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八ヶ岳、権現岳に日帰りで登頂せよ

天女山 〜 前三ツ頭 〜 三ツ頭 〜 権現岳(往復)

2009年8月2日(日)、天気:曇り、雨

行動時間 6:40〜16:20( 9h 40min )

探検メンバー : キリヤマ隊長、アンヌ隊員

 

今回は八ヶ岳権現岳へ、日帰り登頂をここみる。マイナールート探検隊の

県外遠征だ。森林限界を超え、岩だらけの登山道を果敢に進むキリヤマ、

アンヌ。そしてついに標高2715mの山頂に立った。すごいぞ。

 ところが突然、激しい頭痛に襲われるキリヤマ。高山病だ。あわてて

下山を開始するが、そこでなんとヒザ痛が再発。生命の危機を目の前に

キリヤマはいかに立ち向かうのか。

三ツ頭まで進むぞ
天女山の駐車場にマイナー探検1号を止め、

登山口に向かう。(06:43)

登山口は駐車場内にある。

ここから今日の探検が始まる。

登り始めてしばらくは丸太の階段があるが、

すぐになだらかな登山道になる。

登山口から約10分、天の河原に到着。

ここまでは観光の人も来るハイキングコースだ。

まだまだ、たっくさん登る。

早くも補給食をとるアンヌ隊員。

今日もたくさん食べるつもりだ。

カラマツやモミの木の樹林地帯を進む。
足元にはカラマツの幼木。

こんなに小さくても、いっちょ前に松の葉が生えている。

この辺りは、すでに標高1500m以上の高地だ。

木、風、土、すべてものが高地のそれとなっている。

道がはっきりしないところは、

登山道に沿って置き石が並んでいる。

これなら迷わずに進める。

標高1800mを示す石碑が立っている。

このあと100mごとに、この石碑が立っている。

衣服を整えるために止まると、

ついでに補給をとるアンヌ隊員。

なぜか、足元をきょろきょろしている。

「山ヒル、いないかしら」

「いないよ、標高が高いところには山ヒルはいないんだ」

「 " 高山ビル " がいるかもしれないじゃない」

「そんなものいないよ」

「誰も知らないだけで、いるかもしれないじゃない」

うーん、そう言われてしまうと否定しきれないなぁ。

歩く金魚がいるかもしれない!

といわれて否定しきれないのと似ている。

 

標高2000mを示す看板が立っている。

所々に看板が立っているが、

どれも古いものらしく倒れ掛かっているものが多い。

 
このあたりのこう配は、丹沢でいうと

大倉尾根の花立付近に似ている。

しかし、ここには丸太の階段はない。

 
さらに急な坂道になってくる。

檜洞丸のツツジ新道くらいのこう配か。

話しかけてくるような道しるべがある。

webでこの登山道を検索するとよく出てくる

有名な道しるべだ。

すでに500m以上の標高を登ってきた。

適度に汗をかいて、風が心地よい。

よし、調子が出てきたぞ。

行くぞ!

太古の昔、噴火によってできた八ヶ岳は、溶岩の山だ。

足元にある石も丹沢の花崗岩とは違い、溶岩の岩がたくさんある。

標高2200mを通過する。
よし、がんばるぞ。
稜線が見えてくる。

もう少しで、前三ツ頭だ。

 
前三ツ頭に到着。(08:57)

登山道入り口から2時間10分ほどだ。

このあたりから雨が降ってくる。

広い稜線は風が強く、

雨が横から降ってくる。

ここはレインウェアに守ってもらう。

ゴアテックス大明神、お願いします。

「右によれ」と岩に書いてある指示にしたがって進む。
さらに高度を上げていくと、岩が多くなってくる。
背の高い樹木は姿を消し、

いかにも高山らしくなってくる。

観音平への分岐を通過。
観音平に向かう尾根は見えない。

雲が尾根を越えていく。

わずかに見える木々が、雲の合間に光っているように見える。

三ツ頭の山頂に近付くと、

いよいよ樹木がなくなって、ハイマツ帯になってくる。

三ツ頭の山頂に到着。(09:42)

登山道入り口から3時間だ。

ここで補給のおにぎりタイムをとる。

食べ終わって、記念撮影。
ああ、壊した。
建て直して、もう一枚。
まだ食べているアンヌ隊員。
いよいよ権現岳だ
川の流れのように雲が過ぎ去ってゆく。

雲の流れの中に、権現岳がその姿を見せている。

いよいよ近づいてきた。

いったん下って鞍部を過ぎる。

ここから権現岳への登りが始まる。

左方向には、編笠山が見えている。

雲が切れたときだけ見える。ありがたい一瞬だ。

ハイマツが生える岩場を登っていく。
時折、雨が激しく降ってくる。

雨にぬれた岩場はとても滑りやすく、

緊張しながら登っていく。

この先はどんな難所があるのか。

丹沢で学んだ登山技術がきっと役に立つだろう。

よし、行くぞ。

いったん穏やかな稜線を越えると、
岩壁だ。沢を巻くときに登るような壁だ。

クサリが設置されていないので、慎重に登る。

幸い、表面がトゲトゲしている岩なので、

足を掛けるところがあり、難なく登れる。

よし、調子いいぞ。

ところが、このあたりから息が苦しくなってくる。

アンヌ隊員も同じらしい。

足の筋肉はぜんぜん疲れていないのに、

いったいどうしたのだろう。

どうやら酸素不足のようだ。

ここは標高が高いので、空気が薄いらしい。

ちょっと登ると、すぐに心臓がパンパンに

なってしまう。たびたび立ち止まっては、

呼吸を整えて進む。

おっと、行き止まりか。

おかしいな、道を間違えたかな。

いや、ちがう。この岩壁を登っていくのだ。

ロープも無ければクサリも無い。

さすがは八ヶ岳。難易度が高い。

そして、雨に濡れた滑りやすい岩壁をクリアーすると、

その先は、ほぼ垂直の壁が行く手をふさぐ。

うーん、こんなところは、丹沢なら間違いなく

ハシゴが設置されているだろう。

それでも、鎖が設置されている。ありがたい。
こんなところで滑落したら

探検記が今回で最終回になってしまう。

慎重に登る。

クサリ場の上も、岩壁が続く。

心臓が持たず、ゆっくりと登っていく。

ここで、頭が少し痛くなってくるが、

このときはすぐによくなるだろうと

あまり気にしなかった。

目の前に権現岳の頂上が見えてくる。

頂上にある大岩の横に人が立っている。

頂上直下の激しい坂を登っていく。
そして、ついに権現岳の山頂、

標高2715mに到着。

すごいぞ、マイナールート探検隊。

権現岳の本当の山頂は、大岩の上だ。

登山道から離れて大岩にチャレンジする。

ここから先はかなり危険なので、キリヤマ単独だ。

ロッククライミングよろしく、よじ登っていく。

もちろんクサリなどはない。

雨が降り続き、風も強く吹いている。

こうしてここにいるだけで、かなり怖い。

先に到着した探検家も、へっぴり腰になっている。

一番てっぺんには、権現岳の看板が立っている。

天候が良い日には、この脇に立って記念撮影もできるそうだ。

 
山頂を少し下ったところに権現小屋があり、

ここで昼食をとることにする。

小屋の中は意外にシンプルだ。休憩200円と書いてあるが、

小屋の主人が今日はいらないという。

ええ?、山小屋のサービスデーなんて聞いたこと無い。

申し訳ないので、ドリンクを購入する。

高山病を克服せよ
小屋を出ると、隣のギボシが見える。

昼食後、頭痛が激しくなってくる。そして吐き気がする。

これは高山病に違いない。

標高2500mを越えた探検は、今回が初めてなのだ。

高山病は高度をさげれば、たちどころに治るはずだ。

激しい雨の中、下山を開始する。

急な岩場を慎重に下っていく。
振り返ると、八ヶ岳の主峰、赤岳が見えてくる。

もう少しで全体が見えそうなのだが、

なかなか雲が切れない。アンヌ隊員いわく

「さすが赤岳。偉大だね」

偉大ねぇ…。

雄大といいたいのかなぁ。

権現岳も全体を見渡すことができない。

しばらく待ってみるが、雲はますます多くなってくる。

しかたない、あきらめよう。

恋人に会わないで帰るように、思いを残して立ち去る。

このあたりから、吐き気がひどくなってくる。

アンヌ隊員はなぜか平気だ。おにぎりパワーのおかげか。

とにかく、標高を下げなければならない。

しかし、なんとここでヒザ痛が再発する。

早く下りたいのに、こまった。

三つ頭を通過。

身づくろい程度で早々に立ち去る。

(もちろんアンヌ隊員はお菓子を食べた)

ヒザ痛も頭痛も、とにかく我慢するしかない。
しかし、この経験で男前がアップ 登山スキルがアップ

するに違いない。

 

前三ツ頭まで戻ってくる。

このあたりは先ほど通過したときは、

先が見えないほど霧が深かった。

今は目の前に雲がぽっかりと浮かんでいる。

前三ツ頭のピークで休憩。

アンヌ隊員は大福タイム。

しかし、わたしはまだ食べられない。

大福をほおばるアンヌ隊員の横で、

胃薬を飲む。

 
アンヌ隊員はどうして大丈夫なのか、不思議だ。

アンヌ隊員がベジタリアン(菜食)なのと、

何か関係があるのだろうか。

登ってきたときはそんなに長いとは感じなかったが、

下りは長く感じる。今日の行程の80%は下っているような

そんな感じだ。

白樺の大木だ。

枝の先の方には白樺の葉があるので、白樺だと分かる。

白樺というと真っ白な幹だが、

老木になると黒っぽくなるのだろうか。

 

薬が効いて吐き気がおさまってきた。

しかし、頭痛は相変わらずだ。

高度を下げると頭痛がよくなるかどうか試したかったが、

我慢できず、ここで頭痛薬を飲む。

しばらくすると、頭痛がよくなる。

さらに頭痛薬のおかげか、ヒザ痛も無くなった。

なんだ、もっと早く飲めばよかった。

隊長としての威厳をどうにか保ちつつ、

天の河原まで戻ってくる。

そして、マイナー探検1号を止めてある駐車場に到着。(16:13)

このあと権現岳への登頂を記念して、温泉へ向かった。

 

感想

・神奈川県の江ノ島のそばに住む我が隊は、つねに海抜ゼロメートル地帯にいる。

 標高2500mでの行動は厳しい。今後、高山病対策が求められる。

・高山病がなおったのは、標高を下げたからなのか、それとも薬が効いたからなのか、

 結局どちらか分からなかった。頭痛薬は鎮痛の作用があるが、ヒザ痛にも効くとは意外だった。

・山頂の権現小屋でカップラーメンの他、たくさん食べてしまった。これが消化不良をおこし、

 吐き気がしたのかもしれない。高山では、消化のいいものを食べたほうがいいのだろう。

・権現岳の登山道は、カラマツ、白樺といった高山の植物が多い。とても新鮮に感じられるが、

 標高が高いので、モミやブナといった巨木はない。今回の探検は丹沢の再発見にもなった。

・今回の山行は、前日に清里まで移動して民宿に泊まり、翌朝一番で登った。

 下山後はゆっくり温泉に入り、渋滞を避けるために20時くらいに清里を出た。

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