地味な沢には、地味な味わいがあるぞ。 荷干沢(ニボシ沢)、カモオキ沢

2014年8月30日(土)

ブナ沢乗越・南東尾根 〜 荷干沢(ニボシ沢) 〜 カモオキ沢

(国土地理院地図に加筆)

shiroさんから、探検お誘いパート2。

丹沢の探検家でもあまり知られていない沢、

荷干沢、カモオキ沢へ。

今回の探検は、探検友達AYさんも一緒だ。

 

                                                                                 

西沢林道のゲート前に

shiroさんの車を停める。

 

ここからしばらく林道歩きだ。

鎖の張ってあるゲート前に、警告看板。

なに!監視カメラだって?どこどこ?

 

しばらく探してみるが、巧妙に隠してあるらしく

見つけることができなかった。

(看板だけ? なんて邪推はいけない!)

 

林道を進むと、もう一度、沢を越える。

沢を越える前に、登山道入り口があるが、

今日はこちらから登らない。

沢を越えると、すぐにゲートがあり、

その先に、登山道の入り口が右側にある。

 

古ぼけた丸太の階段が

いい感じに朽ち果てている。

 

今では、一般の登山道だが、

昔は炭焼きの仕事道だったのだろうか、

などと妄想スイッチON!

しばらく登るとそこは

西丹沢の原生林。

 

森の中の空気は、密度が違うような、

心が吸い込まれてゆくような、

そんな気がする。

雨が降ってきたので、カサをさす。

登山中のカサは役に立たないと

思われるかもしれないが、

休憩や食事をとるときに便利だ。

菰釣山の避難小屋。

室内はとてもきれいに清掃されており、

布団もある。

さぁ、ここからが本日の探検だ。

行くぞ、マイナールート探検隊。

(AYさん、shiroさん、ポーズありがとうございます)

いつものように、ヤブこぎ開始。

雨に濡れたササで身体が濡れないように

レインウエアを着込む。

下り始めて10分。どうも変だ。

目指す尾根はここではないのでは?

どうやら、下りるポイントを間違えたらしい。

けもの道をたどって、隣の尾根に向かう。

隣の尾根に到着すると、

あれ? ここもちゃうぞ!

さらに隣の尾根に向かう。

 

越えてきた2つの尾根は、国土地理院の等高線に

描かれていない。この付近の地形図では

よくある話なので、地形図を100%信頼できない。

尾根と尾根の合間にある空間が、とても美しい。

こんなきれいなところを眺められるなんて

道迷いはやっぱり、すてきだ。

そしてようやく、

ターゲット尾根が見えてくる。

先ほどの支尾根とはちがい、

踏み跡もしっかりある。

今度こそ間違いない。

しばらく下ると、

2回のヤブこぎタイムがあり

最後に、植林地帯の急な斜面を下っていく。

甲相国境尾根から1時間10分。

荷干沢(ニボシ沢)に到着。

 

荷干沢は、大股沢の支流。

水量も少なく流れも穏やかだ。

最初の滝は、左側を直登りする。

 

するとここで、

アンヌ右手をかけた岩がごそっと動く。

おいおい、こんな大きな岩が落ちてきたら

大変だよ。

なんと、岩が真っ二つに割れている。しかも縦に。

 

よく見ると、割れた岩の間に小さな石が入っている。

ずいぶん前から割れているらしい。

微妙なバランスで立っている岩なのだ。

 

よくよく考えてみると、沢にドデンとある大岩だって、

突然、落ちたり転がったりしても、不思議はない。

 

山の中では、色々なものが

バランスを保って存在しているのだろう。

荷干沢には、いくつか滝があるが、

どれも小さな滝なので、ロープは出さずに

登ることができる。

そして特筆すべきは、美しいナメ滝。

 

アンヌはナメ滝を登ったり下ったり、

何度も繰り返して味わっている。

それじゃ、私も味わおうかな。

さっそく寝転んで、セクシーポーズ、

と思ったら、水が冷たい!

夏の沢登りでは、最低一度は修業をしたい。

しかし、今日は水があまりに冷たい。

 

そこで、小さな滝で修行をする。

冷たいぞ!

撮影の間だけしか、じっとしてられず

すぐに退散!

 

そろそろ、修行シーズン・オフだな。

続いて、二条の滝。

ミニゴルジュの滝。

変化に富んだ小さな滝が連続して、

なかなか面白い。

 

もっと地味な沢を想像していたが、

なかなか味わい深い沢だ。

やがて、分岐が見えてくる。

右の支流に進む。

ここからがカモオキ沢だ。

カモオキ沢に入ると

水量がぐっと減ってくる。

大きなサイコロ型の岩だ。

この付近は、人がほとんど入っていない、

原生の森のような感じがする。

すると、炭焼き釜の跡を発見。

やはり人が入っていた。

かつてここは、炭焼きの森だったのだろう。

さらに進んでいくと、

水流がなくなり、伏流になる。

shiroさん、AYさんは、ベテラン探検家。

どんな枝沢もおろそかには通りすぎない。

判断が冴えている。

それに比べ私はといえば、

重要な分岐をことごとく見逃すし、

地図読みにかなりの問題があるが、

しかしそれを除けば、これといって特に欠点はなく、

クールでスマートな男と明言できる。

いよいよ、最後の分岐だ。

尾根に乗るのか、それとも

沢を詰めていくのか。

たいていの沢は、最後まで詰めずに

左右の尾根に向かう。

だが、地形によっては最後まで

詰めたほうが安全かつ、楽ちんだ。

今回の沢は、尾根に向かうと

激しいヤブこぎを強いられそうなので、

沢の源頭部を詰めていくことにする。

土にまみれ、草木をつかみ、

登って行った先には、笹原が広がっていた。

 

 

 

こうして、甲相国境尾根に到着。(14:10)

今日も楽しく探検できた。

shiroさん、AYさん、ありがとうございました!

 

あとがき

       

今日の探検は、これで終わり・・・、

ではなかった。

 

AYさんの提案で、ブナの沢乗越から

直接林道に向かって下りることに。

ところがこれがハズレ!

狙っていた尾根は、もっと西にあった。

 

ブナの沢乗越の道しるべが、地図上とは

違うところに設置されていたのだ。

斜面を下れば、そこは激ヤブ。

AYさん、shiroさんは現在地がわかっているようだが、

私はもはや、なんのこっちゃ?になっている。

ヤブを越え、ようやく林道が見えてくる。

 

こんなルートは、私とアンヌ隊員だけのときは

とっても無理だ。

 

ベテラン探検家への道は、まだ遠い。

探検リストに戻る

このページのTOPへ