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アンヌ隊員の沢登りデビュー

葛葉ノ泉 〜 葛葉川 〜 三ノ塔 〜 葛葉ノ泉

2009年9月5日(土)、天気:晴れ

行動時間 7:20〜12:40( 5h 20min )

探検メンバー : キリヤマ隊長、アンヌ隊員

 

「もっとすごいところに行きたいわ」

最近、探検がマンネリしてきているというアンヌ隊員。

よし、それなら沢登りに挑戦だ。

こうして、我が隊は、沢に向かった。

目指すは、葛葉川。まずはここを乗り越える。

沢登り初体験のアンヌ隊員は、無事山頂にたどり着けるのか。

アンヌ隊員、意外にも…

葛葉ノ泉の駐車場にマイナー探検1号を駐車する。

沢のシーズンが終わりに近づいた今日は、他に車は止まっていない。

シーズン中はここが満車になるほど、葛葉川は人気がある。

わたしも初めての沢登りは、ここ葛葉川だった。

今回で3度目の葛葉川。

おおよその難易度は分かっているつもりだ。

 

沢に入る前に、入念なストレッチを行う。

この日のために購入した、

沢用のシューズとスパッツの準備をする。

 

これが我が隊の装備品だ。

ヘルメット:

 沢のヘルメットは1つしかないので、自転車のヘルメットで代用。

スリング、カラビナ、エイト環:

 練習はしているが、実践で使ったことはない。どうしても登れないとき、

 沢を下るためのエスケープ用。

ドライバー:

 今日の沢で使うことはなさそうだが、ツメで尾根に上がるときに使う。

ロープ:

 10mのお助けロープ(写真撮るのを忘れた)

アンヌ隊員、生まれて初めてヘルメットを被る。

なぜかここで、ファッションショー。

さぁ、いよいよ沢にはいるぞ。(07:20)

堰堤をこえるために、しばらく沢沿いの道を進む。

そして沢に入り、流れの中を大胆に歩いていく。

さぁ、いよいよアンヌ隊員の初クライミングだ。

初めてにしては、なかなか調子がいい。

小さな滝を次々に越えていく。

アンヌ隊員、沢登り初体験に感動。

「すごい、この靴ぜんぜん滑らない」

「水が気持ちいい」

軽やかな足取りで、どんどん滝を越える。

もっと怖がるかと思っていたが、意外にもへーちゃらだ。

今度の滝は、少し高いぞ。

なんのなんの。

葛葉川の滝はホールドが多いので、

楽に登れる。

さらに進むと、

3m の滝だ。

ここは、流れの右側を登る。

さらに進んで、3mほどの滝を越えた先に、

F1 - 5m だ。

この滝はホールドがほとんどない。直登りは無理だ。

ガイドブックによると、ここ F1 は巻き道を行くのが

普通らしい。

巻き道は右にある。

沢のシューズなら、巻き道もすべりにくい。

そして、F2 - 7m 、横向ノ滝。

そしてその先も、小さな滝をたくさん越えていく。

アンヌ隊員、ベテランの沢屋のように

すいすい登っていく。

葛葉川は、滝が連続して、

あきさせない。

そして、F3 - 7m 。

この滝は、少し斜めでホールドも多い。

高度感はあるが、安全に登れる。

アンヌ隊員は流れの左側を、

わたしは流れの真ん中をシャワークライミングした。

 

F3を無事クリアー。
F4 - 5m も難なくクリアー。

次の滝は、アンヌ隊員が先行だ。

クリアー

(バンザイピースせんでええ)

次は F5 板立ノ滝- 8m

ここは暗くて撮影できなかった。

右から大きく巻く。

巻き道には、踏み跡がついている。

この沢の人気がうかがえる。

これはサバイバルだ

この辺りまで来ると、身体の感覚が

日常生活モードからサバイバルモードに変わってくる。

まるでスイッチが切り替わるような感じだ。

脳の中に特別な物質がでてくるのだろうか。

(アドレナリンというやつかな)

日常では決して感じることがない、研ぎ澄まされた感覚だ。

 

これは獲物をとらえる、身を守るといった

自然の中で生きていくために必要な緊張感なのだろう。

そんなことを考えているとき

アンヌ隊員、「おなかが減ったわ」。

緊張感まったくなし、おにぎりコールだ。

 

 

アンヌ隊員はどんなときでも

おなかがちゃんと減るらしい。

次の滝は、わたしは流れの中を、

アンヌ隊員は流れの左側を登る。

このあたりから、沢が明るくなってくる。

明るくなると、足取りがとても力強くなってくる。

太陽の光は人間に必要なものだと実感できる。

F6,3段の滝が見えてくると、

その上に林道が通っているのが見える。

本日は、ここで終わり。あとは林道を下る。

思ったより、早く着いたなぁ。

この橋を越えてから林道に上がる。

ところが、アンヌ隊員、

「物足りない、まだまだ登れるわ」

うーん、どうしようか。

この先に大きな滝があるんだよなぁ。

アンヌ隊員に越えられるかなぁ。

それを説明をすると

「大丈夫、大丈夫、何とかなるよ」

と、気楽に言う。

まぁ、ダメだったら巻き道を探そう。

さらに滝をいくつも越えていく。

沢の水を浴びながら登っていくのが

夏の醍醐味だ。

水がとても冷たいので、手の指先はちょっとつらい。

足は、沢用のシューズで守られているので冷たくない。

いくら夏でも、沢用の手袋がほしいとこだ。

このあたりまで来ると、

アンヌ隊員もすっかり沢に慣れてくる。

初めての沢登りをとても楽しんでいるようだ。

滝の上に岩を抱えたCS(チョックストーン)だ。

アンヌ隊員は左の巻き道を行くことに。

わたしは、豪快に流れの中を登る。

今日は、カッコいいところをたくさん見せることができた。

 

よし、

これで、隊長への信頼度もアップしただろう。

最後の難関、富士形の滝を克服せよ

上流に進むにしたがって

ますます明るくなってくる。

さらに調子よく登っていくと、

F7 - 8m 。

富士形の滝。難易度の高い滝だ。

この滝は2段になっており、まず左から一段目の上に登り

流れを横切って右から2段目を登る。

せっかくだから巻かずに登ろうということになった。

だが、これがいけなかった。

 

わたしは1段、2段を難なくクリアー。

登ってくるアンヌ隊員に上から指導をする。

 

ところがアンヌ隊員は2段目の壁にとりついたところで、

行き詰まってしまう。登ることも降りることもできず、

壁にへばりついてしまうアンヌ隊員。

お助けロープを出してやっても、どうにもならない。

 

「どうしたらいいのぉぉ」

よし、またカッコいいところを見せられるチャンスだ。

巻き道を下りて、アンヌ隊員の真下に行き、直接指導しよう。

さらに信頼アップ間違いなし。待ってろよ。

 

と、その時、アンヌ隊員はスイスイ登ってくるではないか。

あれ?どうして…。隊長の信頼はどうなってしまうのだ。

どうやら岩の間に残留ハーケンがあったらしい。

それを足場に難なくクリアー。得意になっているアンヌ隊員。

さらには、

「隊長の言うとおりに登ったら詰まった」

「隊長の言うことは信じられない」

などと言い始める。

アンヌ隊員の実力はアップしたが、

キリヤマ隊長への信頼はダウンしてしまった。

しばらく進むと、

沢は二股に分かれている。

左の沢へ行け、と言っているのだろう。

葛葉川は最後まで詰めてしまうと、

ゴーロ歩きになって苦労する。

そろそろ左の尾根に向かわなければならない。

水流は少なくなっても小さな滝が続く。

滝があると沢から離れるのが、なんだかもったいない。

2006年に登ったときは、沢を最後までつめた。

しかし、頂上直下のゴーロで落石をたくさん起こし、

とても危険だった。

今回は早めに尾根に取り付きたい。

たしか、そろそろ左の尾根に向かうはずだが…。

古いわらじと、テーピングがある。これだ。

ここから尾根に向かう道があるはずだ。

よしよし、テープの後ろに踏み跡がある。

踏み跡にしたがって崖を登ると、

やがて明確な尾根道になる。

ここまでくれば、いつもの探検と同じだ。

どんどん登っていく。

そして、三ノ塔尾根に到達。

あとは登山道をハイキングだ。

沢を登ってきた後の丸太の階段は疲れる…。

ゴールの三ノ塔。(10:44)

沢に入ってから3時間20分ほどだった。

 

感想

・このあと二ノ塔尾根を使って下山。ヘルメットをかぶっているので、すれ違う人が

 「沢登りですか、すごいですね」「どこの沢ですか」と話しかてくる。

 なんとなく、得意顔のアンヌ隊員。(そんなことはない、と本人はいっているけど)

・下山中に蛭ヒール星人の襲来を受けた。厚手の靴下をものともしない生命力は本当にすごい。

 しかし、その力も間もなく来る秋と共に衰えるだろう。

 こうして蛭ヒール星人の通年にわたる丹沢征服は、今年も未然に終るのだ。

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