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超ロングコースで敢闘しろ。大菩薩嶺・大黒茂谷沢だ

2013年8月4日(日) 

三条新橋 〜 泉水林道 〜 大黒茂谷 〜 大菩薩嶺

管理道 〜 泉水林道 〜 三条新橋

 

山岳会「HALU」の仲間から誘われ、大菩薩嶺・大黒茂谷(おおぐろもだに)

を探検することになった。我が隊、初の県外沢登りだ。

 大黒茂谷は丹沢・大倉尾根と、ほぼ同じ距離と標高差をもつ沢。

沢登りとしては、ロングコースといえる。この日集まったメンバーは、

山岳会最強のメンバー、mikko、momo、つっちー、がんも(敬称略)

そして、ヘタレの桐山隊長(敬称アリ)の5名。(妻アンヌはお休み)

 およそ12時間にもおよぶハードな山行。桐山は最後までバテずに

付いていけるのか。

ダイナミックな沢登りに満足!

前日の22:00ごろ、駐車場に到着(車中泊)。

(写真はゲートから駐車場を撮影したもの)

※駐車場の場所は、このページのあとがきを参照してください。

5:20ごろ、出発だ。

右から、がんもさん、つっちーさん、

ひとりハンサムおいて、momoさん。

およそ1時間の林道歩きで、大黒茂谷出合いに到着。

沢の入り口には、丸太の道しるべがある。

沢に下りると、林業の管理道が通っており

立派な橋がかかっている。

ここから今日の探検が始まる。

登り始めて、まず出合うのは、

大きな岩がたくさんあるゴーロ地帯。

とにかくデカい岩だ。

岩の合間を抜けて行く。

岩の中は、暗くて洞窟みたい。

いいねぇ。探険隊の活動っぽいぞ。

巨石の合間に滝がある。

これを右から巻く。

歩幅を広げないと越えられず、意外に苦労する。

ここは、補助にスリングを出してもらう。

大岩群を越えると、堰堤が見えてくる。

これは、右から巻く。

コンクリート壁はコケだらけの垂直の壁。

足がすべったら空中懸垂になる。

ここは、左岸の岩からクライムダウン。

大きな岩のゴーロが終わりホッとするが

この後も大岩がたくさんある。

小さな滝を右から越える。

大きな釜をもつ、ゴルジュ。

がんもさん、つっちーさんが左側(右岸)をヘツる。

他のメンバーは、高巻く。

ゴルジュを右から高巻き、上から上流を撮影。

 ※写真の奥が上流。写真手前で降りている momoさんは、

  下にいる がんもさん に足の位置を聞きながら下りている。

  このゴルジュは高巻いた先で降りたとき、壁がほぼ垂直なので

  足元が見えない。

沢に下りたら、左岸にわたる(写真奥の2名が左岸を登っている)。

ゴルジュの先は、小さい滝を2つ超える。

シマシマ模様になっているナメ滝を通過。

標高1210m付近の小さな滝。

(以降の標高は、mikkoさんGPSのアバウト情報)

きれいなナメ床がある。

ここで、探険隊の撮影。(標高1240m付近)

よし、スベリ台だ。

調子が出てきたぞ!

これは、砂金なのか。ゴールドラッシュ!

さらに先に進むと、

砂の中にキラキラと輝く砂がある。

 

これは、雲母(うんも)という鉱物らしい。

まるで砂金のように輝いている。

これを見つけるたびに、mikkoさんが騒ぐ。

「桐山さん、金よ、金! 集めるとお金になるわよ

「ちゃいます。なりません」

「砂金だ〜!ゴールドだ〜!

「ちゃうちゃう」

(この後もmikkoさんは、雲母を見つけるたびに騒ぐ)

小さな滝やナメ滝を越える。

続いて、三段の連瀑帯だ。

最初は、3mのスラブ。

一枚岩の上を流れる水が気持ちいい。

次に2条6m。ここは、右から巻く。

がんもさんは、直登りだ。

 

学生時代、ワンダーフォーゲル部だった彼は、

とても沢慣れしている。

最後は、幅広い6mスラブ。

これは、この沢で一番きれいなスラブだ。

 

mikkoさん、がんもさん、桐山は、

そのまま登る。

momoさん、つっちーさんの確保のため、

がんもさんがロープの準備をする。

ロープワークがとても素早い。

さすがは、元ワンフォゲ。

明るく開けた場所に出る。

右に支流があり、この支流もまた美しい。

この沢は、大きな岩を越えるところが多く、

とても体力を使う。

続いて、管理道が横切る。(標高1300m付近)

5m階段状の美しいスラブ。

このようなスラブは、丹沢ではめったに見られない。

岩質の違いだろうか。

左岸の上を通っている管理道の橋が落ちている。

岩が割れて落ちたようだ。新しい橋が上に見える。

下山ではあの橋を通るはずだ。

二回目の、管理道を通過。(標高1460m付近)

下山では、この橋を渡る。この橋はまだ新しいので、

この管理道が現役なのがよく分かる。

 

このあたりで、みんなの口数が少なくなってくる。

ここまで5時間以上、行動している。

すでに一度、休憩を入れているが、

みんなも疲労しているはずだ。

修行僧のように粛々と登る。

私は、前に人について行くのがやっと。

しかし、ここで遅れると、下山の時間に影響する。

やがて二俣が現れる。(標高1470m付近)

右俣の方が水流が多いので、間違えやすいところだが

ここは左股が正解。(写真右が右俣)

さらに登る。黙々と登る。

さすがの私も、このときは歌わない。

 

沢の水が地面の下を通る伏流になっており、

単調なゴーロ歩きが続く。

石積みの堰堤が壊れている。

 

このまま、単調なまま最後まで行くのか。

ちょっとキツイな。でも、誰も疲れたと言わない。

こんな時、アンヌ隊員がいれば、おにぎりタイムなのに…。

続いて、管理道が横切っているところ。

ここには、橋がない。(標高1505m付近)

下山で通るルートだ。

 

皆、地図で現在位置を確認する。

私は、自力で地図読みをする体力がなくなってきた。

地図を見ても、なんだかよく分からない。

(体力があっても、よく分からない)

伏流が終わり、また水流が戻ってくる。

 

途中で、スリングを2本拾う。

木に垂れ下がっていたので、残置というより

忘れ物だろう。このまま放置しておいても

ゴミになるだけなので、ありがたくいただく。

2段の滝。(標高1560m)

ようやく滝だ。あのままゴーロ歩きだったら、

嫌になっちゃうところだった。

 

ここからしばらく連瀑が続くので、

いったん休憩する。(よかった〜)

砂金の次は、現金だ

私は、頭に水をかぶって

疲れた頭にカツを入れる。

 

続いて、Tシャツを脱ぎ始めると、

mikkoさんが一言。

「下は脱がないでね」

今日は、さすがに全裸の修行はできない。

「もちろん、女性の前では脱ぎませんよ」

「それじゃ、アンヌさんは?」

「・・・」

(アンヌは、女性ではなく女房かな?)

この滝は右側から巻く。

すぐ上に、15mの滝がある。

ここは、がんもさん、mikkoさんが

左側を登り、ロープを出す。

続いて、12mの滝。

ホールドはしっかりしているのだが、

高度感があるので、ここもロープを出す。

 

がんもさんの素早いロープワークのおかげで、

安全に登ることができる。

ここで、がんもさん、タイブロック(登高器の一種)を拾う。

先ほどのスリングに続いて、またしても収穫だ。

mikkoさんが

「次は現金だったりして」という。

(まさか、それはさすがに…)

 

すると、つっちーさん、なんと10円硬貨を拾う。

これぞまさしく、ヒョウタンから駒!

よし、それなら「次は一億円じゃ〜」と叫んでみるが

一億円ってどのくらいの大きさかイメージできない。

ああ、小市民は情けなし。

水流がなくなってきた。

そろそろ最後のツメだ。

二俣を右に進む。

左でもOKみたいだが、ザレ場が見えるので、

右から登る。 

目指すは、標高1850m地点。

ついに、目的の地点に到達。

すごいぞ! 

 

※ここで、全員の写真を撮影していない。

 やっぱり疲れていたのだろうか。

稜線に到着すると、がぜん元気が出てくる。

ザックをデポして、大菩薩嶺の山頂に向かう。

およそ20分で山頂に到着。

ここで、やっと記念撮影。

さぁ、山行はまだ半分。下山がある。

デポしたザックのところに戻って、しばらく下っていく。

下山ルートは、一般の登山道ではなく、

大黒茂谷に沿って尾根を下る。

その後は、管理道を使って下山するルートだ。

大黒茂谷に沿っている尾根は、はじめは踏み跡もあり、

きれいなササ野原を下っていく。

 

やがて、尾根は明瞭でなくなり、

ヤブこぎになる。

踏み跡はあるが、かなり深いヤブこぎだ。

1時間ほどで管理道に到着。あとは、道なりに下っていく。

先ほどのヤブこぎで、最後の体力を使ってしまった。

もう、足がふらつくほど、疲れている。もう少しだ。

こうして、管理道を2時間ほど歩いて、

本日の入渓ポイント、大黒茂谷出合いに戻ってくる。

ここから、1時間の林道歩きで、駐車場に戻る。

 

12時間以上にもおよぶ、ハードな山行だったが、

初めての県外沢登りは、充実した一日だった。皆さんに感謝!

 

あとがき

 

下山のヤブこぎのとき、

私は、ラストを歩いていた。(前に4人が歩いている)

こういった状況では、ラストが一番遅れてしまう。

 たとえば、倒木などでパーティが止まると、トップが倒木を

越えた後、トップは先に下ってしまう。セカンド以降は

少しずつ遅れ、ラストの私はかなり遅れてしまう。

したがって、ラストの私は、いつも急いでいる感じだ。

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 トップの人は、かなりゆっくり歩いても、ラストは、走ることになる。

あの日、もう少し私が疲労していたら皆から遅れていたはずだ。だから、

前の人がヤブの中に見えなくなったら「待ってくれ!」とはっきり言おうと

思っていた。メンバーとはぐれたら迷惑をかけるし、場合によっては遭難だ。

(自分に合わせて遅く歩いてもらうのも迷惑だが、はぐれるよりはマシだ)

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 私のような恥知らず(しかしハンサム!)でも「待ってくれ」と言うのは、

勇気がいる。ましてや、登山経験の豊富な人なら、もっと言いづらいだろう。

 私は今まで、妻アンヌと二人の山行がほとんどで、3人以上のパーティの

経験がほとんどない。今回のように、パーティから遅れそうになるのは、

初めての体験だ。

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 大人数パーティの遭難事故では、パーティが分断してしまうことが多い。

その場合、リーダーの責任が問われることがあるが、リーダーの責任だけでは

パーティの分断は避けらない。遅れそうになった人は、早めに声を上げることが

大切なことを実感した。

 ちなみに、ヤブこぎのとき私は、かなり焦っていたらしく、写真を2枚しか

撮影できていない。(2枚撮影できる余裕があったともいえるが…)

 

 

三条新橋付近の駐車場について:

青梅街道(大菩薩ライン)で、奥多摩湖方面に向かう。

丹波役場を過ぎてから2つ目のトンネルの先をしばらく走ると、

左に下りる道がある。この道が、泉水谷林道の道。すぐに三条新橋があり、

その先に10台ほどの駐車スペースがある。

(駐車場から先は、ゲートが閉まっている)

 

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