心を入れ替えろ!今日が元旦だ。岩水沢で修行せよ

2014年8月17日(日)

神之川ヒュッテ 〜 岩水沢 〜 伊勢沢尾根(エセ沢・絵瀬沢尾根)

(国土地理院地図に加筆)

今回も探検友達と合同で探検だ。

メンバーは、MASAHIKOさん、レガーさん、はっぴーさん

そして、我が隊の計5名。

ターゲットは裏丹沢、岩水沢。

 

岩水沢は、憧れの沢。

しかし、難易度が高く、ためらっていたのだ。

今回、皆さんにお誘いいただき、

ついに登れるときがきた。

 

探検記の写真は、皆さんの写真を

 たくさん拝借しました。

 皆さん、ありがとうございます。

 

MASAHIKOさんの車、流星2号

神之川ヒュッテ到着。(08:00)

まずは、林道を広河原まで歩いていく。

孫右衛門沢の滝、トンネル手前にゲートができた。(08:10)

ここまでは、車で来られるだろう。

見上げればそこは夏の緑。

下を見れば、そこは神之川。

やがて立派な鉄橋、

ヒワタ沢橋が見えてくると、広河原が近い。

林道から広河原に下りる。(08:50)

金山谷沢が見えてくる。

ここで、アンヌのおにぎりタイムに

皆さんにお付き合いいただく。

 

沢装束に着替えて、遡行開始。

地蔵尾根と源造尾根の狭間を進む。

この辺りで自然の環境がグっと変わってくる。

とても山深い感じがするところだ。

岩水沢の出合いに到着。(09:20)

さぁ、ここからが今日の探検だ。

行くぞ、マイナールート探検隊!

(みなさん、お付き合いありがとうございます)

出合付近は、大きな石が多い。

登り始めて3分ほどで、最初の滝に到着。

まずは、レガーさんから。

続いて、はっぴーさんが登る。

 

ほとんど階段状の滝なので、難易度は高くない。

ただ、高度感のある滝なので、

ある程度は慣れていないと、怖いかもしれない。

 

私は、この後に登るアンヌのために

ロープを引いて登る。

 

それにしても、

すごいところを登っているように

写っているなぁ。

しかし、上から撮影すると、

そんなには、すごそうに見えない。

 

下にいるアンヌとMASAHIKOさんが

小さく見えるので、高度感は伝わるかな。

滝の上に行くと、ビレイの準備。

滝の下が見えないので、アンヌとホイッスルで

合図し合いながらロープを張る。

 

たいていの滝には、ビレイポイントなんてない。

ボディビレイがノーマルだ。

ビレイする人よりクライマーの方が体重が重い場合は、

この方法でのビレイが難しい。

 

続いて、アンヌ。

上から撮影しているのはレガーさん。

下から撮影しているのはMASAHIKOさん。

 

けっこう高いから、アンヌは怖がるな。

ロープを出してよかった。

 

岩水沢は、登りごたえのある滝が多い。

今年は、静かな沢登りが多かった。

 

水流沿いに登るシャワークライミングが

とても気持ちいい。

深い釜のある滝だ。

みんなは、この滝を巻いたが、

MASAHIKOさんはトラバースする。

そしてこの直後、ハデに落下。

MASAHIKOさんは

極悪三人衆の一人、とうわさで聞く。

さっそく極悪っぷりを見せてくれた。

小さな滝を次々に越えていく。

気持ちがええ!

倒木エリアだ。

沢床がすっかり覆われている。

今年の初めに積もった雪のせいで

倒木がたくさん出たらしい。

 

 

倒木エリアを抜けると、

そこは、広い岩場。

日差しが樹木の葉をすり抜け、

緑色に輝いている。

本日のイベント会場に到着。(10:10)

落差10メートルほどの滝。

ほぼ一直線に流れている。

ここでのイベントは、もちろん修業。

 

気温が高いので、水は冷たくないが、

背中にあたる水が、とても痛い。

もう一つ行こう。

これでどうだ!

レガーさんは、良い子タイプの修業。

MASAHIKOさんは、極悪タイプの修行だ。

修行の滝は右側から越える。

ここも高度感があるので、私がロープを引いて登り、

はっぴーさん、アンヌはロープ確保で登る。

ロック・クライミングは登るものだが、

滝は登るものではなく、

越えるという表現がしっくりくる。

ここは立木で支点を作れた。

こんな都合よく支点が見つかる滝は

めずらしい。

無事に登り終えた後は、ロープの撤収。

ちゃっちゃと片づける。

 

時間がかかると、体が冷えるし

行動時間も長くなってしまう。

その上の滝も、なかなか難しい。

この滝が、岩水沢で一番難しい滝だろう。

 

ここも、はっぴーさん、アンヌはロープ確保で。

ここでのビレイは、ボディビレイだ。

ボディビレイの方法は様々だ。

ここでは座り込んで足を踏ん張る。

ロープは常に張っておく。

 

真夏でなければ、お尻が冷たくて痔が出そうだ。

(幸いにも、今回は出なかった)

無事に登り終え、再び遡行する。

 

倒木エリアだが、ここでは

倒木がうまい具合にホールドになっている。

次は、水流沿いの登攀が難しい。

左から登る。

するとMASAHIKOさんが

水流沿いを一気に登る。

(すごいぞ、極悪人!)

とてもきれいな滝だが、

倒木で隠れてしまい、残念だ。

なかなか危険だ。

巻くことにする。

(MASAHIKOさんは、やっぱり極悪コース)

左から大きく巻く。

巻き道はもろく崩れ、こちらも危険だ。

レガーさんにお助けロープを出してもらい、

なんとかクリア。

そして、ついに本日のメインイベント

岩清水の滝に到着。(11:50)

 

ここは、岩水沢の由来とも言うべき滝だ。

上に沢があるわけでもなく、

岩の間からコンコンと水が流れている。

この日はとても暑かったが

水流に近づくと、ひんやりとしている。

 

写真ではとても表現できない、美しい滝だ。

レガーさんは、ここで修行すると心が入れ替わる。

今日が人生の元旦になる、という。

 

よし、水が冷たいので短い間だけ修行。

いや〜、気持ちがええ。頭が冴える。

うん、確かに気持ちがスッキリする。

しかし、誰もが修行の成果が出るとは限らない。

修行のおかげで

突然ヘンタイに目覚めるかもしれないし、

宇宙人に変なチップを埋め込まれたことを

思い出すかもしれない。

 

水を口にすると、なんとなくまろやかな味わい。

レガーさんに岩清水でいれたコーヒーをいただくと

これまた美味しい!

 

しばし、皆でまったりとする。

さて上流は、水も涸れ

再び倒木エリアになる。

ここで私は、腕時計がないことに気がつく。

しまった!さっきの岩清水ポイントに

お供えしてしまったか。

「あっ!」と大声を出してしまう。

 

間髪をいれずにアンヌが聞く

「どうしたの?」

「いや…なんでもない…」

「もう!気になるから言ってよ!」

 

アンヌに怒られ、しかたなく白状する。

それを聞いた一同、あぜん。

 

私は探検中によく物をなくす。

ブリーフパンツをなくしたこともある。

だから腕時計くらいは、朝飯前でなくす。

 

さて困った。取りに戻りたいが、それでは

皆に遅れてしまい、はなはだ迷惑だ。

というか、こんなことで騒いでいることが、

すでに迷惑だ。

 

置いてきてしまった時計は、

高度計付き、高機能時計

「CASIO・プロトレック」。

 

それを聞いたMASAHIKOさん。

「それは取りに行ったほうがいい」

「代わりにオレが取りに行ってもいい」

「オレが見つけても、なかったといって、

ポケットに隠してもいい

などと極悪っぷりを、いかんなく発揮。

 

それにしても、どうして置いて来たのかな。

アンヌは最後に忘れものがないかどうか

ちゃんと確認したという。

 

そこで、念のためにザックを確認すると、

あっさりザックのポケットから出てくる。(アラ!)

 

失くさないようにしっかりとしまい込んで、

そのことを忘れて騒いでしまった。

やはり、修行の成果はまったくない。

 

さらにツメていく。倒木が多いが

ヤブこぎもなく、沢のツメとしては

楽な方だろう。

こうして、伊勢沢尾根に到着。(13:20)

ここで、沢シューズを履き替える。

 

皆は、アクアステルス(R)なので履き替えない。

我が隊は、フェルトシューズなので、

登山靴に履き替える。

 

下山は、伊勢沢尾根を下って

伊勢沢に向かう。

 

この尾根は、地形が複雑で、

とても分かりにくい。

MASAHIKOさんいわく、

“幾多のベテラン・Vルーターを飲み込んできた

 魔性の尾根、エセ沢尾根”

(この日、何度も言っていた。

きっとお気に入りのセリフなのだろう)

 

彼らも、今回で4回目のチャレンジらしい。

いままで道迷いなしに下れたことは

一度もなかったという。

 

レガーさんを先頭に、何度も地形を確認しながら

下っていく。

シロタマゴテングが、たくさん生えている。

これは毒キノコだ。

 

ウィキペディアによれば、

「1本食べただけで死に至るほどの猛毒」

とある。

レガーさんは、

「ここにいる人の数だけ、生えてますよ」

などという。

彼は、さわやかな笑顔とは裏腹に

ブラックな一面があると聞く。

これが噂のブラック・レガーか。

そんなレガーさん、

一度も道迷いをせず、登り返すこともなく、

順調に下っていく。

迷いそうなポイントが盛りだくさんの尾根。

さすがは、魔性の尾根だ。

 

もちろん道しるべはない。

テーピングもなければ、マーキングもない。

私も地形図を見ながら下っているが、

だんだん分からなくなってくる。難しい!

 

しかし、とてもきれいな尾根だ。

今日は、皆さんについていくだけなので、

伊勢沢尾根の自然を味わいながら下っていく。

山火事注意の杭がある。

この尾根、唯一の目印だろう。

最後は、急な斜面をジグザグに下っていく。

落石を起こしやすく、とても危険だ。

こうして、伊勢沢に到着。(15:20)

 

ここで膝丈くらいの渡河が2回あり、

登山靴に水が入ることを承知で、

ジャブジャブと渡る。

はっぴーさんが、

「沢シューズを履き替えないでよかったね」

 

うーん、私たちが、登山靴に履き替えるために

待っていただいたと思うのだが…。

ほのぼのキャラの、はっぴーさんであった。

林道に出るために、斜面を登りかえし、

林道に到着。(15:40)

 

岩水沢、伊勢沢尾根を探検できた。

すごいぞ、マイナールート探検隊。

(みなさん、ありがとうございました!)

 

あとがき

下山中にマムシを発見した。(体長50cmほど)

皆でマムシを見ていると、マムシはじっとして、

こちらをうかがっている。

どうやら警戒しているようだ。

レガーさんが「警戒するとトグロを巻くんだよね」

と言うと、マムシがトグロを巻き始めた。

さらに、シッポを細かく震わせている。

こりゃ、ガチで警戒しているぞ!

 

はじめて見た。これは興味深い。

私は思わずテンションが上がる。

 

マムシが飛びつくところを見たくて、

枝で突っつこうとすると、アンヌに

「やめてよ!」と釘を刺され

テンション下がる。(男も下げた)

やはり、修行の成果はまったくない。

 

マムシの血清は、どの病院にもあるわけではなく

いたずらをして、うっかり噛みつかれると大変だ。

テンションが下がってよかった。

 

マムシの体は保護色なので、とても見つけにくい。

探検中は、クマやハチにばかり気を付けているが

マムシも怖い!

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