂に到着。(13:10)

ここから、宮ヶ瀬湖まで下っていく。

前回の探検では、ここに雪があり

とても苦労した。

探険家の間で、Jピークと呼ばれて

いるピークに到着。前回の探検では、

この先に進むのを断念した。

地形が地図と一致せず、

現在地を見失ったと思った。

しかし、今回はここを下る。

(国土通行省、国土地理院の地図に加筆)

まずは、鞍部に下る。

この鞍部が、地形図にないのだ。

あまり高低差がないので、

等高線がないのだろうか。

(けっこう下って登るのだけど)

そして、鞍部を登り返してピークに立つ。

そのあとは、ヤセ尾根を下っていく。

丹沢のガイドブックで有名な、

「ヤマケイ・アルペンガイド丹沢」(山と渓谷社)には

このコースが紹介されている。

ガイドブックには、「北へのびる尾根を忠実に下る」とある。

地形図と比べながら、忠実に尾根を下っていくことにする。

左側が崖になっているところだ。

写真では分かりづらいが、バッサリと切れている。

ためしに石を転がしてみると、はるか下まで落ちていった。

もしこんなところで滑落したら、まったく無抵抗のまま、

落ちていくだろう。

そういえば、宮ヶ瀬付近は、

クマの出没情報が多数あるという。

今日も我が隊のテーマソングを歌いながら

元気よく進む。

木の根が邪魔をして、とても下りにくい。

これは危険な状態だ。こんなとき、

プロレスラーにブレーンバスターの技を決められたら

ひとたまりもない。

それにしても、ずいぶん下ってきたのに

道らしきものは、まったく見当たらない。

このまま下っていいのだろうか。

もしかしたら、どこかで尾根をはずして

とんでもないところを歩いているのかもしれない。

うーむ、ここは疑問を持ちながら慎重に行きたい。

「アンヌ。疑うことが進歩の始まりだ」

「キリヤマ隊長を疑うのも進歩ですか」

「…」

確かにわたしの道迷いは、ベテランの域に達しているが、

それにしても、おかしい。

やがてシカ柵に出合う。

シカ柵の左側を進んでいく。

そして、左が植林地帯になってくる。

ガイドブックによれば、

「植林地帯の管理道を見つけて下る」

とある。よし、どうやら尾根を

はずしていないようだ。しかし、

いつまでたっても管理道は見つからない。

 

思い切って斜面を下ってみたいが、

宮ヶ瀬湖にボッチャンしそうで…。

だいぶ下ってきた。

この下にはきっと、湖畔の道路があるはずだ。

そろそろ斜面を下ってもいいだろう。

よし、上手い具合に道路に出たぞ。

正確に言うと、道路の上、コンクリートの壁の上に出た。

うーむ、これでは降りられない。

道路脇の斜面は、コンクリートで固められているのが普通だ。

もう少し考えるべきだった。

死にもの狂いで下れば、どうにかなるかもしれないが

この場合は本当に死ぬかもしれない。

もう一度、尾根に戻るか。

それでも、コンクリートの切れ目を見つけて、

どうにか道路に下ることができた。

よかった、よかった。(14:50)

コンクリートの壁がどこまでも続く道だ。

上手く降りられたのは奇跡だ。

あとは、県道を歩いていく。

まずは、三叉路に向かう。

対岸から、今日下ってきた尾根を見渡す。

この尾根は、探検家の間で「ゴジラの背尾根」と呼ばれている。

アップダウンが多く、ゴツゴツした感じに見えるからだろう。

1時間20分ほどの県道歩きで、

マイナー探検1号に戻ってくる。

そして、車を土山峠に移動。自転車を回収した。(17:15)

 

 

 

あとがき

・鍋嵐山は、荒々しい尾根が魅力だ。多くの探検家が、あらゆるルートをチャレンジしている。

 我が隊も、別なルートでまた挑戦したい。

・土山峠にある登山届ボックスには、ヒルの忌避剤が置いてある。

 わたしはこれを、ハイカーがヒルの被害にあわないよう、サービスで置いてあるもの、

 そう思っていた。しかし、実は違うことを知った。

  これは、ハイカーがヒルを里に持ってきてしまうのを防ぐためのものだ。

 この付近の住民は、ハイカーによって里に持ち込まれるヒルにとても困っている

 らしい。

  探検家の皆さんも、ぜひこの忌避剤を使ってほしい。そして、うっかりヒルを

 里に持ってきてしまったときは、必ずコニャロメタイムを実施してほしい。

 

 

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