東丹沢で名を馳せたルート、栂立(ツガダチ)尾根へ

2014年11月3日(日)

(国土地理院地図に加筆)

早戸川橋 〜 タロベエ峰 〜 六百沢ノ頭 〜 栂立ノ頭 〜 

鐘沢ノ頭 〜 本間ノ頭 〜 金沢橋

 

秋も深まってきた。そろそろ東丹沢を探検できる季節だ。

 今回のターゲットは栂立(ツガダチ)尾根。この尾根のルートは

山と高原地図(昭文社)や国土地理院に記載がない。

(東丹沢詳細地図(吉備社)には、熟達者ルートとして記載がある)

 栂立尾根は、丹沢の探検家の間では名高いルート、いわば

クラシック・マイナールートだ。これは一度は歩いてみたい。

よし!行くぞ、マイナールート探検隊!

 

宮ヶ瀬湖のほとり、

早戸川橋付近にマイナー探検1号を駐車。(08:20)

ゲートを越え、早戸川橋を渡る。

橋を渡ると右側に柵がある。

湯沢橋を越え、林道を進む。

Webの情報では

このあたりに管理道の入り口があるはずだ。

 

だが、なかなか管理道が見つからない。

さらに先に進んでいくと、

あったあった。(08:40)

立派な入口だ。

よし、行くぞ。マイナールート探検隊!

まずは、タロベエ峰に向かい

そこから栂立(ツガタチ)尾根を進む。

階段から上には、明瞭な道がある。

道はつづら折りになっており、

やがて尾根道になる。

送電線の鉄塔に到着。

この道は、この鉄塔の管理道なのだろうか。

 

道はここで、右方向に曲がり、

さらに上に向かって踏み跡が続いている。

この付近は、暗くて湿ったところだ。

ここで、アンヌ隊員の足にヒルが取り付く。

すわ!大変だ。と思ったら、ヒルに元気がない。

いつもなら、どう猛によじ登ってくるヒルが

この日は、くねくねするだけ。

いったいオマエは何をしたいのか!

(11月ともなると気温が下がり、ヒルはシーズンオフだ)

タロベエ峰の山頂に到着。(09:15)

ヒルを避け、切り株の上に立って休憩。

山頂にあるハシゴを越えて

シカ柵の反対側に行く。

 

いよいよ、ここから栂立尾根だ。

シカ柵を右手に見ながら

進んでいくと、またハシゴを越える。

さらに植林地帯を登っていくと

またハシゴ。

さっきから、アンヌ隊員の元気がない。

ヒルに取りつかれたからだろう。

 

 「アンヌよ、元気ないな。よし、何か食べようか」

 「仕方ないなぁ、隊長がそういうなら食べましょうか

  私はおなか減っていないけど」

 

 ヌケヌケとまぁ…

おにぎりタイムをとって、再出発。

尾根沿いにツガが生えている。

うん!、さすがは栂立尾根。

ツガの本場だ。(ツガに本場があるのか!)

しかし、葉をよく見るとモミ。

ツガの本場はまだ先かな?

六百沢ノ頭の山頂に到着。(10:10)

倒木がシカ柵をなぎ倒している。

踏み跡は、山頂で右に曲がり

南西方向へ進む。

そして、シカ柵の反対側に行く。

なだらかだった尾根道が

急な登りになる。

大きな岩があるぞ。

こいつは左から巻く。

栂立ノ頭の山頂に到着。(10:50)

樹木に囲まれた、静かなピークだ。

ここには、大きな岩がある。

そして、尾根を示す杭。

ツガダチ尾根は、市の境界線と一致している。

境界線に沿って杭が立っており、いい目印になる。

植林地帯が終わり、原生林になる。

明るくさわやかな森の道だ。

 

だんだんとツガが多くなってくる。

この辺りは、ツガとモミの共存だ。

続いて、鐘沢ノ頭への登りが始まる。

周囲の樹木が美しくなってくる。

東丹沢でよく見かける自然環境だ。

この雰囲気は、天王寺尾根や弁天尾根、

本間ノ頭・南東尾根にそっくり。

とても美しい。

そして、たくさんの巨木。

 

この付近はツガが多い。

まさしく、栂立尾根だ。

幹が割れて中身が空っぽのブナ。

見上げると、枝にはちゃんと葉がある。

これでも立派に生きている。

 

太礼ノ頭、南東斜面にも中身がカラっぽのブナがあるが

この付近特有な現象だろうか。

こうして、鐘沢ノ頭に到着(12:10)。

さらに西に向かって登っていく。

ツガダチ尾根の名にふさわしいツガの巨木だ。

これは、すばらしい。

私の5本目お気に入り認定だ。

いつものように、ハグする。

このツガは、樹形が美しい。

見上げると、ツガが黙ってこちらを

見ているような感じがする。

もうすぐ本間ノ頭だ。

樹木を楽しみながら、ゆっくりと歩いていく。

ツガダチ尾根はここまで。

本間ノ頭から本間橋までの登山道に合流。(12:50)

(登山道からツガダチ尾根の方向を撮影)

本間ノ頭に向かって登る。

この登山道は下山で何度か通ったことがあるが、

とても不明瞭で分かりにくい。

こうして本日のゴール、本間ノ頭に到着。(13:00)

すごいぞマイナールート探検隊!

(撮影を忘れた…)

下山は、丹沢三峰、縦走コース。

宮ヶ瀬湖に向かって下る。

どんどん下る。

この日に登ってきた標高を一気に下る。

このコースは、ちょっとした鎖場や

丸太の階段もあり、なかなか面白い。

 

金冷しに到着。(14:39)

金冷しの道しるべから登山道を数メートル戻ったところに

しっかりした尾根がある。この尾根は金沢林道に向かっている。

下山の探検にちょうどいいルートだ。

 

今日は、ここを下る。

しかし、少し下ってみるとちょっと危ない尾根だ。

もうあまり時間がない。

 

経験上、ここを下るのはやめたほうがいいと判断。

次のターゲット・ルートまで下る。

青宇治橋への分岐に到着。

この近くには、送電線が通っている。

web情報では、送電線の鉄塔まで行く

管理道があるらしい。

金沢林道を目指して

青宇治橋と反対方面に下る。

 

地形図では、比較的はっきりした尾根で

金沢林道までの距離も短い。

これなら、問題なく下れる。

周囲を観察すると、送電線に向かって

踏み跡がある。

よし、これが管理道だ。(15:10)

「緑を愛しましょう」と書かれた

黄色い杭にNo.29とある。

おそらく鉄塔の番号だろう。

しばらく斜面をトラバースすると、

道は尾根道を下り始める。

左上を見ると、送電線が通っている。

この送電線に沿うように尾根を下っていくと、

鉄塔が見えてくる。

プラスチックの階段がある。

これは楽ちんだ。

と思ったら、破損している。

鉄塔の脇を過ぎ、道なりに下りていくと、

シカ柵の金扉がある。こちらも壊れている。

 

アンヌ隊員が叫ぶ。

「もう、管理道なんだから、ちゃんと管理してよね!」

使わせていただいている者の発言とは、とても思えない…。

つづら折りの道を下っていく。

立派な鉄の階段もある。

鉄塔から10分ほど下ると、

沢に到着する。

ここは、金沢の支流の沢だ。

下りたところには、細く長い滝がある。

下流に向かってゴーロを歩いていくと、

金沢林道が見える。

林道には、鉄のハシゴで下りる。(15:50)

金沢林道を宮ヶ瀬方面に向かう。

地面に大きな石がびっしり転がっている。

まるでゴーロ歩きだ。

1時間ほど歩いて、

金沢橋に到着。(16:40)

 

ここで、大声を出すと周囲に響く。

即興の曲「宮ケ瀬エコーソング」を歌っていると、

ランニングの男性が来る。

こんなところをランニング?トレラン?

服装やシューズ、それに走り方が

ランナーっぽくない。なんで走っているの?

 

何か事情があるのだろうけど、

人里離れた林道を、こんな時刻に走らなければ

ならない事情とは、いったいどんな事情なのだろうか。

他人事ながら、心配してしまった。

30分ほどの林道歩きで

すっかり真っ暗になってしまった。

 

マイナー探検1号に到着。(17:10)

素晴らしい探検に、祝福を。

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