探検リストに戻る

 

転進で事故を避けよ、ミツバ岳探検だ

滝壷橋 〜 ミツバ岳 〜 世附権現山 〜 浅瀬

2010年3月22日(月)、天気:晴れ

行動時間 8:50〜14:00( 4h 50min)

探検メンバー : キリヤマ隊長、アンヌ隊員

 

我が隊は、神奈川100山の探検隊 - maychoi隊との合流を果たす。

この日、合流した2つの部隊が向かうのは、ミツバ岳。

ミツマタが満開を迎えているこの時期、うるわしき香りを感じながら

ミツバ岳を探検する。

いくぞ、マイナールート探検隊。


満開のミツマタを調査せよ

丹沢湖畔、世附付近にある駐車場にマイナー探検1号を止める。(08:50)

ミツマタの満開を迎えた今日は、駐車場が満杯だ。

県道を滝壷橋まで歩く。

滝壷橋を越えたところに登山道入口がある。

ここから今日の探検が始まる。(09:00)

地図には道がないが、

はっきりとした踏みあとがある。

森の中をつづら折の坂が続いている。

登山道から外れたところに、「立ち入り禁止」と書かれた、

探検家を歓迎する看板がある。

どこに行く道なのか、とても気になるが、

まぁ、今日は素直に本線を歩こう。

振り返ると、植林の合間をたくさんの人が登ってくるのが見える。

ミツマタが満開のこの時期は、ミツバ岳に登る人が多い時期でもある。

ここで先行する婦人と男の子が、めいちょい隊の2人であることに気がついた。

めいちょい隊は、神奈川100山の登頂を目指して、

親子で探検を続けている。

その心意気にとても感心したわたしは、ぜひ一度お会いしたいと

思っていたので、このたびの邂逅かいこうはとても嬉しかった。

 

めいちょい隊がミツマタの満開にあわせて

ミツバ岳に登ることを、先日メールで知らせてくれた。

もしかしたらお会いできるかもしれない、そう思ってここに来たのだ。

 

最初に婦人から「失礼ですが、キリヤマ隊長ですか」と

声をかけてくれた。わたしがだれなのか、よくわかったなぁと思う。

やはり、わたしがベッカムに似ているからだろう。

 

このあと、めいちょい隊と共に進んでいく。

ミツバ岳に向かう、勇気あるふたつの部隊だ。

 

そして、登山道入口から約30分、

最初のミツマタに出会う。(09:36)

やがて登山道は、なだらかな道になり、

周囲が広々とした雑木林になる。

ミツバ岳の登山道は、道迷いする人が多いと聞く。

おそらく下ってくるときに、このあたりで道をはずすのだろう。

周囲の木々には、テーピングがしてある。

テーピングが多すぎて、かえって分かりづらいほどだ。

ここまで大きな木があまりなかったが

シカ柵の向こう側に、巨木を見つけた。

さしずめ、ミツバ岳のシンボルツリーだろう。

頂上に近づいてくると、いよいよミツマタの群生が

見えてくる。

満開のミツマタは芳醇な香りを放つ。

鼻孔をくすぐるコクのある香りだ。

(ちょっとオーバーかな。これでは、ワインの味わいにあるような表現だ)

ミツバ岳の山頂は、あたり一面全部ミツマタ…、

というのを想像していたが、実際にはそれほど多くはない。

シカ柵をくぐったところに、

ミツマタと富士山、大スターの共演スポットがある。

まっ青に広がる大空。両翼を広げた富士。

そして、ミツマタの黄色。

惹きつけられるようなコントラストだ。

ここにはたくさんの人が集まってくる。

みんな、写真撮影に余念がない。

めいちょい隊の隊長、H君の写真を撮りたかったのだが、

なかなか撮らせてもらえない。恥かしがっているのかな。

もしかして、わたしがあまりに紳士的なので、緊張しているのかもしれない。

(ただ単にヒゲのおじさんがこわいのかもしれない)

同じ探検隊の隊長として、ぜひH君とは仲良くなりたい。

しかし、なかなか仲良くなれないまま、

山頂を後に、権現山へ進む。

しばらく進むとアンヌ隊員が、おなかが減って動けないという。

すると、めいちょい隊の婦人は、

「ホームページに書かれているのは本当だったんですね」

としきりに感心する。

(うーん、恥かしい…)

しかし、アンヌ隊員はまったく恥かしいそぶりを見せず、

「早く食べよう」などといい始める。

しかたがない。めいちょい隊には先に行ってもらい、

ミツマタの元で、おにぎりタイムにしよう。

よし、次のターゲット、権現山に向かうぞ。

めいちょい隊に追いつけ。

今日は、探検隊パーティがたくさん歩いているので、

先行の探検隊に追いついてしまう。

探検隊の後方援護「しんがり」を務めるアンヌ隊員。

(ピースせんでもええ)

 

ミツバ岳から権現山の登山道は、そんなに急坂ではない。

やがて、権現山の山頂が見えてくる。

権現山の山頂もたくさんの人がいる。

ここでまた、めいちょい隊と合流。

めいちょい隊の目指す神奈川100山の登頂は、

今日で95達成だという。

ここで、めいちょい隊の隊長、H君からアメをもらう。

よかった。やっと仲良くなってもらえた。

この先も共に行動をして、親睦を深めたい。

しかし、めいちょい隊はこれから屏風岩山に向かうらしい。

残念だがここでお別れだ。

勇者2人の背中を見送りながら、彼らの100山達成を祈った。

 

権現山の管理道を探検だ

さて、我が隊は山頂より浅瀬まで進む。

権現山の頂上から少し西に行ったところに、

老木の根と祠がある。ここにはかつて立派な大木があり、

それを祭っていた祠だろう。今は根だけが残った老木が

その名残を示している。

普段はそんなに人気のない権現山も

ミツマタが満開の時期はたくさんの人が登ってくる。

 

ビニールシートの上に靴を脱いで円座になっているパーティもある。

まるで、上野公園の花見のようだ。

我が隊は、山頂から少し下った、

ミツバ岳のよく見えるところでお昼にする。

 

お昼を食べていると、そばを通りかかった探検隊が

「こんにちは」の挨拶をしてくれる。

今日は、なんだかいつもより挨拶をしてくれる人が多い。

山で交わす「こんにちは」の挨拶。

この言葉の中には、「とても気持ちがいいですね」

「お互い楽しみましょうね」「キリヤマは紳士ですね」

といった気持ちが含まれていると思う。

(少なくとも、わたしは含んでいる)

この日は、たくさんの人と挨拶ができて、

とても幸せな気持ちになれた。

こうして、急な坂道を下っていく。
やがて岩がむき出しになったところになる。
最初のピークに到着する。
しばらくは明瞭な尾根道を進んでいく。

この尾根にも、ミツマタが少しある。

さらに、椿の花がたくさん咲いている。

こういった花に出会えるのも、低山の魅力だろう。

やがて植林地帯を抜けると、

661mピークに到着する。

この付近に東京電力の管理道があるのは

前回ここに来たときに調査済みだ。

今日は、この管理道を探検する。

管理道は、植林地帯の境を少し下ったところにある。

またしても転進。男をあげろ、キリヤマ

しばらく斜面を横切るように進んでいくと、

丸太の階段が現れて、

道がはっきりしてくる。

ここから先は、丸太でふちどられた道になる。

やがて道はT路地になる。

左は登山道に向かう道だ。

ここから右に進む。

斜面を横切る道をどんどん進んでいく。

この先はいったいどこに出るのだろうか。

わくわくしながら進んでいくと、

やがて何もないただの広い場所に出た。

ここで道はぷっつりとなくなっている。

ただ斜面が広がるだけだ。

少し下ってみると、埋もれた階段を見つけた。

よし、ここを行ってみよう。

しかし、すぐに道はなくなっている。

このまま急な斜面を下ってみようか。

今日はロープも持っている。

問題なく下れるはずだ。

そしてしばらく、下ってみる。

周囲をくまなく探すが、道は見つからない。

ブルーのテーピングがある。

しかし、このテーピングの意味がわからない。

斜面を下った先は、きっと県道脇の壁の上だ。

上手く階段を見つけられなければ、

県道に降り立つことができない。

(下った先、県道の壁)

ここで、このまま下るのは危険と判断。

本日の探検は、転進(撤退)を決心する。

さんざん下ってきた道を登り返すのは、

肉体的にも精神的にも苦痛だ。この、苦痛を我慢すること、

最近わたしは、これも登山技術の一つだと考えている。

この技術は、やがてアルプスなどの山を登るときに

役立つはずだ。今いるこの斜面も無理に下ってしまえば、

やがては県道に出ることが分かっている。

しかし、今日は転進する「クセ」をつけるつもりで、あえて登り返した。

 

むむ、今日のわたしはなんだか

とってもカッコいい。

きっと男っぷりも上がったはずだ。

こうして管理道から元の登山道に戻ってくる。

しばらく下ると、登山道は管理道と交差している。

管理道に迷い込まないように道しるべがある。

この管理道は、谷間に向かって進んでいるので、

行かないほうがよさそうだ。

この道しるべの先は、

植林地帯の560mピークに向かわずに左折する。

前回来たときは、ここを直進してしまった。

迷いやすいポイントだろう。

この赤いペイントも見つけにくい。

登山道を少し下ったところに

東京電力の施設がある。

昔の鉄人ロボットみたいなアナログチックな施設だ。

「この機械は急に動くことがあります。

危険ですので、柵の中に入らないでください。」

おお、動くのか。

サンダーバー○の秘密基地みたいだ。

東京電力の施設を後に

さらに下っていく。

シカ柵を何度か越えて、しばらく下っていくと

やがて永歳橋が見えてくる。

(13:44)

県道に出て、落合随道を進む。
あとは県道をてくてく歩いて、

マイナー探検1号に到着。(14:05)

今日も充実した探検だった。

 

あとがき

ミツマタはミツバ岳より、屏風岩山のほうがたくさんある。そういえば、ツツジも

ツツジ新道より石棚山稜のほうがたくさんある。時と共に、自然は移りゆくものなのだろう。

ミツバ岳では、ミツバを見なかった。もしかしたら、昔はミツバの群生があったのかもしれない。

 

探検リストに戻る

このページのTOPへ