探検リストに戻る

 

来てよかった、までの道のり。アルパイン訓練だ

西丹沢自然教室 〜 用木沢出合 〜 犬越路 〜 小笄 〜 大笄 〜 熊笹ノ峰 〜 檜洞丸 〜 ゴーラ沢出合

2012年 2月 26日(日)、天気:曇り

行動時間 8:50〜16:10( 7 h 20 min )

探検メンバー : キリヤマ隊長、アンヌ隊員

 

今回は、犬越路から檜洞丸への稜線、雪山に挑戦だ。

そこは、凍りついた岩場の連続。“プチ”アルパイン登山だ。

アンヌ隊員にとっては、沢以外のルートは半年ぶり。

「登山道は疲れる」と言い続ける。

さらに、寒さに弱いアンヌ隊員。途中で何度も根を上げる。

わたしは、引き返そうと勧めるが…。

 

行くぞ、マイナールート探険隊!


いつものように、マイナー探検1号を西丹沢自然教室の駐車場に。

ここで、M-K隊のニカニカ号を発見。

 

M-K隊は、ardbegさんとVルートで

石棚山を探検されるらしい。

 

さっそく記念写真。

M-Kさんとardbegさんは、“ノーベル賞を惜しくも逃した人”に見えるが、

小学校時代、夏休みラジオ体操の参加賞を受賞した人だ。

わたしは、“競馬で身を持ち崩して家族も財産も失ったオヤジ”に見えるが、

学生時代の成績は常にトップクラスだった(低い方の)。

こうして、自然教室のKさんに登山届を提出。

さぁ、出発だ。

(09:10)

県道を用木沢出合いまで、歩いて行く。

途中にキャンプ場があり、バンガローは満室だ。

 

こうして、用木沢出合に到着。

ここから犬越路に向けて進む。

大きな歩道を越えて、しばらく丸太橋で渡河を繰り返す。

いつもなら目の前に見える大笄が、

この日は霧の中。

 

(一か月前のこの場所→)

 

犬越路の直下は、かなりの急坂が続く。

ここ数カ月、ジョギングで鍛えているアンヌ隊員は、

すいすいと登っていく。

わたしは、アンヌ隊員に付いていくのがやっとだ。

 

笹ヤブ地帯を通過する。

雪にまみれてのヤブこぎだ。

こうして、犬越路に到着。(10:45)

晴れていれば見えるはずの大笄は、霧の中。

登山道には、トレースが付いている。単独登山者だ。

この登山道は、檜洞丸への人気コースだが、

岩場が凍りつくこの時期、このルートを登る人は少ない。

よし、気合を入れて、行くぞ。

笹ヤブをかき分けて進んで行く。

しばらく進むと、急坂になってくる。

 

ここでアイゼン装着。

「なんじゃこりゃ、オレが結んでやる」

アンヌ隊員のアイゼンは、ゆるゆるなので、わたしが装着。

「よしこれでよし。行くぞ」

 

「でも、これじゃ説明書と違う結び方だわ」

「大丈夫、ちゃんと結んだ。オレ流で」

「ホントに〜」

「だ、だいじょうぶだよ(たぶん)」

アイゼンをつけて歩くと、いつもの数倍、疲れる。

そういえば、アンヌ隊員は沢以外のルートは半年ぶり。

「登山道は疲れるわ」と何度も言う。

そんなアンヌ隊員を励ましながら、ゆっくりと登って行く。

 

アイゼンで岩場を登るのは大変だ。

しかも、その岩が凍っている!!

クサリも、凍っている!!

「アンヌ〜。大丈夫か。目が死んでるぞ」

「疲れたわ〜」

「今なら間に合う。犬越路に引き返そうよ」

「いやよ、このことを探検記のネタにするんでしょう」

「うん」

「皆に笑われちゃうわ!」

 

引き返すより、ずっと面白いネタになった。

こうして、このルートの難関をクリヤー。

ふと振り返ると、一瞬、大室山が雲の合間から見える。

真っ白な雲の上に浮かび上がる陸地のようだ。

 

こんな景色は、初めて見た。体が固まった。

(シャッターチャンスを逃してしまった)

霧の中に広がる森。

霧氷した木々がきれいだ。

ヤタ尾根の分岐で、衣服の調整をする。(12:50)

ここから先は、たくさんのトレースがある。

よし、気合を入れるぞ。

心頭滅却すれば、寒くない!(一瞬だけ)

檜洞丸への急斜面が見えてくる。

ここまで、氷、雪、そして熊笹のヤブと闘いながら来た。

ようやくたどりついたそこは、下界とはまったく違っていた。

霧のかかった、美しい世界。

神々しいといっても、けっして過言ではない。

もし、この場所に、ヘリコプターなどでいきなりきても、

何も感じないだろう。

自分の足で一歩一歩、じっくり登ってきた者だけが

感じることのできる世界だ。

 

「来てよかったね」

アンヌ隊員と二人、何度も同じ言葉が出る。

 

檜洞丸の直下にある、木道を登っていると、

この日、はじめて登山者とすれ違い、声をかけられる。

おお、探検友達のAOKさん。

 

AOKさんは、気持ちにゆとりを感じさせる、温厚な方だ。

今日は、檜洞丸の北尾根を登って、ヤタ尾根で下山するとのこと。

わずかな会話しかできなかったが、楽しいひと時だった。

この後、アンヌ隊員と、AOKさんの話で盛り上がる。

探検家の集会でいただいた、彼の作ったスモークチーズが

とても美味しかったこと。そして、彼の奥様が自宅でヒルを発見して、

わざわざ会社に「いたわよ〜!」と電話をかけてきた話を思いだし、

二人で大笑いした。

こうして、檜洞丸の山頂に到着。(13:40)

山頂には誰もいない。

休まずに、すぐツツジ新道を下山する。

途中のベンチで、ヤマザキアンパン。

ツツジ新道で一番の大木に

いつものようにご挨拶する。

また、会えてよかった。

ここに立つと、この木がわたしたちを見ているような気がする。

ゴーラ沢出合沢を通過すると、

雪は、ほとんどなくなる。

こうして、登山道入り口まで戻ってくる。(16:10)

いい探検ができて、本当によかった。

 

あとがき

ゴーラ沢出合いにある、道しるべに

「冬の山は要注意!」の警告看板がある。

 

「積雪・残雪がある」

「山の上は寒い」

「冬の装備が必要」

「日没が早い」

思わず、「あたりまえやろー!」とツっこみたくなる

警告が並ぶこの看板。なぜこんなことを書いたのか。

 

これを立てた西丹沢自然教室、Kさんいわく、

「ここからは、ハイキングではありません」と

警告しているらしい。

 

ツツジ新道は、西丹沢で人気コース。年間多くの人が歩いている。

その中には、登山ではなく、ハイキング感覚の人も多いという。

ハイキング感覚の人でも、ここ、ゴーラ沢出合いまでは、

来ることができる。ゴーラ沢出合いまでくると、もっと先まで

行きたくなるのが人情。しかし、ハイキングの人は、山のことを

あまり知らないため、具体的に書いたらしい。

 

丹沢でたまに見かける、これって何の意味があるの?

という看板。看板にはそれぞれの意味があるようだ。

このページのTOPへ

 

探検リストに戻る