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桐山が沢のお師匠に? マスキ嵐沢で技を磨け。

2013年7月15日(月) 

西丹沢自然教室 〜 大滝橋 〜 マスキ嵐沢 〜 権現山 〜 西丹沢自然教室

 

 

今日は、入隊希望者、Cさんを迎えての沢登りだ。

彼は、合気道の指導者であり、剣の達人であり、

整体師でもある。そして、私の自転車(ロードレーサー)

の師匠だ。

 彼は恐るべき体力の持ち主。富士山の1合目から

5合目までを自転車で登り、山頂まで一気に登頂&下山

してしまう。

 

 そんな彼が、私に弟子入りを希望した。

ぜひ沢登りを伝授して欲しい、桐山はダンディだ、

と言われたのだ。(脚色あり)。

 これは大変光栄なことだ。しかし、彼の理想通りの

師匠になれるかどうか…。

 

西丹沢自然教室から、大滝峠まで

バスで移動。

登山道を使って、マスキ嵐沢の出合いに到着。

Cさんには、私のハーネスをお貸しする。

 

沢シューズを購入していない彼には、

スニーカーの上から厚手の靴下を履いてもらい、

即席の沢シューズにしてもらう。

 

この即席沢シューズは、子供が沢登りをするときに、

重宝する。子供用の沢シューズがないからだ。

 

今年初めてのマスキ嵐沢。

いつ来ても、きれいな沢だ。

 

近年、この沢は人気が出てきた。

この日も、2パーティが先行している。

しばらく登ると、F1に到着。

いつもなら、ここはロープを出さずに登るのだが、

今日はCさんの確保のため、ロープを出す。

 

F1の登攀方法はこうだ。

まずは、私がロープを引いて、登る。

このときはロープは、どこにもつながっていない。

 ※F1は、トップのビレイ(ロープで安全を確保すること)

  ができない。したがって、登攀が難しい滝の場合は、

  この方法では登れない。

次に、セカンドのCさんが登る。Cさんは私がビレイをする。

ロープの途中に8の字結びして、カラビナでCさんの

ハーネスに装着。

 

 ※F1の落ち口に、ボルトなどの支点はない。

  この日は、ボディビレイをした。

最後に、私のビレイでラスト・アンヌ隊員が登る。

(通常の8の字結び)

こうして、快適に登って行く。

先日行った悪沢も沢床がヌメッていたが、

ここマスキ嵐沢も例年以上にヌメっている。

マスキ嵐沢の核心、F3に到着。

ここも、先ほどと同じ方法で登る。

 

まず私が、左から右にトラバース(横断)する

ルートで登る。

 

通常F3は、セカンド以降は、水流沿いに登るのだが、

今回は、水流沿いがとてもヌメっているので、

セカンド以降もトラバースするルートで登る。

(F3は立ち木にあるトラロープでビレイができる)

 

Cさんには、シャワークライミングする醍醐味を

味わって欲しかったのに、とても残念だ。

(この後、F4も同様の方法で、登攀)

 

彼は、クライミングの経験がほとんどない。

だが、一流の武道家だけに、バランスの感覚がすばらしく、

登っている姿は、初心者だということを感じさせない。

即席沢シューズのフリクションは、

とてもいいようだ。

 

靴下がフェルト代わりになり、

岩のヌメりに効果的だ。

やがて水流がなくなるところまで

登ってくる。

最後の滝、F7、10m。涸れ滝だ。

 

ここには、中間支点(ハーケン)が3個所ある。

これを使って、落ち口までまっすぐに登れる。

まず、私がクイックドローを中間支点にかけて

登って行く。下では、アンヌ隊員が私のビレイをする。

 

 ※もし私が滑落しても、ハーケンのところで停まる。

  下まで落ちることはない。

私が滝の落ち口に到着して、自己ビレイをする。

アンヌ隊員は、ビレイを解除。

続いて私のビレイで、Cさんが登る。

クイックドローを通過するときに、ロープをはずす。

最後に、アンヌ隊員が登るときに、

クイックドローを回収する。

 

こうして、無事に登攀終了。

F7の上で、沢靴を登山靴に履き替える。

 

マスキ嵐沢は、最後のツメがとてもきれいだ。

一時期は、ずいぶんと荒れていたが、

ようやくもとの美しいツメに戻ってきた。

沢のツメは、たいてい息が上がってしまうが

Cさんは、まったく息が上がらずについてくる。

 

一度、Cさんから呼吸法について手ほどきを

受けたことがあるが、一流の武道家の呼吸法は

なかなかマスターできない。

こうして、権現山の稜線に到着。

今日も楽しい沢登りだった。

 

Cさんにも喜んでもらえた。

今後もまた、一緒に沢登りをしたい。

 

あとがき

 

今回は初めて「お弟子さん」を従えての沢登りだった。

私の師匠っぷりは大丈夫だったのか。もちろん、いつものようなアホッぷりは控えた。

道に迷わなかったし、歌わなかった。裸にもならなかった。

家に帰ると、Cさんからメールをいただいた。その文面には、

 「自分には良い師匠を見つける才能があるようです。

  桐山さんはカッコイイですね」(桐山、脚色あり)。

よかった〜!こちらこそ、よろしくお願いします。

 

F7、涸滝の登攀について。

●階段状の岩で、ホールドが豊富。

 岩場のゲレンデなら、レベルは5.6程度。

 ただ、ほぼ垂直で高度感がある上、涸沢を登ってきた

 あとの沢シューズでは、滑りやすい。

 ロープ無しの登攀はオススメできない。

(巻き道は、左岸(右側)にある)

●離陸は、岩がせり出しており

 トップは、左から巻いたほうが安全。

●中間支点のハーケン(3か所)は、奥までしっかり入っている。

●落ち口にある3つの支点のうち、一つはボルトが

 緩んでいる(左写真)。経年の劣化が感じられる。

(次回登ったときには、レンチを持っていこうと思う)

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