男には、見えない翼がある。地獄棚沢へ

2015年8月8日(土)

大滝橋 〜 地獄棚沢 〜 雷木沢ノ頭 〜 大滝橋

 

ヒルを嫌がって、西丹沢の沢ばかり

登っている。今回は、少し難易度が

高い地獄棚沢。

のんびりした沢登りが好きな

アンヌ隊員は、ちょっと嫌がっている。

しかし、私は登りたい。

男には見えない翼があるんだ!

 

よし、行くぞマイナールート探検隊!

ヤマレコに、GPS軌跡をアップしました

 

今日の探検は、大滝橋をスタートして

地獄沢のF1(地獄沢棚)から遡行する。

 

この滝は、右側から樹木を使って登る。

水流沿いでも登れる。

 

だが、ゲレンデクライマーの我が隊にとって

この滝は登攀対象にならない。

巻道は、少し下流にある右岸尾根から。

滝が高いので、大高巻きになる。

取り付きが急な尾根だが

お助け紐やドライバーなしで登れる。

すると、すぐに仕事道が見つかる。

そうだった。もう少し下流から

登れば仕事道があるんだった。

 

この仕事道は、一軒家避難小屋まで

続いている。数年前に探検したことがあるが

探検記に残さなかったので、

すっかり忘れていた。

 

しばらく登っていくと、アンヌが

「沢に下りる明瞭な尾根があるって

 Zさんのブログに書いてあったわ」

「いや、Web情報に頼ってはいかん!」

 

Web情報は、不明であやふやで

いかがわしく、私の探検記みたいだ

そんなものに身をゆだねるのは危険すぎる。

 

しばらく登ると、仕事道から分かれて、

明瞭な道が沢のほうに向かっている。

ハハーん。Webに書いてあったのは

これのことだな。

 

先ほどWeb情報に頼ってはいけないと

言った手前、おめおめと従うわけにはいかない。

 

私は「ちょっと様子を見てくる」と言って、

分岐を先に進むと、沢が下に見えてくる。

 

ここから懸垂で簡単に降りられそうだ。

アンヌのところに戻って、

「情報がなくても、ここから降りるはずだ」

といって、ごまかす。

 

意外に高い。

30メートルのロープで

2回に分けて懸垂下降になる。

地獄棚F1の落ち口の少し上流に

降り立つ。静かな流れだ。

地獄棚の荒々しさを、ここからは

感じさせない。

すぐにF2を登る。

これは、簡単に登れる。

次は、F3。

フリーで登るには、ちょっと危ないかな。

残置ハーケンがあるが

念のためにハーケンを出す。

 

私の登攀が終了して、続いてアンヌ隊員の

ビレイを準備しているとき、うっかり

ハーケンを落としてしまう。

 

滝の落ち口で急な動作は危険だ。

すぐにハーケンを拾うことができず、

流れの中に消えていくハーケンをただ見送る。

 

次はF4。

流れ沿いが登れそうだが、水量が多く

アンヌでは流されそうなので、

右側のカンテ沿いに登る。

 

ここには残置はなく、自分でハーケンを出す。

ところが、ハーケンを打つときに

失敗してはじかれ、落としてしまう。

 

ハーケンを打つときには、落とさないように

ハーケンには紐をつけてあるのだが、

その紐を持たずに打ってしまい

落としてしまった。

 

(←ハーケンを打つキリヤマ)

 

落としたハーケンは、クロモリのハーケンで

1本¥980、合計¥1960なり。トホホ…。

ハーケン代は授業料と考えよう。

いい勉強になった。

(おにぎりタイム)

さぁ、まだまだ行くぞ。

続いて、F5。

ハーケンを使わずにロープを引いて登る。

ルートは、水流の右側で落ち口付近の

水量が多く、少し難儀する。

滝の連続するところが終わり、

静かな沢になる。

分岐は左に進む。

(右に進むと、さらに滝がある)

きれいなナメ滝だ。

ようやくホッとする。

そして、最後の滝。

ここは簡単に登れる。

だんだん、沢が狭くなってくる。

そろそろ終わりかな。

おお、これは珍しい。

水鉄砲のように勢いよく水が出ている。

これは飲んでも大丈夫そうだ。

さっそく飲んでみる。

なんだかうまく飲めないな。

こうかな?

水流がなくなると、開けたところになる。

尾根には登らずに、まっすぐ

登っていく。

急なザレ場になり、

沢靴では登れなくなってくる。

 

ここで、チェーンスパイクを装着。

森の先に、稜線が見えてくる。

おそらく雷木沢の源頭部だろう。

アンヌは立ちはだかるザレ場に

身動きが取れなくなり、ロープで

脱出する。

尾根に出ると、シカ柵がある。

ここは、雷木沢ノ頭、北東尾根だ。

よし、これにて目的達成。

すごいぞ、マイナールート探検隊!

下山は、雷木沢ノ頭から大滝の

仕事道を使って。

 

楽しい探検だった。

 

あとがき

地獄棚沢は、落差の大きい滝が多い。登攀目的の沢といえるだろう。

高度があるので、できるだけ確実なビレイのもとで登ってほしい。

探検リストに戻る

このページのTOPへ