クラシック・マイナールートだ。高指から菰釣山

2014年9月20日(土)

道志・道の駅 〜 p1055 〜 高指 〜 p1130 〜 ブナノ丸 〜 菰釣山 

(国土地理院地図に加筆)

今回は「山と高原地図2004年版」にある

廃道を示すグレーの点線を探検する。

これはまさに、我が隊の探検の原点。

クラシック・マイナールートといえよう。

そしてついに、我が隊に新しいアイテムが。

■ついにGPSを導入■

現在地がわかるiPhoneのGPSアプリをアンヌ隊員が入手。

これで我が隊も道迷いとオサラバだ。

 しかし、本当にそれでいいのか。もちろん、それではいかん!

やっぱり探検のだいご味は、地図で丹念に現在地を追うことだ。

そして我が隊の特徴は、なんといっても道に迷うこと。

よって我が隊では、探検中のGPS使用を禁止とした!

 

道志・道の駅にマイナー探検1号を駐車(8:20)。

西沢林道を目指して、車道を歩く。

 

きれいな稲穂が、まぶしく

しばらくウットリする。

三ヶ瀬川を渡って、左折。

沢沿いの道を、歩いていく。

キャンプ場の分岐に到着。

ここを右折する。

 

左折は、東沢林道、道志の森キャンプ場

(管理棟看板の方角)

まっすぐは、西沢林道。

右折した先は、ちょっとした広場で、

鉄塔が建っている。

その鉄塔のわきを登っていく。

廃屋の間を縫うように

踏み跡が続いている。

さぁ、ここからが今日の探検だ。

行くぞ、マイナールート探検隊!

(08:50)

しばらくは、踏み跡があるが

その踏み跡も、すぐに消えてしまう。

 

むむ、本当にここを登るのが正解なのか。

地図とコンパスで、確認する。

私は、地図を持ったら命がけの男だ。

かつて何度も地図読みを誤り、山中をさまよった。

読図力と共に精神力も鍛えてきた。

 

ただ、どんなに鍛えてもバカはバカ。

いまだに、地図をマトモに読めない。

それでも、GPSには頼らない。

地図と地形をしっかり照らし合わせる。

 

よし、わかったぞ。

おそらくこのまま登っていけば大丈夫だ。

行くぞアンヌ!

「わぁ、面白い!今ここにいるんだ」

「こら!カンニングはいかんぞ」

 

もう見てるのかよ。早すぎるぞ!

アンヌは、自分だけこっそり

GPSを見るつもりらしい。

でもまぁ、それもいいか。

いざというときは、私もGPSに頼るだろう。

 

尾根に乗ったところで

おにぎりタイム。

尾根づたいに、どんどん登っていく。

踏み跡はあまり明瞭ではない。

だんだんヤブっぽくなってくる。

ヤブのおかげで、踏み跡がよく見える。

ピークに近づくにつれ、ヤブが濃くなってくる。

踏み跡が見えるから大丈夫だが

これは、パーフェクトなヤブこぎだ。

突然ヤブがなくなり、三角点が現れる。

ということは、ここがp1055だろう。

ここで、記念撮影。

山頂付近には、サンショウが

たくさんある。

しばらく尾根道を進むと、

p1084のピークに到着。

地図には高指とあるところだ。

山頂には、アカマツがある。

ここからしばらくは、

平坦な尾根道になる。

そして、アカマツの群生地帯。

こんなにたくさん生えているなんて、

これは植林だろうか。

アカマツの尾根を進み、

植林地帯の尾根道を、さらに進んでいく。

踏み跡は、明瞭だ。

続いて、p1130に到着。(10:30)

山頂には大木があり、今日の強い日差しを

和やかな光にしてくれている。

 

ここは、広くなだらかなところ。

ルートは山頂から左にカーブする。

進むべき方向をコンパスでしっかり定める。

GPSは、現在地が分かっても、

これから進むべき方向は教えてくれない。

こういうときは、やはりコンパスだ。

アナログ万歳!

次は、カラマツの群生。

「山と高原地図」に“カラマツ”と

記載されているので、もっとたくさんの

カラマツを想像していたが、先ほどの

アカマツよりも数は少ない。

しばらく美しい尾根が続く。

こんなにすばらしいところを

歩けるだなんて、やっぱりマイナールートは楽しい。

植林地帯、ヤブ。

丹沢の自然を凝縮したような尾根だ。

尾根の真ん中にアカマツの大木。

これは、大きいぞ。

やがて、だんだん急な坂道に

なってくる。

根や枝をつかんで登るところもある。

ヤブ気味の道だが、踏み跡は明瞭だ。

飛び出たところは、

前ノ岳からブナノ丸への稜線だ。

道しるべは、釘で書かれている

ドット仕様。

「山と高原地図2004年版」によると

ここは、富士見峠という名前らしい。

昔はここから、富士山が望めたのだろうか。

現在は、樹木が育ち展望はない。

ブナノ丸へしばらく進むと、

原生林の豊かなところになる。

そして、ブナノ丸に到着。

道しるべがなければ、通り過ぎてしまうような

何にもないピークだ。

ここからは、甲相国境尾根を進む。

木々の合間から、

これから行く菰釣山が見える。

やっぱり甲相国境尾根は、すばらしい。

見よ、このブナの木。感動だ!

ブナの枝は、繊細だ。

アンヌはこれを見るといつも

脳の血管みたいだ、という。

血管のブナに囲まれた登山道を

ゆっくりと歩いていく。

菰釣山は、アプローチが難しく

今までなかなか来られなかった。

 

いつかは行きたいと思っていた山。

ついにその願いがかなうときが来た。

さぁいよいよ、

菰釣山の山頂が見えてきたぞ。

菰釣山に到着。

やったね。(12:20)

 

山頂には、ベンチ以外何もない。

思ったよりも、あっさりしたところだ。

山頂からの見晴らしが、すばらしい。

地図を見ながら、あの山は何かな

などと楽しむ。

 

しかし、なんか変だ。

見ている景色と、地図が一致しない。

コンパスで地図を合わせて、あれが三国山

あれが大栂などと、当てはめてみる。

しかし、地図にはない稜線や谷間がたくさんあり

コンパスも微妙に合わない。

 

なんとか地形を把握しようと、双眼鏡まで

持ち出して見てみるが、やっぱりおかしい。

 

悩みながら、一時間も山頂で過ごしてしまう。

納得できないまま、山頂を離れるのは

とても嫌だが、時間がもうない。

 

こうして下山を開始する。

すると、すぐにまたピークがある。

 

あれ??

ここはなんだ??

ここが菰釣山の山頂か!

ということは、さっきまでいたところは、

山頂ではなく、ただの見晴らし台だったのか。

どうりで、地形が一致しないはずだ。

山頂だと思い込んでいたので、

コンパスが微妙にずれていても

勝手に補正していた。

 

(GPSをカンニングすればよかった!)

サラバだ、菰釣山。

ここでの出来事は、一生忘れないだろう。

(だからと言って何も変わらないが)

15分ほど下ると、避難小屋がある。

ここは先日も立ち寄ったので、

今日はスルーする。

避難小屋から10分ほど下ったところに

道しるべがある。

ここを左折して、谷間の道を下っていく。

15分ほどで沢に出合う。

このあと西沢林道を下る。

道の駅に戻ってきた。

今日も楽しい探検だった。

 

あとがき

GPSは、「山と高原地図」をダウンロードして使用してみた。

見慣れた地図で現在地が分かるのは、とても心強い。

電話やメールが届かなくても、GPSは測定できる。これはいい。

私のような道迷いスペシャリストには、やはり必要なのだろう。

せっかくのアイテムなので、しっかりと使いこなしていきたい。

(もちろん、いざというときの保険として)

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